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「越境者 松田優作」(新潮文庫)松田美智子2010年08月13日 20時50分30秒

「松田優作」という俳優さんは、僕たちの世代の人間からすると、そうとう思い入れの強い対象です。

小中学生の頃に、「なんじゃあ、こりゃあ!」という彼の物まねをやったことがない男子などはまずいないのではないでしょうか?

この本はそんな彼を描いた評伝ですが、なんと著者は、彼の「元・奥さん」。
この松田美智子さんという方は、ノンフィクションライターなんですね。

さて、本を読んでみて、内容自体は大変面白いと思いましたが、「松田優作」という人間にはまったく共感が湧きません。
俳優とはこういう人種と言われてしまえばそれまでですが、あまりにエキセントリック・暴力的・傲岸な私生活にびっくり仰天です。

揚げ句の果てに、奥さんは捨てられてしまって、これじゃあ、あんまりです。

松田さんの人生の終末も、あれはあれで一つの選択かなとは思いますが、僕はまったく憧れない。

本の技術的なことを言うと、意味のとりにくい文章がいくつかあったことが残念。
また、誤字もありましたよ。
「決してない」という文章が、誤って「けしてない」になっていました。
さらに言えば、「現・奥さん」のインタビューがあれば完璧だった。それは無理か。

映画「ブラックレイン」での松田さんのカッコ良さは永遠に不滅で、その評価を変える気は全然ありません。