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腹の立つ本2011年08月29日 21時08分01秒

小僧の神様
昨夜、ある自転車競技者の「自伝」を読んでいました。
とても有名な選手で、ツール・ド何とかという大会で7連覇をした人です。
この選手は世界の頂点に立つ前に、脳転移・肺転移を伴う精巣腫瘍だったのですね。
その闘病記です。

しかし読んでいるうちにだんだんむかっ腹が立ってきました。
ま、ぼくの単なる勘違いかもしれませんが、これはゴーストライターが、その選手に取材をして書いた「フィクション」ではないかという疑いが沸き起こってきたからです。

こんなに豊饒に自分の精神世界を比喩や例えを交えて語るなんて、文学者でなければとてもできません。
自転車選手だからと言って馬鹿にしている訳ではありませんが、これがアスリートのメンタリティーとはとても信じられない。

そして事実関係に関しても、この選手ががんとの闘病に際して、「カネ」や「コネ」に物を言わせて、まるでドクターショッピングのようにいくつもの一流病院の意見を聞く様は、医療って何だと思ってしまいます。

で、こういう時は読むのを辞める。
で、眠れない夜になるのはイヤなので、「口直し」に別の本を読む。
本棚から取り出したのは、「小僧の神様・城の崎にて」 (新潮文庫)でした。志賀直哉先生です。

なんとなく心が落ち着いて安眠できました。
どうですか? ぼくはこれくらいへそ曲がりなんです。