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プレジデント・オンラインに登場しました2022年01月16日 12時30分57秒

プレジデント・オンライン
プレジデント・オンラインに、拙著『ぼくとがんの7年』に関する記事が記載されました。
最終章でぼくが書いた死生観を中心にまとめられています。
よかったらご覧になってください。

↓からどうぞ。

「人間に自殺をする権利はない」医師が"ゆっくりした安楽死"の間で考えたこと 医師は死について悩みつづける存在 #プレジデントオンライン https://president.jp/articles/-/53711

『開業医をやりながら作家もやってみた』番外編その22022年01月15日 08時50分27秒

https://www.m3.com/news/iryoishin/999158

m3.com に、『ぼくとがんの7年』に関するインタビューの後編が掲載されました。お時間のある方は、ご覧になってください。

連載記事、『開業医をやりながら作家もやってみた』もあと6回です。今後の展望も述べました。

早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか(中嶋 彰)2022年01月11日 21時29分04秒

早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか
とても面白く読んだのですが、ほとんど理解できませんでした(笑)。
南部先生の発見は、「自発的対称性の破れ」。
これが理解できないので、どうにもなりません。
そもそも物理学って、どうやって新しいことを証明していくのでしょうか? 頭の中で考えるんですかね?
それにしても、先生が「自発的対称性の破れ」を発見して論文にしたのは、1961年。ぼくが生まれた年です。
ノーベル賞を受賞するまで50年もかかっています。なんじゃそりゃ。

日本の科学研究予算はどんどん削られていますから、あと10年もすると、ノーベル賞はアメリカ人と中国人の争いになるんじゃないですかね。
経済学賞は中国人には無理かもしれませんが、化学賞・物理学賞・医学生理学賞は日本人にはおそらく厳しくて、中国が一気に擡頭してくると思いますよ。

物理学が好きな方は、ぜひどうぞ。おススメします。

日本語作文術(野内 良三)2022年01月10日 20時30分31秒

日本語作文術(野内 良三)
ぼくが読売新聞オンライン・ヨミドクターに連載した『いのちは輝く』は、総計で1億900万PV を超えました。
障害や病気を持つ子どもに対して関心を持つ読者が多かったことが、それほどまでに読まれた理由だと思います。
ただ、ちょっと生意気なことを言わせてもらえば、ぼくの文章が悪くなかったことも理由の一部になっていると思います。
この連載では1回の話を約1500字で書いてほしいという注文が編集長からつき、ぼくは自分なりに懸命に文章を磨いて連載に上げました。

文章を磨くことは、本を書くようになってからずっと目指していることです。
いえ、医学生の頃から文章読本の類は好きで、よく読んでいました。たとえば岩淵悦太郎さんの『悪文』とか。
今でもよく読みます。
本書もそのうちの1冊です。

この本で一番丁寧に書かれていたのは助詞の「ハ」と「ガ」の使い分けです。
これはね、案外難しいんです。
ぼくなりの解釈を書くと、「〇〇について言うならば」のときに「ハ」を使います。
「〇〇こそが」のときに、「ガ」を使います。
複雑なのは、「ガ」は主語であることがほとんどですが、「ハ」はそうとは限らないことです。「主題」の提示として使われるんですね。

日本語は、「ハ」と「ガ」に限らず助詞の使い方がけっこう難しく、こういう部分に気を使うといい文章が書けます。

次の文章を見てください。
「今冬初めて焼酎のお湯割りを飲んだ」
これはどういう意味でしょうか?
1 今冬としては初めて飲んだ
2 今冬に、生まれて初めて飲んだ
ふたつの解釈がありますよね。
1 であれば「今冬初めての焼酎のお湯割りを飲んだ」と「の」を入れるのがいいでしょう。
2なら、「今冬に初めて焼酎のお湯割りを飲んだ」と「に」を補うのがいいでしょう。
細かいですが、大事な点です。

作家で億は稼げません(吉田 親司)2022年01月08日 17時50分45秒

作家で億は稼げません
これは面白くて一気読みでした。
松岡圭祐さんみたいには超有名な作家さんではありませんが、筆一本で生活している立派な作家さんです。
その努力、がんばりにちょっと感動してしまいました。
これまで書いた本は、100冊ちょっとだそうです。
書き続けるためには、ベストセラーを出すことも重要ですが、編集者を納得させる文章がないとどうにもなりません。

編集者は「売れない」と思う本は絶対に出版しませんから、編集者が「書いてください」と言ったということは、「売れる」可能性があるということです。
で、実際に売れるかどうかは時の運みたいなものです。
地道に売るのは、作家の仕事でもあり、出版社の仕事でもあります。
ある意味で、本は「売れる」ものではなく、「売る」ものという部分もあります。
幻冬社なんて、本当に必死に売ろうとしていますよね。

吉田さんは「架空戦記」というジャンルを書いているそうです。ぼくは、恥ずかしながらこの言葉を知りませんでした。
でも半村良の『戦国自衛隊』というSFは知っています。
あの系統なんですね。
ぼくが「架空戦記」をたくさん読んでいてこのジャンルに詳しければ、本書をもっと面白く読めたかもしれません。
ぼくが読むのはノンフィクションばかりなので、今後直接的に吉田さんを応援できないかもしれません。だけど、筆一本で生きる吉田さんにエールを送りたいと思います。
書いて書いて書きまくってください。がんばって!

開業医をやりながら作家もやってみた(番外編1)2022年01月08日 08時49分52秒

https://www.m3.com/news/iryoishin/999157?preview=true

m3.com 『開業医をやりながら作家もやってみた』番外編が公開されました。
新著『ぼくとがんの7年』に関するインタビューです。よかったらご覧になってください。

秘伝「書く」技術(夢枕 獏)2022年01月05日 23時02分19秒

秘伝「書く」技術
「書く」技術に興味があり、読んでみました。
ただ、「書く」とは「小説を作る」技術のことであり、文章論ではありませんでした。
ベストセラー作家さんが、小説の作り方を指南する本ってけっこうあって、ぼくは好きでよく読みます。
ですのでこの本も結果としておもしろかったし、読んでよかったです。

でもね、獏さんの本を読んでベストセラー作家になれる人なんて、この世の中に数えるほどしかいない訳ですよ。
1年に1人いるかいないかという感じでしょう。
東大の医学部を出て医者になるよりはるかに難しい。
だからそういう妄想は抱かないほうがいいと思いますよ。
目指すなら、ぼくを目指してください。本業をしっかりと持っていて副業として本を書く。
ぼくはこれまで13年間に14冊の本を書きました。印税とか、賞金を合わせると、メルセデスベンツを何台も買える金額です。

いま医療情報サイトの m3.com に『開業医をやりながら作家もやってみた』という連載をやっています。
なかなか好評らしく、先日、編集部が特別回を企画してくれて、読者の声を募りました。
するとお医者さんで本を書いてみたいという人がけっこう多いんですよね。
実際ぼくの友人で「自分も書きたい」と言う人がいます。医者と物書きって相性がいいのかもしれません。

目指すなら、夢枕獏ではなくて「ぼく」でしょ?(笑)
ぼくくらいの物書きならば誰にでもチャンスがあります。
そういう指南書を書こうかな。タイトルは・・・そうだな、『非ベストセラー作家入門』。どうでしょう? どこかの出版社が出してくれないかな。

それにしても『餓狼伝』はどうなっているのかしら。新刊が出ているなら読んでみようかな。
やっぱりおもしろいですよ、獏さんの小説は。

生きる意味について考える2021年12月31日 08時46分59秒

生きることの意味
人はなんのために生きるのか? それは、より善く生きるために生きるのではないか。
ぼくは人として欠点の多い人間で、他人を赦す能力に乏しかったり、最も親しい人に愛情をうまく伝えられなかったり、(大学時代だが)後輩に対して思いやりのある言葉を発せられなかったりした。

しかしどこか善の部分もある。
患者に対してひたすら真面目に精一杯治療を行ってきた34年間に偽りはなく、責任感とか使命感は揺るがずに持っていた。
つまり自分の心の中には、善の部分と、そうでない部分が混ざっている。
より善く生きるとは、善の部分を膨らませ、育て上げて、自己実現をはかっていくことだろう。

開業医という仕事は、なかなか自分を成長させられない。
大学時代の貯金を切り崩して診療を行っているようなものだ。
ぼくが開業医になって本当に勉強した分野は「喘息」と「発達障害」だけだと思う。
ただ、たとえ風邪を診るだけでも、家族からすればありがたいことであろうと思われるので、医療という労働によって、ぼくはわずかでも日々自己実現しているとも言える。

本を書くことになったのは、今から13年前で、これまでに14冊の本を作った。
それぞれの本に思い入れがあり、書くたびに学びがあった。
特に障害児医療をめぐる医師の使命と倫理については、本を書くことで初めて目が開かれるような思いをした。
執筆を通じて、自分がより善く生きることができるようになったのは間違いなく、この活動はこれからも続けていきたい。
「売れる本」を書くつもりはない。「善き本」を書きたい。
そうして自分の中の善の部分を拡大し、生きる意味を再確認したいと思う。

若い頃のエネルギーはもうないけれど、残りの人生の中で今日が一番若い日である。挑戦をやめることはしない。

選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記(和田靜香, 小川淳也)2021年12月30日 16時12分19秒

選挙活動、ビラ配りからやってみた。「香川1区」密着日記
話題の人、小川淳也さんの香川一区の密着ルポです。
密着と言っても、筆者は相撲ライターの和田さん。そこは彼女らしく、緩やかに「密着」している感じがなんともいいです。
選挙を手伝ったり、疑問を持ったり、それでも小川さんが目指す「対話による民主主義」に共感したり。
楽しく読ませて頂きました。

個人的に一番の読ませどころだと思ったのは・・・本筋とは無関係かもしれませんが・・・小川さんの奥さんと娘さんが「妻です」「娘です」というタスキをかけて選挙運動することに、フェミニストから批判の声が選挙中盤で上がる場面です。
確かにこれにはぼくも違和感を持っていました。

「妻」とか「娘」が匿名の記号になって、ある意味で「道具」になってしまっているからです。
しかし香川のような地方では、こういう形の選挙をやらないと、「家族は何をしているんだ!」との反発が上がり、当選は難しいのでしょうね。

和田さんから指摘を受けた小川さんたちは、タスキを外すことにします。
そのとき、妻の明子さんは泣いたそうです。「妻」というタスキをかけるのは、彼女にとって決意の表明みたいなものの訳で、それを否定された気持ちになったのでしょう。
読んでいる方も、グッときてしまいました。

和田さんに同意できなかった部分はひとつだけ。それは選挙とはお祭りで、楽しくなければ投票率は上がらないという後書きです。
そうなのかな?
僕の住む千葉市の選挙区では、先の総選挙で候補者の街宣車など一度も通りかかりませんでした。まったくの無風・無音。お祭りとは程遠いものでした。
では、19歳の次女がどうやって投票したか?
それは朝日新聞comの、どの政党に意見が近いかというマッチングツールを使って自分で調べて候補を決めました。
そして、そもそもなぜ選挙に行ったのかと言えば、親が(ぼくのことですね)、次女が幼い時から民主主義とは投票であり、投票は権利であり、国民の務めと教育してきたからです。

日本の投票率の低さは、背景に政治不信があるとぼくは見ています。国民が政治に参加するということを公教育の中で、しっかり教えていく必要があるのではないでしょうか。
お祭りをやって投票率を上げようという発想では解決しないと思います。

あ、それから小川淳也事務所の「小川淳也」という文字が平野甲賀さんの書体で書かれていることにはウケました。

誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論(松本 俊彦)2021年12月27日 23時09分22秒

誰がために医師はいる――クスリとヒトの現代論
アマゾンで非常に高評価なので、読んでみました。
大変文章がうまく、豊穣に語っていますが、同時に冗長とも言えます。
比喩や例え話が多く、こういう文章はぼくには書けないなと思いました。
ぼくは外科医だし、著者は精神科医ですからね。そういう違いが文章に出ていました。

この本は雑誌に連載された文章を1冊の本として編んだ作品です。
サブタイトルに「クスリとヒトの現代論」とありますが、そういう評論の部分は確かにありますが、学生時代の思い出とか研修医のころの逸話とかもあり、半生記の部分もあります。
全体として見た場合、それぞれの章の据わりがいいとは言いにくく、本の完成度はどうなのかなと正直思いました。
薬物依存症の患者は病気なので、懲罰よりも治療が必要であるという論と、学生時代の解剖実習の話や研修医時代に脳炎の診断をつけた見事な体験談とでは、ちょっと表現の目指す先が違い過ぎている印象があります。
論を立てるのか、青春記を描くのか、きちんと全体の骨格を決めて書き直していれば、もっといい本になったと思います。


ちょっと蛇足。
雑誌に連載した文章を1つの本にまとめることを必ずしも悪いと言っているわけではありません。ぼくもそういう本を何冊か出しています。
ただ、ぼくは連載をするときに、初回から最終回まで目次を作ってから書きます。つまり長編のエッセイを分割して書いているのです。
そうでない文章・・・つまり1回1回考えて書いた文章をエッセイ集として編むとなかなか良い本は生まれないと思いますよ。
違う意見もあるかもしれませんが。ただ、それでも全体を貫くテーマは必要だと思います。

著者のファンにはとても満足の1冊でしょう。そういった方にオススメします。