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私の半分はどこから来たのか AID[非配偶者間人工授精]で生まれた子の苦悩(大野和基)2022年11月25日 22時49分03秒

私の半分はどこから来たのか AID[非配偶者間人工授精]で生まれた子の苦悩
AID=非配偶者間人工授精について書いた本です。
筆者の大野さんは、10年以上をかけて世界を回ってこの本を仕上げました。
AID で生まれた子どもには、出自を知る権利があるのはまったくその通りだと思います。
ですが、そもそも、AID で誕生させられる子どもの人権って何だろうかって、ぼくは考えてしまうのです。

いや、こんな考え方は古いのかもしれませんが、精子・卵子提供で生まれた命、生まされた命って、親の欲から誕生した命なのではないでしょうか。
命とは、授かるもので、作るものではないというのがぼくの基本的な認識です。
子どもに恵まれない親の「どうしても子どもがほしい」という言葉を聞くたびに、それは何だか剥き出しのエゴに思えてならないのですよね。
保守的すぎますかね?

出自を知る権利がやっと世界的に認めらるようになってきたという時代の流れこそが、AID に無理があったことの証左だと思います。
最初はあまり深く考えずに始めてしまったというところが正解でしょう。その矛盾がだんだん露呈し、生まれた子どもが苦しむことになって、ようやく知る権利が確立したということです。

筆者は、LGBTQやシングルの人にも配偶子提供を保険適用すべきと主張しています。
なるほど、そうかもしれません。そういった方々を差別する理由はどこにもありません。
時代と共に家族の形は変化していくでしょう。
ぼくはそれに追いついていけるか、自分ではよく分かりません。

特別養子縁組ではなぜいけないのか?
AID で子どもが生まれ育ち、その過程で育ての父親はどう思っているのか?
アーティフィシャルな命については、これからも考えていきたいと思っています。

長い取材が実ってよかったですね。いい作品でした。おススメします。

うつ病になってマンガが描けなくなりました 発病編(相原コージ)2022年11月24日 21時22分00秒

うつ病になってマンガが描けなくなりました 発病編 (相原コージ)
実は相原コージの大ファンです。
その相原さんがうつ病になったという。そしてそれを漫画にしたというではありませんか。
早速買って読みました。

めちゃくちゃシリアスな内容なんですが、そこはギャグ漫画家。ところどころで吹き出してしまいました。不謹慎でしょうか。すみません。

この本は、「発病編」。これからいよいよ面白くなりそうです。続編は2023年に出るそうです。待ち遠しい。

ぼくはうつ病に関する本はけっこう読んでいて、少しは知識があります。うつになると、元気が無くなるだけでなく、思考回路が鈍くなってしまうんですよね。ちゃんと考えられなくなる。
相原さんには妄想みたいなものも出ていました。

うつ病は心の風邪だという人もいますが、うつから抜けられるかどうかはかなり個人差があるように思います。
また再発することも多い。
周囲に愛され、本人が自分を愛することが重要なのではないでしょうか?

いずれにしても相原さんの漫画を久しぶりに読むことができて、とても良かったです。
現在は元気なのかな。いい奥さんがいるんだから、夫婦ともに幸せにお過ごしくださいね。
ぜひおススメの1冊です。
(でも、現在、うつ病の人にはちょっとススメられません)

無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記(山本文緒)2022年11月23日 22時03分12秒

無人島のふたり: 120日以上生きなくちゃ日記
山本さんの本は『プラナリア』が何と言っても印象的でした。
その彼女が58歳で膵臓がんで亡くなります。
本書は、最期の日々を綴った日記です。ただ日記と言ってもプライベートな日記ではなく、出版することを前提に書かれた日記ですから、文章の完成度は高いです。
立派な闘病記(本人は逃病記と言っている)として仕上がっています。

山本さんはなぜこの闘病日記を書けたのでしょうか。それは強い精神力みたいなものではありません。
作家だからですよね。作家って書くことが好きだし、本が出来上がることが好きだし、読者に読んでもらえることが好きなんです。
だから彼女も書いたのでしょう。つまり自分の人生の最期に自分の最も好きなことをやっていたのだと思います。

そしてぼくみたいな読者が、その本を読んで感想をSNSで述べたりするって山本さんには本当に嬉しいことなんだと思います。
ぼくも余命宣告されるような病気になったら書きますよ、きっと。商業出版されるかどうかは別ですが。
そうやって自分の最期の日々を記録に残すんじゃないかな。

いい作品でした。
いい作品が残せてよかったですね、山本さん。

農協の闇(窪田新之助)2022年11月22日 22時11分51秒

農協の闇(窪田新之助)
農協(JA)に関する不祥事や暗部について書かれた本です。
JAは非常に幅広く事業を展開しているそうです。やらないのは「パチンコと風俗だけ」と言われるくらい、何でも行う「何でも屋」なんだそうです。
そうすると、いろいろと無理が出てくるようで、この本では特に共済について深掘りしていました。
テレビCMでやっていますよね、♪ JA共済 ♪〜〜。
こんな内情があるのかと驚くのですが、こういうのってどこにもあるのでは?とも思ってしまいます。

ま、大体、大きな組織って内側が腐っているんですよね。
前例を踏襲するので、腐敗は温存されて、誰も改革なんてしません。そんなことをすれば組織から弾き出されるから。
そういう意味では暗澹たる気持ちになる作品です。

この本とは別ですが、ぼくがクリニックを作った16年前にこんなことがありました。
開業の準備をしているとき、新聞屋さんがやってきました。
新聞をとってくれと言うのです。
ぼくはクリニックで新聞を読むような余裕はありませんので、断りました。するとその販売員さんは、どうしてもお願いしたいと帰ろうとしません。ぼくはすっかり困ってしまいました。
ちょっと怖い感じの人だったし。
で、どうなったか。
その人は、ぼくに6か月分の新聞代を押し付けたんです。
このお金で新聞をとってくれと。
つまり自腹を切って、新聞購読の業績を上げたかったのですね。

こんなことで、新聞の発行部数を競っているなんて、なんてむなしいのだと心底思いました。
え? どこの新聞かだって?
もう16年前なので、覚えていません。
朝日だったかな・・・読売だったかな。
でもね、一言言わせてもらうと、たとえ新聞代をもらったとしても、うちは損するんですよ。
クリニックって一般の家庭のようにゴミをだすことができないんです。
業者さんに来てもらってゴミを回収してもらっているのです。つまり新聞をとるということは、ゴミ代をぼくが払わなくていけないということです。

長く生きていると、世の中にはいろいろ表に出せない裏事情があると分かってきます。この本はそういうJAの裏をしっかり取材して告発した1冊でした。充実した内容です。
興味のある方は、ぜひ、どうぞ。力作です。

裸で泳ぐ(伊藤詩織)2022年11月20日 22時35分54秒

裸で泳ぐ(伊藤詩織)
伊藤詩織さんのエッセイです。
「あれから」の日々を書いたものです。やや詩的な表現もあり、書き手の個性が出たいいエッセイだと思いました。
「Swim Naked」
「サバイブから生きるへ」
が特に良かったかな。
裁判には勝ちましたが(部分的に敗訴)、それで「うれしい」とはならないでしょう。
まず、サバイブして、それから自由に生きてほしいと思います。
いい本です。おススメします。

人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」(篠田 謙一)2022年11月16日 17時42分28秒

人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」
今年のノーベル賞で話題の古代ゲノム解析による人類の起源についてです。
圧倒的な情報量があって、話も単純ではありませんから、はっきり言って読むのに時間がかかりました。
一般書と科学書の中間のような本です。
図譜も添えられていますが、もっと多くてもいいかなと思いました。
新書に詰め込むこと自体が少し窮屈だったかな。それくらい「濃い」作品でした。

かつての人類学は化石研究に基盤を置いていました。しかし時代は変わり、次世代シークエンサーが使われるようになりました。
古代骨からDNAを抽出し(これはかなり難しいはず)、PCRで増幅し、NGシークエンサーで大量に読む訳です。
これはもう、学問の根本がひっくり返ったようなものです。

この本の内容と関係ありませんが、なぜ、ホモ・サピエンスはアフリカを出たのでしょうか?
危険だし、地域によっては環境が厳しいですよね。
イヌイットの生活なんて本当に過酷だと思いますが、われわれの祖先は地球上に広がって行かなければ気が済まなかったのでしょうか。

現在、ベストセラー。おもしろい本とは言いませんが、読むべき価値のある本と言えます。
ぜひ、どうぞ。

独立して成功する!「超」仕事術(晴山 陽一)2022年11月03日 14時44分53秒

独立して成功する!「超」仕事術(晴山 陽一)
この本は過去に何度か読んでいるんです。また読み返しました。
筆者の晴山さんが会社を辞めて独立する過程が本の前半となります。
ぼくがこの本に出会ったのは、大学病院を辞めようと決めたころです。
最終的に開業医という道を選んだのですが、正直、独立する怖さとか、心細さとかがありました。
そんなときにこの本を読んで、とても励まされたのです。
今回、数年ぶりに読み返しましたが、共感する部分多数でした。

寄らば大樹の陰という言葉もありますが、人間には独立したいという気持ちもあるように思います。
やっぱり自由だし。
ぼくは生きていく上での最も大事な価値観は自由だと思っているので、開業医になって自由を得たことは人生を豊かにしたなと今ではつくづく感じています。

また何年かしたら読むだろうな。

マドンナ(奥田 英朗)2022年10月25日 11時36分21秒

マドンナ(奥田 英朗)
実は奥田英朗さんのファンです。
もう何年前か覚えていませんが、『最悪』を読んだときは、ぶっ飛びました。その後、全部ではないけれど、ほとんどの本を読んでいます。
『マドンナ』は、会社などの日常を切り取った短編集です。
奥田さんには、「ミステリー」「ユーモア」「日常もの」と3つの得意分野があります。

で、この『マドンナ』なんですが、ぼくの書斎の本棚に2冊あります。間違えて2度買ってしまったのかな。それとも、どこに仕舞ったのか分からなくなって2度買いしたのかな。
それくらい面白かったです。

で、今回また読んでみました。さすがに3度読むと最初の感激はありませんが、やはり「うまいなあ」と思います。
才能なんでしょうか?それとも地道に取材しているのかな。
最新作の『リバー』も読みたいんですが、ちょっと重いでしょ?(笑)。それで少し迷っています。
上下2巻の文庫本ならすぐ買うのに。

奥田ワールドを知らない人は、ぜひ、この世界に入ってきてください。おススメです。

コルトレーン――ジャズの殉教者(藤岡 靖洋)2022年10月19日 15時15分34秒

コルトレーン――ジャズの殉教者
ちょっと古い本なんですが、Twitter で目に留まって読んでみました。
これが思いもしない大当たりでした。
ジャズ音楽家ジョン・コルトレーンの伝記なんですが、非常に詳しく、そして深く描かれています。
ここまで調べて、取材して書くのは相当大変だったのではないでしょうか。
岩波新書から出ているというのもいいですね。
音楽専門書籍からの出版だと、多くの人に読まれなかったかもしれません。

モダンジャズの隆盛は1960年頃ですから、黒人の公民権運動の時期と重なるわけです。
コルトレーンも公民権運動に深く関わります。
そして自分のルーツであるアフリカに関心を持ち、最後には「聖者」になっていきます。
こういう流れは、マルコムXと共通するものがあるように感じます。

わずか40歳で早逝したコルトレーン。しかし彼の音源は多数あり、60年経った今でも色褪せることなく、我々はそれを耳にすることができます。
ぼくもよく聴きますよ。『至上の愛』なんて、本当に神の領域ですよね。
エリック・ドルフィーとのライブでの掛け合いも大好きです。

伝記ノンフィクションとして一級品の出来栄えだと思います。
おススメします。ぜひ、どうぞ。

記者がひもとく「少年」事件史: 少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す(川名 壮志)2022年10月09日 08時44分48秒

記者がひもとく「少年」事件史: 少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す
戦後日本の少年による殺人事件を時系列でまとめた作品です。
殺人事件が起きたとき、その内容、その背景をわれわれが知るのは、マスメディアの報道があるからです。
逆に言えば、メディアが少年犯罪に興味を失ってしまえば、事件の全体像を知ることができなくなります。
この本はそういう意味で、少年犯罪を描いた本といういうより、報道姿勢を描いた本だったように思えます。

1979年頃に、本多勝一さんが『子どもたちの復讐』を書いたとき、一つの少年犯罪を巡ってここまで社会構造の歪みを描けるんだと、ぼくは感嘆した記憶があります。
死刑の基準で有名な永山則夫も、社会党委員長へのテロ実行犯・山口二矢も社会との関係性があったと思います。

しかし時代は下り、少年はどんどん大人化していきます。
残虐な犯行が増え、社会との接点が切れ、少年の心の特性にフォーカスが当たり、厳罰化が進みます。
少年犯罪は年々減っているのですが、子どもの内面はいい意味でも悪い意味でも大人になっているのは間違いないようで、厳罰化の流れはもう止めることはできないんじゃないかな。

ただ、その理由をどう解釈するか。サブタイトルにあるように、「少年がナイフを握るたび大人たちは理由を探す」のだけど、家族環境とかは昔よりも重視されなくなっているように感じます。
ぼくのような還暦を迎えた人間から見ると、18歳、19歳というのは、大人と言い切れないような気持ちもあります。
司法も報道も丁寧に少年犯罪を裁き、報道してほしいと思います。
勉強になりました。おススメします。