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開業医をやりながら作家もやってみた132021年10月16日 08時23分05秒

m3.com 連載、『開業医をやりながら作家もやってみた』の第13回が掲載されました。開業はどれくらい儲かるかという、お金にまつわる話です。よかったらご覧になってください。
https://www.m3.com/news/iryoishin/973089
よろしくお願いします!

自民党は永久に不滅です2021年10月13日 21時36分09秒

岸田総理大臣は、宏池会の会長です。宏池会は政策立案能力に長けているものの、政局には弱く、政界のお公家集団などと言われています。
思想的には、いわゆるハト派で、軽装備・経済重視の政治を行なってきました。
その代表的な政治家が、池田勇人さんです。1964年の東京オリンピックの閉幕に合わせて、舌がんのため引退しました。
ぼくが3歳のときですから、過去のニュースで見ただけで、記憶には存在していません。
池田さんといえば、所得倍増計画と高度成長の政治家です。
いわゆる、総中流社会を実現した人で、企業は終身雇用・年功序列で、大金持ちの人もあまりいませんでしたが、極端な貧困な人もいませんでした。
日本を経済大国に持ち上げ、みんながいい意味で平等に生きた時代です。

立憲民主党の枝野さんは、自分のことを保守政治家と自称し、池田さんの時代の日本を目指していることを公言しています。
もちろん高度成長期には公害などの影の面もたくさんありますが、貧富の格差が少なかったのは、日本らしくてよかったと思います。

そこで、岸田さんです。彼は総裁選で、実にカッコいいことをたくさん述べました。
たとえば、「令和版所得倍増計画」。金持ち優遇をやめるために、「金融所得課税」も打ち出しました。
コロナ対策として「健康危機管理庁」の創設も訴えました。
また、「日本は民主主義の危機にある」として、これまでの政権の負の部分を改善しようとしました。
さらには自民党改革として、役員任期を3年までと縛りをつけ、権力の「集中と惰性」を防ぐ方針を打ち出しました。

実に見事です。河野太郎さんにも劣らないような姿勢で、自民党改革ならびにこれまでの政策転換を訴えたのです。

先日、総選挙にあたり、自民党が政権公約を発表しました。ぼくはそれを聞いて、腰が抜けそうになりました。
「令和版所得倍増計画」もなければ、「金融所得課税」もない。
「健康危機管理庁」も消えているし、役員任期3年も無くなっていました。
「民主主義の危機」とは、「改竄」「隠蔽」「説明しない」ことだと思っていたのですが、財務省の公文書改竄も、桜を見る会の不正も、何も再調査しないそうです。
それでいながら、防衛費はGDPの2%以上に引き上げるという、これまでに聞いたことのない公約が突然もりこまれました。
2%と言えば、防衛費を2倍にするということです。
これは中国と軍拡競争をし、北朝鮮の敵基地を先制攻撃するための軍事予算ではないでしょうか。

岸田さんが総裁選で口にしたカッコのいい公約は雲散霧消してしまいました。そして代わりに巨大な軍事費が公約になりました。
こんな短期間に自分の公約を翻してしまう総理大臣は、はじめて見ました。
ブレていると言うよりも、まるで正反対のことを言っています。
安倍さん、甘利さん、麻生さんの意向を汲んでこのように変節したと言われていますが、それでは一体何のために総理大臣になったのでしょうか?
首相のときに自分の政策を実行しなければ、一生自分の政策を実現することはできません。

結局、自民党は変わらないし、変わることはできません。岸田さんは、自民党議員たちの「変わりたくない」という意思に従ったのでしょう。
自民党は永久に不滅ですね。

魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣(石井 妙子)2021年10月08日 20時36分24秒

魂を撮ろう ユージン・スミスとアイリーンの水俣
『女帝 小池百合子』で大宅賞をとった石井妙子さんの最新作です。こんな短期間に次作が登場し、それがユージン・スミスとアイリーンの評伝とは意外でした。
で、読んでみて・・・しびれました。これは一級品のノンフィクションです。
一番いいところは、石井さんの文章です。実にうまい。
そして詩情に溢れている。
倒置法や体言止めが多用されているのですが、それがことごとくうまくいっています。
(普通は、こういう表現をすると文章に品格がなくなる)

本書はアイリーンの家系から話が始まります。評伝ではよくあるパターンですが、たいていの場合、この部分は退屈です。
しかし本書は違う。読ませる力があるのです。
そしてユージンの生い立ち。彼は、酒、ドラッグ、女に絡め取られたダメな人間に見えます。しかし後の章で、彼が水俣に行くと、水俣の民衆に受け入れられることが描かれます。
ユージンは、仕事で一番重要なのは Integrity (清廉潔白)と言っていますが、彼は仕事に対して、そして被写体に対してとても誠実な人だったのだと思います。

本の中盤は、水俣病と民衆を描いたページが延々と続きます。
この悲惨さ。この非情さ。そして、この不条理。
水俣病患者が会社チッソに対して株主総会や団交で徹底的に闘う場面は鳥肌が立つような迫力です。
石井さんの筆も冴えに冴えます。

しかし、では、ユージンとアイリーンの水俣を描くページは残っているのかと不安が擡げますが、それは杞憂でした。
ユージンは社会運動家ではありません(アイリーンは、運動家を志していた)。真摯にいい写真を撮ろうとする。だから、中盤と終盤では本の旋律ががらりと変わり、ある意味で、異なる本を読んでいるような感覚になります。
しかしながら、最終的にこの本が一つの作品として完成しているのは、アイリーンへの取材が深いからです。
長期間、話を聞いたと後書きに書かれていましたが、「長い」のではなく、「深い」のです。
長く聞くことは誰にもできます。
しかしここまで深く聞くことができるのは、石井さんならではでしょう。

封印された「入浴する智子と母」の写真の話も最後に出てきます。
両親がこの写真を封印した理由は、写真展でポスターやチラシに智子の写真が使われ、それが大量消費(雨に濡れ、人に踏まれた)されたからだという説があります。
第19回小学館ノンフィクション賞をとった山口由美さんの本にもそう書いてあったと記憶しています。
しかしこれは、石井さんの取材によれば都市伝説みたいなもので、事実はそうではないようです。
水俣病に冒された少女の裸体を、家族が正視するのがだんだん辛くなってきたというのが真実のようです。また、「被写体になったことで、どれだけ儲けたんだ」と心ないことを言われたことも辛かったそうです。

ではなぜアイリーンは映画『MINAMATA』で、その封印を解いたのか?
その理由に関して、アイリーンは明確な答えを持っていないようにも見えます。アイリーンは今後さらに思索を深めるのではないでしょうか。

2人が水俣に行ったとき、アイリーンはまだハタチそこそこでした。一方のユージンはすでに著名な大写真家でした。
そのアンバランス。
この本は、アイリーンの青春記、そして成長記としても読むことができます。
2人の水俣が終わり、ユージンが人生を閉じる場面では、思わず胸が熱くなります。

現在の政治は、自民党の岸田さんも立憲民主党の枝野さんも、高度成長期の総中流時代を、一種理想のように見ていますが、あの時代は、水俣病を初めてとして公害の時代だったことを忘れてはいけません。
現在の感覚ではとても信じ難いことだし、とても社会的に許されないことですが、海への工場排水によって水銀中毒で塗炭の苦しみを味わった人たちが何千人といたことを、私たちは忘れてはいけないと思います。
経済成長には必ず影がつきまとうことを、資本主義社会の根に巣食う害毒として認識する必要があります。

しかし、石井さんのノンフィクションは、見事としか言いようがありません。
ぜひ、読んでみてください。おススメです。

開業医をやりながら作家もやってみた122021年10月02日 13時26分43秒

m3.com に連載、『開業医をやりながら作家もやってみた』の第12回が掲載されました。

https://www.m3.com/news/iryoishin/968261

今回は、大学時代に留学を志ながら、それが叶わなかった話です。
よかったら読んでみてください。

『いのちは輝く』、在庫戻りました2021年10月02日 13時19分32秒

『いのちは輝く』、在庫戻りました
ここのところ、どういう訳か売れ行きが好調で、Amazonをはじめとしてネット書店から在庫が消えていた『いのちは輝く』。
ようやく、アマゾンに在庫が復活しました。
未読の方はぜひ、手に取ってみてください。

https://amzn.to/2YbN4it

よろしくお願いします。

未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと(奥 真也)2021年09月29日 22時59分06秒

未来の医療年表 10年後の病気と健康のこと
あまり褒める部分のない本は、そもそも書評を書かないのですが、この本は一こと言いたくなりました。
本書は、河合雅司さんの『未来の年表』の成功にあやかって、その医療版を世に出そうと作られたのでしょう。
しかし、そのクオリティーがあまりにも低すぎます。
カバーには、何年後に医療がどうなると年表が載っており、「すべてに根拠あり!」とも書かれています。
いったいどこにそんな根拠があるのか?
たとえば、2032年に日本で安楽死が合法化され、安楽死科という診療科ができると書いていますが、その根拠はどこにも書かれていません。
要するにこれは筆者の「勘」でしょ?
そんな飲み屋の与太話みたいなものを講談社新書に載せないでよ。
いいかげんにもほどがある。
そもそも筆者は医者としての臨床経験に乏しく、医療について語れるような人ではない。
ぼくは34年医師をやっているが、今でも「いい医療とはなんだろう」と毎日考えながら診療をしています。
医療未来学の第一人者だかなんだか知れないけれど、あんまりテキトーなことは書かないでほしい。
講談社もこういうくだらないパッケージングで本を作らないでほしい。
ますます、岩波新書・中公新書と差が開くと思う。

死はこわくない(立花 隆)2021年09月23日 23時44分03秒

死はこわくない
以前に単行本で読みましたが、文庫本になっていることを知って買い求めました。
75歳のときに書いた本ですから、やはりそれはすごいなと思います。
ただ、内容としては、書き下ろしというよりも、以前に発表された原稿をまとめたものです。
前半は立花さんの死生観や臨死体験について。
後半は、「意識」とはどこまで科学で解明されているかを語ったものです。

立花さんが臨死体験の取材に取り組んだ理由はなんでしょうか?おそらく死が怖かったからではないでしょうか?
結果として「あの世」というものはないと結論づけて、臨死体験とは脳が生み出す幻覚という考えに行き着きます。
その取材と考察を通じて、死は怖くないという境地に到達したのでしょう。

ぼくは医師としてたくさんの死を見てきましたので、詳しくは書きませんが、死が何かの終わりとは思っていません。
また、痛いものとも思っていませんし、恐怖ではありません。
ただね・・・家族にもう会えないと思うとつらいです。
子どもたちが立派に社会人として、生き方の基盤を築いてくれるまでは、死ぬことはできないなと思います。
いや、基盤を築いても、やはり会えなくなるのは淋しいかな。

ぼくも、頭がシャープで、医者として責任を持った仕事ができるのは、あと何年なのか・・・分かりませんが、それまで一生懸命生きようと思います。

知的文章術入門(黒木 登志夫)2021年09月22日 23時45分51秒

知的文章術入門
黒木先生には、日本癌学会の発表のときに座長をやって頂いたことがあります。
それはそうとして、先生の書く本はすべて面白く、今回も期待を胸に読みました。
先生は以前に中公新書から『知的文章とプレゼンテーション』という本を出しています。
その本と重複もあり、前著のバージョンアップ版という印象でした。
ただ、英語に関する解説は前著をはるかに凌いでいると感じました。

本書の出だしは「知的文章」の書き方です。先生は本多勝一の本を引用していますが、改めて本多さんの偉大さがわかります。
分かりやすい日本語・・・それは本多さんによって『日本語の作文技術』で完全に語り尽くされたと言えます。
この本を凌ぐ本は出てこないのではないでしょうか。

プレゼンテーションに関しては、「パワーポイントは自分で作れ!」というセリフがよかったですね。医学部の教授に聞かせてやりたいです(笑)。

日本人(研究者・企業人)が英語とどう付き合っていくのかは本当に難しい問題です。
ぼくも拙著『どんじり医』で書きましたが、英語には本当に苦労しました。
現在、m3.comに連載中のエッセイにも近いうちに、留学(に行けなかった)の話を書く予定です。
ぼくの恩師の東大の元小児外科教授先生は、ぼくより10歳以上年上ですが、現在でも英語で雑誌や本を読んでいます。
ぼくも英語を読む習慣を続ければよかったと今になって思いますが、開業医になったときは忙しくてその余裕はありませんでした。
その代わりと言ってはなんですが、本を書くことで日本語を磨いています。

黒木先生はぼくより25歳も年上。今年で85歳でしょう。その年齢でこういう本を作ることができるのは驚異的なことです。
ぼくには無理だな。
若い頃に勉強する習慣がしっかりと身についていたのでしょうね。
見事な1冊です。

人新世の「資本論」(斎藤 幸平)2021年09月22日 00時23分48秒

人新世の「資本論」
今更ながら・・・という感じですが読んでみました。
人新世(ひとしんせい)とは、人類が地球を破壊し尽くす時代のことです。
経済成長と環境保護は両立できず、これからは脱成長に向かっていかないと地球は滅亡するという主張です。
つまり資本主義ではダメということ。そこでマルクスなのです。
筆者の主張は大変よく分かり、勉強になりましたが、本としてはあまり面白くありませんでした。
これが30万部以上売れているというのは、驚きです。
こういうハードな本でもベストセラーになるというのは素晴らしいと思います。
なおかつ、退屈な本でも売れるというのは素晴らしいなと思いました。
筆者は1987年生まれ。ぼくが医者になった年だ。
うーん。これは唸るしかありませんね。
資本主義社会の将来に不安がある人にオススメです。

エーゲ 永遠回帰の海(立花 隆, 須田慎太郎)2021年09月21日 22時42分08秒

エーゲ 永遠回帰の海
立花さんが43歳のときに、エーゲ海をまたにかけて、40日、8000キロをレンタカーと船で巡った旅の記録です。
この本を世に出すまで20年以上かかったそうです。
立花さんは100冊以上の本を書いたと言われていますが、この本が一番のお気に入りだそうです。
旅をしながら思索を深め、宗教と歴史と哲学に思いを馳せます。
写真も一級品だし、さすがの完成度だと思います。
本人も後書きで書いていますが、この本をまとめるのはかなり大変だったらしく、緑慎也さんの編集の力が大きく貢献したようです。
緑さんにとっても貴重な1冊ではないでしょうか?

立花さんと言えば、『田中角栄研究』における「調査報道」と言われがちですが、本当はこういう本が作りたかったのでしょう。
また、「知の巨人」と言われるようになったのは、1990年頃に『脳死』『精神と物質』『臨死体験』を書いたからではないかな。
ぼくにとって立花さんは「サイエンスの人」です。

この本、おススメです。