簡単アクセスカウンター
アクセスカウンター

今から楽しみ、来年の日本小児外科学会2010年08月03日 10時52分50秒

例年、日本小児外科学会は、6月ころに開催されますが、来年はなぜか7月だそうです。
クリニックも暇だし、会場も東京というし、来年はぜひ3日間参加しましょう。
今から楽しみです。

ですが、この学会の開催概要を読むと、疑問に思えることが多々あります。

まずテーマ。
「こどもは、未来へのかけ橋 Children; Bridge into the Future」だそうです。
しかしこれは、キャッチフレーズであって、何をやりたいかというテーマ(主題)になっていません。

昔、千葉大の大沼教授が同様の抽象的なテーマを掲げたら、理事会で問題になり、結局、具体的なサブテーマを添えることで解決しました。

そしてさらに言っておけば、なんでイギリス語が添えてあるのか、まったく意味不明。

次の疑問は、アグネス・チャン氏による特別講演。
僕はこの人がどういう見識を持った人か知りません。
小児医療に関して立派な見識を持っているのかもしれません。
ですが、なぜ、学会でそういう場を作るのか?
学術総会とは、各会員が、一年間の研究や臨床の成果を発表する場です。
彼女の講演を聞きたければ、いくらでも方法があります。
日本中のすべての学会員が、一つの部屋に集まって話を聞くのには、いったいどういう意味があるのでしょうか?

会長さんによると、
「成人領域の医療に内科と外科があるように、小児医療も小児内科と小児外科が医療の両輪として機能しています」
とのことです。
こういう意見は、多くの小児外科医から聞かれます。
ですが、大事なことは、こういうことを言う小児科医は絶対にいないということです。

僕は今年の6月に、名古屋の学会に参加して、某大学の小児外科教授と長時間、話し込みました。
その先生の話では、日本の小児外科は、これからどんどん「ギルド」へと進んでいくとのことでした。
僕は個人的にはギルド化するべきではないと思いますが、これはもう避けられない流れでしょう。

つまり、今でさえ、「特殊な医者」である小児外科医が、今後どんどん「特殊な医者」「世間一般と接点のない医者」「どういう病気を治すのか認知されない医者」になっていくのだと思います。

そういう状況にある小児外科医を指して、
「成人領域の医療に内科と外科があるように、小児医療も小児内科と小児外科が医療の両輪」
というのは、現実からまったく遊離した空論ではないのかと僕は疑問に思ってしまいます。

現在、日本には2500人の小児外科がいますが、これはどんどん減っていくでしょう。
というか、学会(理事会)が減らそうと考えている訳です。

超マイナーな我々小児外科医がどういう学会を開催すべきか、リーダーたちには、良いアイデアを出して欲しいですね。