ケアと編集(白石正明) ― 2025年05月09日 19時28分08秒

もしかしたら日本で一番有名な編集者かもしれない白石正明さんの著作です。
本書の一番いい点は、文章がめちゃうまいことです。
なるほど、こう表現するかー。やられた・・・という感じです。
ケアと編集の似ている点を探すテーマはおもしろく、ここまで豊かに語れるというのは実に見事だと思いました。
ケアという領域に関心のある人にはたまらないと思います。
ちなみに、ぼくが2021年に出した『ぼくとがんの7年』(医学書院)も、白石さんを通じて書籍化されたんですよね。
本の生みの親です。
感謝しかありません。
本書の一番いい点は、文章がめちゃうまいことです。
なるほど、こう表現するかー。やられた・・・という感じです。
ケアと編集の似ている点を探すテーマはおもしろく、ここまで豊かに語れるというのは実に見事だと思いました。
ケアという領域に関心のある人にはたまらないと思います。
ちなみに、ぼくが2021年に出した『ぼくとがんの7年』(医学書院)も、白石さんを通じて書籍化されたんですよね。
本の生みの親です。
感謝しかありません。
ブラック郵便局(宮崎拓朗) ― 2025年04月26日 21時57分27秒

ブラックというタイトルなので、どんなに労働条件がひどいのかと思って読みましたが、そういうレベルを超えていました。
『対馬の海に沈む』を想起させるような異常な営業が行われていたり、政治との強い癒着が報告されていました。
町の郵便局ってみんなの公共財産で、庶民の味方だと思っていたのですが、こんな裏があったとは。
あまりに酷い話で、読みながら不快で仕方ありませんでした。
良質なノンフィクションです。おススメします。
『対馬の海に沈む』を想起させるような異常な営業が行われていたり、政治との強い癒着が報告されていました。
町の郵便局ってみんなの公共財産で、庶民の味方だと思っていたのですが、こんな裏があったとは。
あまりに酷い話で、読みながら不快で仕方ありませんでした。
良質なノンフィクションです。おススメします。
それでも、安楽死の話をするのなら(西智弘) ― 2025年04月08日 19時45分49秒

安楽死を進めるか、立ち止まるか。
そのための議論を整理した本でした。
論点を明快に示しており、多くの人に役立つ本かなと思いました。
ただ、実は日本って安楽死に関心のある人とか、詳しく知っている人はかなり少ないのではと思います。
論じられるのは常に「安楽殺人」みたいなもので、生きる価値のない人を死なせた方がいいという論調なような気がします。
実は、安楽死問題ってすでに解決しているんですよね。
東海大学病院事件で安楽死が訴追されない条件が示されているので、ある意味で日本は安楽死が認められた国なんです。
ところが、医療費の高騰とか、高齢者の延命治療とかを問題視する人から安楽死が語られる現状があり、これは根本的に間違っていると思います。
そのための議論を整理した本でした。
論点を明快に示しており、多くの人に役立つ本かなと思いました。
ただ、実は日本って安楽死に関心のある人とか、詳しく知っている人はかなり少ないのではと思います。
論じられるのは常に「安楽殺人」みたいなもので、生きる価値のない人を死なせた方がいいという論調なような気がします。
実は、安楽死問題ってすでに解決しているんですよね。
東海大学病院事件で安楽死が訴追されない条件が示されているので、ある意味で日本は安楽死が認められた国なんです。
ところが、医療費の高騰とか、高齢者の延命治療とかを問題視する人から安楽死が語られる現状があり、これは根本的に間違っていると思います。
僕には鳥の言葉がわかる(鈴木俊貴) ― 2025年04月02日 20時39分41秒

現在、大ベストセラー中の作品です。
いったいどんな本なのかと思って読みました。
研究者としての記録でした。シジュウカラには言葉があることを発見したのですね。
鈴木先生は、研究成果を英語論文で発表したり、国際学会で脚光を浴びたり、メチャ、かっこよかったです。
ぼくも大学時代には似たような経験をたくさんしましたが、先生の研究は世間からの関心も強くて羨ましいと思いました。
ぼくは、小児がんの遺伝子診断をやって論文を書いていたのですが、世間的には関係のない話ですものね。
優しいタッチで描かれた本で、これは先生のお人柄かなと思いました。
いったいどんな本なのかと思って読みました。
研究者としての記録でした。シジュウカラには言葉があることを発見したのですね。
鈴木先生は、研究成果を英語論文で発表したり、国際学会で脚光を浴びたり、メチャ、かっこよかったです。
ぼくも大学時代には似たような経験をたくさんしましたが、先生の研究は世間からの関心も強くて羨ましいと思いました。
ぼくは、小児がんの遺伝子診断をやって論文を書いていたのですが、世間的には関係のない話ですものね。
優しいタッチで描かれた本で、これは先生のお人柄かなと思いました。
兄 私だけが知るアントニオ猪木(猪木啓介) ― 2025年03月26日 21時19分57秒

アントニオ猪木のファンなので、読んでみました。
読んでびっくり。大変クオリティーの高い作品でした。
これは口述筆記でライターさんが書いているのですが、語る啓介さんも、書くライターさんも、アントニオ猪木を非常に深く掘り下げていたと思います。
知らないことも多々あり、これは弟さんでなければ作れなかった本だと思います。
猪木とは何かということがよく表現されていました。
最後の奥さんのことを描いた章は、胸が詰まりました。
人生って難しいなと思ったり、結局は(ある意味で)丸く収まり、生きることって本当にドラマだと思います。
いい本です。読んでみてください。
読んでびっくり。大変クオリティーの高い作品でした。
これは口述筆記でライターさんが書いているのですが、語る啓介さんも、書くライターさんも、アントニオ猪木を非常に深く掘り下げていたと思います。
知らないことも多々あり、これは弟さんでなければ作れなかった本だと思います。
猪木とは何かということがよく表現されていました。
最後の奥さんのことを描いた章は、胸が詰まりました。
人生って難しいなと思ったり、結局は(ある意味で)丸く収まり、生きることって本当にドラマだと思います。
いい本です。読んでみてください。
出版中止!: 一度「死んだ」から書けた翻訳家残酷物語(宮崎伸治) ― 2025年03月23日 21時56分06秒

筆者は有名な翻訳家。
出版に関するトラブルを書いた本です。
原稿を仕上げたのに、出版が中止になったことが7回もあったそうです。
たしか、本多勝一さんが何十年も前に、この業界は事前に原稿料を通告してこないと批判していましたね。それって今でも変わっていない部分があります。
出版社名は出しませんが、ぼくもトラブルに巻き込まれた経験があります。
本を書いてくれと依頼されて書いたのに、6か月経っても返事がなく、痺れを切らして「どうなっていますか?」と尋ねたら「まだ読んでません」と言われて脱力しました。
一時は出版中止になりかかりましたが、会社の上層部が間に入ってくれて、トラブルは解決しました。
しかし本当に、口約束ではなく、早い段階で契約書を作るべきだと思いますよ。
先日、ある製薬会社から医療エッセイを1年書いてくれと依頼されました。
原稿料は全部で180万円というところまで合意しました。
そこでぼくが「目次」を作って提出したところ、これではダメと言われました。
向こうで考えた「目次」が後日に届きましたが、その目次立てはまったくのど素人の発想で、そんな骨格でエッセイを書くことはできません。
ぼくは、180万円を蹴って、その話は断りました。
もうちょっとしっかりしてねと言いたいです。
出版に関するトラブルを書いた本です。
原稿を仕上げたのに、出版が中止になったことが7回もあったそうです。
たしか、本多勝一さんが何十年も前に、この業界は事前に原稿料を通告してこないと批判していましたね。それって今でも変わっていない部分があります。
出版社名は出しませんが、ぼくもトラブルに巻き込まれた経験があります。
本を書いてくれと依頼されて書いたのに、6か月経っても返事がなく、痺れを切らして「どうなっていますか?」と尋ねたら「まだ読んでません」と言われて脱力しました。
一時は出版中止になりかかりましたが、会社の上層部が間に入ってくれて、トラブルは解決しました。
しかし本当に、口約束ではなく、早い段階で契約書を作るべきだと思いますよ。
先日、ある製薬会社から医療エッセイを1年書いてくれと依頼されました。
原稿料は全部で180万円というところまで合意しました。
そこでぼくが「目次」を作って提出したところ、これではダメと言われました。
向こうで考えた「目次」が後日に届きましたが、その目次立てはまったくのど素人の発想で、そんな骨格でエッセイを書くことはできません。
ぼくは、180万円を蹴って、その話は断りました。
もうちょっとしっかりしてねと言いたいです。
50歳から8か国語を身につけた翻訳家の独学法(宮崎伸治) ― 2025年03月23日 21時45分53秒

いや、すごいですね。
能力のある人は本当にすごい。
ぼくは英語が苦手で(受験英語は超得意)悩んでいるのに、8か国語を身につけたなんて、うらやましい。
努力も並大抵でないと思いましたが、やっぱり頭の構造も我ら凡人とは違うんじゃないですかね。
うちの子も勉強がとても好きで、芸術系の大学に行ったのに、最近受けたTOEIC が850点なんですよね。
そのほか、イタリア語とか韓国語とかも勉強していたし、その遺伝子どこから? という感じです。
ぼくはちょっと執筆活動が忙しくて時間がとれないんだけど、書き手を引退したら英会話でもやろうかな。
能力のある人は本当にすごい。
ぼくは英語が苦手で(受験英語は超得意)悩んでいるのに、8か国語を身につけたなんて、うらやましい。
努力も並大抵でないと思いましたが、やっぱり頭の構造も我ら凡人とは違うんじゃないですかね。
うちの子も勉強がとても好きで、芸術系の大学に行ったのに、最近受けたTOEIC が850点なんですよね。
そのほか、イタリア語とか韓国語とかも勉強していたし、その遺伝子どこから? という感じです。
ぼくはちょっと執筆活動が忙しくて時間がとれないんだけど、書き手を引退したら英会話でもやろうかな。
医師1年目になる君たちへ:誰も教えてくれない些細で、とても大切なこと(山本健人) ― 2025年03月20日 23時12分39秒

山本健人先生の書く本だから、絶対におもしろいだろうと思って読んでみました。
おもしろかった!
よくここまで考えぬいたなという内容でした。
ぼくの知らないことも多々書いてあったし。お金の管理に関することは、開業医でありながら超苦手だし(笑)。
出だしから、研修医の学び方に関してぼくとずいぶん感覚が違うなと思いましたが、山本先生は新臨床研修医制度で研修をしているんですね。
ぼくの研修医時代は奴隷のような扱いを受けましたが、この本を読むと、自分は手取り足取り教わっていたと分かります。
今の研修医はけっこう、ほっぽり出されているのですね。
執筆に3年半かかったそうです。
ぼくも、もうちょっと腰を据えて本を書かないといけないかも。
若いお医者さん、医学生のみなさん、ぜひ、読んでみてください。
おもしろかった!
よくここまで考えぬいたなという内容でした。
ぼくの知らないことも多々書いてあったし。お金の管理に関することは、開業医でありながら超苦手だし(笑)。
出だしから、研修医の学び方に関してぼくとずいぶん感覚が違うなと思いましたが、山本先生は新臨床研修医制度で研修をしているんですね。
ぼくの研修医時代は奴隷のような扱いを受けましたが、この本を読むと、自分は手取り足取り教わっていたと分かります。
今の研修医はけっこう、ほっぽり出されているのですね。
執筆に3年半かかったそうです。
ぼくも、もうちょっと腰を据えて本を書かないといけないかも。
若いお医者さん、医学生のみなさん、ぜひ、読んでみてください。
産業医が教える 会社の休み方(薮野淳也) ― 2025年03月16日 12時32分05秒

メンタルが不調なときの、休み方、そして復帰の仕方に興味があり、読んでみました。
適応障害とうつ病ではまた違うのもかもしれませんが、週5日働けるようになってから復帰した方がいいという部分が印象的でした。
問題を立てて、その解答をきっちりと述べていく薮野先生の姿勢が説得力があってよかったです。
悩んでいる方は、読んでみてください。
適応障害とうつ病ではまた違うのもかもしれませんが、週5日働けるようになってから復帰した方がいいという部分が印象的でした。
問題を立てて、その解答をきっちりと述べていく薮野先生の姿勢が説得力があってよかったです。
悩んでいる方は、読んでみてください。
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