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インディアスの破壊についての簡潔な報告2013年06月15日 23時01分15秒

インディアスの破壊についての簡潔な報告
10年以上も前から、いつか読まなければいけないと思ってきました。
で、読みました。
書かれていた内容は、ある意味、すべて知っていたことなので僕にとっては驚くことはありませんでした。
しかしこれは大変貴重なルポですから、日本人でも最低限の教養として知っておくべき歴史的報告です。

僕は歴史を学ぶ時に、人類の祖先とかには、あまり強い興味はありません。
知識としては、ネアンデルタール人と、ホモサピエンスは別種で、同時期に生きていたけど、ネアンデルタール人は絶滅した・・・なんてことは知っています。
だけどそれはまあ、言ってみれば現在の歴史につながっていないので、どうでもいい感じがします。

今の我々の暮らしに関係する歴史上の最大の出来事は、やはり1492年にあると思います。

スペイン人は中南米の先住民をほぼすべて皆殺しにしました。
その数は数千万人とも言われています。
直接殺したり、奴隷にして絶命させたり、天然痘ウイルスで殺したり、その残虐非道ぶりは人類史上最大の殺戮かもしれません。

この死の征服(コンキスタ)をある人は、ヒトラー以上の犯罪と言います。そしてヒトラーのように非難されない理由として、白人が非白人を殺したからだという指摘があります。
(ヒトラーは白人でありながら、隣人の白人を殺したため非難されている)

中南米の大量殺戮は金銀財宝の強奪を目的としてなされましたが、それが宗教の名のもとに行われたのですから、悲しいとしか言いようがありません。
なんだか今の世の中は、イスラム教=怖い、みたいなイメージがあり、キリスト教=博愛みたいに思われがちですが、教会があって神父がいて、世界のすみずみまで改宗を迫りに宣教師が進出しているのは、キリスト教です。
隣人を愛せよという言葉は、殺された数千万の人たちにどういう意味をもつのでしょうか?

1542年にこういう記録を残したラス・カサスを立派だと讃える意見もありますが、普通の道徳観があれば誰でもこういう報告書は書くんじゃないでしょうか?
いや、でもやはり難しいかな。
彼はきっと孤独を恐れなかったのでしょう。

皆さんも、なぜ中南米では、スペイン語とポルトガル語しか使われていないか、ちょっと考えてみるといいと思います。

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