この夏はこのTシャツで ― 2024年03月01日 16時46分08秒
盛者必衰 ― 2024年03月01日 16時48分50秒
『ドキュメント 奇跡の子』 ― 2024年03月01日 16時52分00秒
3月18日発売、『ドキュメント 奇跡の子 トリソミーの子を授かった夫婦の決断』(新潮新書)。
Amazonに書影が出ました。推薦の言葉は落合陽一さんです。
渾身の一作です。ぜひ、↓ のページをご覧になってください。
https://amzn.to/3OYwYjO
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親を頼らないで生きるヒント: 家族のことで悩んでいるあなたへ (コイケ ジュンコ) ― 2024年03月02日 21時18分29秒
親に頼らないで生きる・・・、これは親に頼ることができない子どもたちのドキュメントです。
つまり、児童養護施設で暮らす子どもたちが、「18歳の壁」を迎えて、どう生きていけばいいかを、体験者がアドバイスしてくれる本です。
親が自分の子どもを育てない。こんな不条理なことが、なぜあるのでしょうか。
しかし、世の中はそう捨てたものではなく、そういった子どもたちを支援してくれる大人たちがいます。
そういうところにSOSを出せることが大事で、大人はみんな信用できないなどと思わず、頼れる大人とぜひつながってほしいと思います。
つまり、児童養護施設で暮らす子どもたちが、「18歳の壁」を迎えて、どう生きていけばいいかを、体験者がアドバイスしてくれる本です。
親が自分の子どもを育てない。こんな不条理なことが、なぜあるのでしょうか。
しかし、世の中はそう捨てたものではなく、そういった子どもたちを支援してくれる大人たちがいます。
そういうところにSOSを出せることが大事で、大人はみんな信用できないなどと思わず、頼れる大人とぜひつながってほしいと思います。
ルポ 宗教と子ども――見過ごされてきた児童虐待(毎日新聞取材班) ― 2024年03月03日 19時15分48秒
安倍元首相の銃撃事件をきっかけに、宗教の抱える負の面が報道されるようになりました。
報道にはいろいろな切り口がありましたが、いわゆる宗教二世の問題が重い課題として社会に突きつけられました。
特に、旧統一教会とエホバの証人の問題ですね。
信仰の自由は誰もおかすことができない大切な原則です。
ですが、子どもを巻き込むことはどうなのでしょうか?
宗教というものは、他人を巻き込むように、それ自体がそういう性質を持っています。
神の福音を知ると、それを自分の大切な人に伝えたくなるのですね。つまり、伝道です。
そうすると、自然な流れとして自分の子どもに同じ宗教を持たせようと親は考えます。
信仰は自由と言いましたが、自己判断できない子どもは不自由を強いられるわけです。
ここに宗教二世のつらさがあります。
大人は自己判断として厳しく身を律することもあっていいでしょう。
しかし、子どもは身も心も育っていく過程にあるわけですから、一つの価値観に縛り付けられることには大きな問題があります。
小児医療には、「親は子どもの最善の利益の代弁者」という言葉がありますが、信仰が昂じると、子どもの利益は親から奪われることになります。
こういう状態を児童虐待と言いますが、宗教にそれを当てはめていいのかは非常に難しい面があります。
しかしながら、厚労省は2022年に宗教における子どもへの不適切な扱いを虐待の一類型であるという指針を示しました。
国がそこまで踏み込むとは思っていませんでしたので、ぼくとしてはかなり驚きました。
本書は、サブタイトルに「児童虐待」という言葉を入れ、この難しい問題に対して、子どもの権利を守る立場で書かれています。
執筆は毎日新聞の取材班が共同で行なっており、それがいい形になっています。
個々の記者が、どういう問題意識を持ちながら、どのように調査報道をやっていこうとするかという舞台裏にも触れています。
けっしてその部分が出過ぎておらず、ジャーナリストが何を考えていたのかが、本全体の中でいいバランスで描かれています。
本書の終盤近くまでは、旧統一教会やエホバの証人のことがメインでしたが、最後になってオウム真理教のことが出てきます。
いくら何でも、前ニ者とオウムでは違いすぎるのはと一瞬思いましたが、本質的にやはり通じるものがあるんですよね。
宗教って教義を突き詰めて究極までいくとオウムみたいになる危険性が含まれているのかもしれません。
そしてオウムの施設で暮らしていた100人以上の子どもたち。
ぼくは、この辺の情報には疎かったので実情を全然知りませんでした。
親と切り離されて、栄養もろくに取れず、不衛生な環境で集団生活をして・・・まるで旧ルーマニアの「チャウシェスクの子どもたち」ではないですか?
この子たちは児童相談所に引き取られ、一時保護となりますが、社会復帰までは相当大変だったと思います。
おそらく、子どもたちは愛着障害になっていたでしょう。
当時の資料を記者が発掘しますが、こうした貴重な文献が現在、関係者に共有されていないのは、なんとも残念だと思いました。
さて、この本が誕生した背景には、子どもの人権というものが、(まだまだ不十分にせよ)重く見られるように世の中が変わってきたという一面もあると思います。
1985年の川崎市で交通事故。両親はエホバの証人で輸血を拒否し、子どもは亡くなります。
この事件は『説得』という本になり、講談社ノンフィクション賞を受賞しましたが、社会的なムーブメントは起きませんでした。
知らない世界の知らない話として読まれたのでしょう。
今回の本が、社会に対して何かの力になってくれればいいなと一読者として思います。
新聞記者の仕事の内容は実に多彩ですが、本書は問題意識が非常に明瞭で、大変クオリティーの高い調査報道になっています。
みなさんにもぜひおススメします。
子どもの人権について考えてみてください。
報道にはいろいろな切り口がありましたが、いわゆる宗教二世の問題が重い課題として社会に突きつけられました。
特に、旧統一教会とエホバの証人の問題ですね。
信仰の自由は誰もおかすことができない大切な原則です。
ですが、子どもを巻き込むことはどうなのでしょうか?
宗教というものは、他人を巻き込むように、それ自体がそういう性質を持っています。
神の福音を知ると、それを自分の大切な人に伝えたくなるのですね。つまり、伝道です。
そうすると、自然な流れとして自分の子どもに同じ宗教を持たせようと親は考えます。
信仰は自由と言いましたが、自己判断できない子どもは不自由を強いられるわけです。
ここに宗教二世のつらさがあります。
大人は自己判断として厳しく身を律することもあっていいでしょう。
しかし、子どもは身も心も育っていく過程にあるわけですから、一つの価値観に縛り付けられることには大きな問題があります。
小児医療には、「親は子どもの最善の利益の代弁者」という言葉がありますが、信仰が昂じると、子どもの利益は親から奪われることになります。
こういう状態を児童虐待と言いますが、宗教にそれを当てはめていいのかは非常に難しい面があります。
しかしながら、厚労省は2022年に宗教における子どもへの不適切な扱いを虐待の一類型であるという指針を示しました。
国がそこまで踏み込むとは思っていませんでしたので、ぼくとしてはかなり驚きました。
本書は、サブタイトルに「児童虐待」という言葉を入れ、この難しい問題に対して、子どもの権利を守る立場で書かれています。
執筆は毎日新聞の取材班が共同で行なっており、それがいい形になっています。
個々の記者が、どういう問題意識を持ちながら、どのように調査報道をやっていこうとするかという舞台裏にも触れています。
けっしてその部分が出過ぎておらず、ジャーナリストが何を考えていたのかが、本全体の中でいいバランスで描かれています。
本書の終盤近くまでは、旧統一教会やエホバの証人のことがメインでしたが、最後になってオウム真理教のことが出てきます。
いくら何でも、前ニ者とオウムでは違いすぎるのはと一瞬思いましたが、本質的にやはり通じるものがあるんですよね。
宗教って教義を突き詰めて究極までいくとオウムみたいになる危険性が含まれているのかもしれません。
そしてオウムの施設で暮らしていた100人以上の子どもたち。
ぼくは、この辺の情報には疎かったので実情を全然知りませんでした。
親と切り離されて、栄養もろくに取れず、不衛生な環境で集団生活をして・・・まるで旧ルーマニアの「チャウシェスクの子どもたち」ではないですか?
この子たちは児童相談所に引き取られ、一時保護となりますが、社会復帰までは相当大変だったと思います。
おそらく、子どもたちは愛着障害になっていたでしょう。
当時の資料を記者が発掘しますが、こうした貴重な文献が現在、関係者に共有されていないのは、なんとも残念だと思いました。
さて、この本が誕生した背景には、子どもの人権というものが、(まだまだ不十分にせよ)重く見られるように世の中が変わってきたという一面もあると思います。
1985年の川崎市で交通事故。両親はエホバの証人で輸血を拒否し、子どもは亡くなります。
この事件は『説得』という本になり、講談社ノンフィクション賞を受賞しましたが、社会的なムーブメントは起きませんでした。
知らない世界の知らない話として読まれたのでしょう。
今回の本が、社会に対して何かの力になってくれればいいなと一読者として思います。
新聞記者の仕事の内容は実に多彩ですが、本書は問題意識が非常に明瞭で、大変クオリティーの高い調査報道になっています。
みなさんにもぜひおススメします。
子どもの人権について考えてみてください。
ザイム真理教――それは信者8000万人の巨大カルト(森永 卓郎) ― 2024年03月08日 22時02分41秒
現在ベストセラーの森永さんの本です。
消費税の導入によって経済が停滞したのはよく分かりますが、国の借金を増やしていってもいいというのは、よく分かりませんでした。
これは批判ではなく、たんにぼくが理系の人間で、経済のことがよく分からないからです。
膵臓がんで闘病中の森永さん。
いい時間を少しでも長く過ごしてくださいね。
消費税の導入によって経済が停滞したのはよく分かりますが、国の借金を増やしていってもいいというのは、よく分かりませんでした。
これは批判ではなく、たんにぼくが理系の人間で、経済のことがよく分からないからです。
膵臓がんで闘病中の森永さん。
いい時間を少しでも長く過ごしてくださいね。
『BLUE GIANT』を観る ― 2024年03月09日 22時12分54秒
見本が届きました! ― 2024年03月12日 19時21分38秒
仲野教授の この座右の銘が効きまっせ!(仲野 徹) ― 2024年03月13日 21時44分51秒
我が母校・千葉大医学部には世界で一番有名な外科医がいました。
第二外科の中山恒明先生です。
先生は、食道がんの権威として、また胃切除を短時間で終了させるレーゲル(術式)を確立したことで名を馳せました。
山崎豊子さんの『白い巨塔』の財前五郎のモデルは中山先生と噂されています。
中山先生は、「始めることが成功の半分。途中で諦めないことが完全な成功」という言葉を残しました。
千葉医学には3つの教えがありますが、このうちの1つが、中山先生の言葉からきた「Begin. Continue」です。
でもなんだか、千葉大のえらい先生たちは、この言葉を「まず始めよ」みたいに解釈するのですが、そうかな?
始めれば半分成功なのだから、始めるまでには相当の準備やアイデアが必要なのではないでしょうか?
とりあえず始めちゃえ! というノリではないと思います。
前振りが長くなりましたが、仲野先生のこの本は、アイデアの勝利だと思います。
座右の銘を俎上に上げて、メッタ斬りにするというのは、今までありそうでまったくなかったアイデアでしょう。
そもそも座右の銘とは、言葉は短くてもその来歴は長いわけです。意味も深い。
だからそれを論じていくと、大変語りがいがあるのです。
先生の切り口は、例によってコテコテの大阪弁で、めちゃおもろい。
一人ノリツッコミのテクニックは最高でした。
「急がば回れ」は、その場でクルクル回ることではない・・・って当たり前ですやん! 大笑いしました。
でも単におもしろいだけではなく、先生の教養が湧くように出てくるんですよね。どれだけ知識・教養があるんでしょうか?
たくさん本を読んでいることもよく分かります。
こういう作品はぼくには絶対に書けません。
そしてときどき、「教授の顔」も出てきます。
研究の指導をしているときの話です。行き詰まったときのために、プラン B を持っておきなさいとか。
こういうのをみなさんはどう読むんでしょうか?
ぼくは非常に興味深く読みました。研究に行き詰まった経験があるので。
先生は途中でネタ切れになりそうになりながらも、諦めることなく見事に完走しています。
作品として大成功でしたね。「完全な成功」です。
大変楽しい時間を過ごしました。みなさんにおススメします。
3月20日、ミシマ社から発売です。
ところでこの本は、小型で分厚くて、ちょっと見ない形をしています。
思わずミシマ社の編集者さんにメールで「この本のサイズは何という形ですか?」と聞いてしまいました。
答えは、文庫本サイズ。ですよねえ。メールを書いた直後に気づきました。
でも、コロコロした本でカワイイんです。カバーの朱色もキレイだし。
タイトルもいいですよね。
第二外科の中山恒明先生です。
先生は、食道がんの権威として、また胃切除を短時間で終了させるレーゲル(術式)を確立したことで名を馳せました。
山崎豊子さんの『白い巨塔』の財前五郎のモデルは中山先生と噂されています。
中山先生は、「始めることが成功の半分。途中で諦めないことが完全な成功」という言葉を残しました。
千葉医学には3つの教えがありますが、このうちの1つが、中山先生の言葉からきた「Begin. Continue」です。
でもなんだか、千葉大のえらい先生たちは、この言葉を「まず始めよ」みたいに解釈するのですが、そうかな?
始めれば半分成功なのだから、始めるまでには相当の準備やアイデアが必要なのではないでしょうか?
とりあえず始めちゃえ! というノリではないと思います。
前振りが長くなりましたが、仲野先生のこの本は、アイデアの勝利だと思います。
座右の銘を俎上に上げて、メッタ斬りにするというのは、今までありそうでまったくなかったアイデアでしょう。
そもそも座右の銘とは、言葉は短くてもその来歴は長いわけです。意味も深い。
だからそれを論じていくと、大変語りがいがあるのです。
先生の切り口は、例によってコテコテの大阪弁で、めちゃおもろい。
一人ノリツッコミのテクニックは最高でした。
「急がば回れ」は、その場でクルクル回ることではない・・・って当たり前ですやん! 大笑いしました。
でも単におもしろいだけではなく、先生の教養が湧くように出てくるんですよね。どれだけ知識・教養があるんでしょうか?
たくさん本を読んでいることもよく分かります。
こういう作品はぼくには絶対に書けません。
そしてときどき、「教授の顔」も出てきます。
研究の指導をしているときの話です。行き詰まったときのために、プラン B を持っておきなさいとか。
こういうのをみなさんはどう読むんでしょうか?
ぼくは非常に興味深く読みました。研究に行き詰まった経験があるので。
先生は途中でネタ切れになりそうになりながらも、諦めることなく見事に完走しています。
作品として大成功でしたね。「完全な成功」です。
大変楽しい時間を過ごしました。みなさんにおススメします。
3月20日、ミシマ社から発売です。
ところでこの本は、小型で分厚くて、ちょっと見ない形をしています。
思わずミシマ社の編集者さんにメールで「この本のサイズは何という形ですか?」と聞いてしまいました。
答えは、文庫本サイズ。ですよねえ。メールを書いた直後に気づきました。
でも、コロコロした本でカワイイんです。カバーの朱色もキレイだし。
タイトルもいいですよね。
『ドキュメント 奇跡の子』、明日18日(月)発売 ― 2024年03月17日 14時56分45秒
新潮新書から『ドキュメント 奇跡の子 トリソミーの子を授かった夫婦の決断』という本を、明日、3月18日(月)に出版します。
↓ ここから。
https://amzn.to/4a7Ftkz
18トリソミーの子を授かった夫婦が、いくつもの難手術に挑んでいく医療ノンフィクションです。
ただし、本作のメインテーマは、家族の形・子どもへの愛にあります。終盤になると、大きく話が展開していきます。
私はこの本を書きながら、自分の人生観が揺さぶられました。渾身の一作です。精魂込めて完成させました。
落合陽一さんから推薦のお言葉をいただいています。
よかったら、ぜひ手に取ってみてください。
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18トリソミーの子を授かった夫婦が、いくつもの難手術に挑んでいく医療ノンフィクションです。
ただし、本作のメインテーマは、家族の形・子どもへの愛にあります。終盤になると、大きく話が展開していきます。
私はこの本を書きながら、自分の人生観が揺さぶられました。渾身の一作です。精魂込めて完成させました。
落合陽一さんから推薦のお言葉をいただいています。
よかったら、ぜひ手に取ってみてください。
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