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「バンコクの妻と娘」(文春文庫)近藤紘一2010年08月17日 21時42分29秒

バンコクの妻と娘
もはや古典になっている近藤さんの「サイゴンから来た妻と娘」。
それが余りにも面白かったので、続編であるこの本を読みました。

自分の娘の勉強と思春期の成長に関する話がほとんどで、前著のようにベトナムの文化に触れるような内容はほとんどありません。
またタイの文化もあまり述べていません。

それでも1冊書ききってしまうのは、近藤さんの筆力。
子育ての考え方について、僕とはずいぶん違うなと思える箇所が多々ありましたが、ま、それは違いを楽しめばいいという感じ。

本論とはあまり関係ありませんが、近藤さんの筆がベトナム政府から反感を買って好ましく思われていなかったという部分にはちょっと興味を惹かれました。
歴史の捉え方にはいくつもの道がありますからね。
「国家統一」や「民族自決」ということよりも、社会主義化による官僚主義や全体主義への批判が、近藤さんは強かったようですね。

この本の魅力はいろいろありますが、一番良いのは、カバーデザイン。
僕もこういう家族の写真をぜひ撮影したいです。