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「ひかりごけ」 武田泰淳2011年05月01日 00時10分48秒

ひかりごけ
この本は、高校生の頃に読んだのか、途中で止めてしまったのか、正確に憶えていません。
今から30年以上も前のことですから。
ぼくの曖昧な記憶によると、本は買ったけど、読了しなかったような気がします。
ですが、今回はきちんと読みました。

内容に関しては、ただお読みくださいとしか言いようがありません。
しかしこの本の構成というのは、かなりユニークで、こういった形式をよく編集者が許したと思います。
それともこの時代は、作家が原稿を書けば、そのまま本になったのでしょうか?

「ひかりごけ」に関して忘れられないのは、ぼくが所属していた「近代文学鑑賞クラブ」(白鴎高校の3年の時)で、顧問の太田先生がこの本を課題に取り上げようとした時です。
最初は、太田先生が、「次回はこの作品・・・」と言いながら、少し考え込んで「やっぱり止めた」と言ったのです。

今になってみると、その理由がよく分かります。
この本は、ちょっと高校生にはナイーブ過ぎるかなと思います。

太田先生は、若く、思考が柔らかく、ユニークな人で、ぼくに文学の道案内をしてくれました。
本当に大好きな先生で、自宅まで遊びに行ったこともあります。

ですが、なんと病気で急逝。
新婚早々、赤ちゃんが生まれたばかりでした。

白鴎高校時代、最も忘れがたい恩師です。