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社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡(中川 右介)2023年04月12日 22時44分46秒

社長たちの映画史 映画に賭けた経営者の攻防と興亡
タイトルがこれでいいのかよく分かりませんが、日本の映画史のほとんどすべてを語っています。
500ページ以上もある大作です。
しかしまあ、よくぞこれだけの内容を書けたものです。
巻末の引用文献を見ると、すごい量なんですよね。
ちょっと真似のできるレベルではありません。

映画はテレビによって滅びていくんですが、そのテレビもネットで滅びかねない状況です。
平家物語ではありませんが、栄枯盛衰という感じですね。
また、映画は水物であることがよく分かりましたし、歴史は繰り返すということもよく分かりました。
時代の流れを読んで、先取りすることがいかに難しいのかということも、とてもよく描かれていました。

最もおもしろかったのは『黒部の太陽』を制作するところかな。
この映画によって映画界の古い体制(五社協定)は崩壊するのですが、新しい体制もまた古くなっていくところが時代の流れの残酷さを感じさせます。
見事な作品でした。

大阪カジノは誰のために2023年04月15日 20時17分08秒

衆愚政治という言葉がぴったりなのは、維新の会とれいわ新撰組でしょう。
前者は右で後者は左です。
ぼくはどちらも好きではありません。ただ維新の会は影響力が大きく、このままではちょっと危険だと思います。

コロナは現在、第9波に入っているようですが、大きな流行にならないかもしれません。
しかしこの3年間、国民は本当につらい思いをしました。
最もつらかったのは大阪府民ではないでしょうか?
維新は「身を切る改革」とか言って、必要な行政機能をどんどん切っていきました。
市民病院の統廃合も進め、急性期病棟は大きく削減されました。
急性期病棟は儲かりませんからね。
それから保健機能も削りました。

その結果、コロナ感染者・コロナ死亡者が全国最多になりました。
政治の役割にはいろいろな面がありますが、最も大事なことを人間の命を守ることです。
そういう意味で、維新が主導した大阪府政は最低だったと思います。

改革、改革と叫びますが、では改革してどういう日本を作りたいのでしょうか?
自民党だったら、個人より国家を大事にした国、伝統を守り続ける国を作りたいというビジョンがあると思います。
立憲民主党であれば、個人の権利と暮らしを守りたいというビジョンがあるでしょう。
維新は何ですか? お金を儲けたいのか?

カジノを含む統合型リゾートを大阪市に作る計画が動き始めました。
つまり博打で儲けようとしているわけですね。
24時間営業で365日フルオープンと聞きました。まるで救急病院ですね。
年間2000万人が来場し、5200億円の売り上げを見込んでいるそうです。
そのうちの8割はカジノによる収入だそうです。
すごいですね。

当然のことながらギャンブル依存症の人が増えるわけで、大阪府は依存症対策推進条例を制定したそうです。なんだか漫画ですね。
日本人を食い物にして、その上がりで大阪市は潤うわけです。
世論調査によれば、大阪府民は半数以上の人がカジノに賛成していますから、自分たちに何か恩恵があれば、犠牲者が出ても構わないという心理なんでしょう。
こんなことで大阪府は、日本は幸せになれるのでしょうか?

会場予定地の人工島・夢洲(ゆめしま)にも問題があります。
もともとここは、商業地として巨大施設を建てることは想定されていなかった埋め立て地です。
汚染土壌・液状化対策に約790億円かかるそうです。
あれ? 税金は注ぎ込まないと約束しましたよね。

大阪都構想にしても、維新には理念なき目標があり、それによって党内の求心力を高め、またそれで世間を巻き込んでいるように見えます。
住民投票を2回もやるなんて常軌を逸していますね。
勝つまでジャンケンというヤツでしょうか?

党内には非常に不祥事が多いのに、他党の失言とかには異常にしつこくからんでくるなど、この政党はかなり怖いです。
千葉県ではまったく維新のパワーがなくて、本当によかったです。

袋叩きの小西洋之議員を擁護する2023年04月16日 17時04分59秒

今日の某新聞の社説を読んでいたら、小西議員の「憲法審査会の毎週開催はサルがやること」発言を強く批判していました。
3月29日のオフレコ発言を今になってこれだけ激しく非難するのはどういう意図でしょうか?
社説のネタに困って今頃書いたのでしょうか?
いずれにしても、権力を監視すべきジャーナリズムが野党を激しくに批判するのは異様としか言いようがありません。

ではなぜ、小西さんは「サルがやること」とオフレコで漏らしたのでしょうか?
正確には「衆院憲法審の毎週開催は、憲法を真剣に考えていないサルがやること、野蛮」と言っています。
つまり真面目に憲法を考えていれば、毎週開催にならないという主旨です。
それはなぜか。
「いつ最高裁判決や外国の事例を研究するのか。衆院なんて誰かに書いてもらった原稿を読んでいるだけだ」とも小西さんは述べています。

これは正論ではないでしょうか?
議論をするためには、資料集めや、分析・研究、意見聴取など多くの準備が必要です。
ぼくも日本小児外科学会の理事会のメンバーでしたが、学会の方向性を決める理事会を成立させるためには膨大な準備時間が必要でした。
開催は年に6回。十分に時間をとって理事会メンバーで議論をしました。

毎週開催の憲法審はちゃんと機能しているのでしょうか?
ニューズウィーク日本版によれば、毎週開催する価値はとてもないそうです。
審査会とは立派な名前ですが、実態は各議員の独演会なんだそうです。
それぞれのメンバーが延々と自説をぶち上げて、とても議論にはなっていないといいます。

選挙区の合区が話し合われた会では、自民党議員がウクライナ戦争に触れながら唐突に憲法9条について演説し始めたといいます。呆れるしかありません。
そもそも自民党の憲法改正案は、基本的人権よりも国家に主権がおかれていますから、そんなことを独演されても議論になるわけがありません。

憲法審は、まず、議論の進め方を議論し、各政党のコンセンサスを得る必要があります。
こんな現状では、オフレコでサルという言葉が出てもしかたないんじゃないですか?
小西議員の発言で某御用新聞は欣喜雀躍という感じですが、この反動で、改憲のための改憲みたいな方向に議論が引きずられていかないことを切に願います。

日本は戦争に敗れて、リベラルの芽が生まれましたが、自分たちの義務として戦争責任を問うことはしませんでした。
その結果、戦争を反省しなかった勢力が脈々と現在まで続いており、そういった連中が人より国家を大事にすべく憲法を変えようとするなら、大変危険だと思います。
日本人は欧米に比べてリベラルな人間が少なく、お上に従ってしまう国民性があります。
憲法がどうなっていくのか注視する必要がありそうです。
小西議員は、現在の憲法審の問題点を広く発信してほしいです。

赤ちゃんをわが子として育てる方を求む(石井 光太)2023年04月18日 10時42分51秒

赤ちゃんをわが子として育てる方を求む
菊田昇医師による赤ちゃんの斡旋「事件」は、幼い頃のぼくの記憶に残っています。
当時は、人工妊娠中絶が8ヶ月まで可能だったので、7ヶ月の赤ちゃんを産ませる形で中絶すると、産声を上げたりするのです。
こういうとき、産科医は新生児をを水に沈めたり、水に濡れた布で顔を覆ったそうです。

この話は作り話ではなく、ぼくが昭和62年に医師になったとき、重症新生児を外科手術で先輩の医師が助けました。
その話を、知人の産婦人科医に話したら、「そんなことしてどうするの? 千葉に田舎に行けば、そういう赤ちゃんが生まれたら濡れたティッシュを顔に乗せられておしまいだよ」と言われて強いショックを受けました。
新生児医療において産科医は「敵」になりうるとこのとき思ったものです。

菊田医師は、望まれない出産で生まれてきた赤ちゃんを、養子として斡旋することを思い付きます。
ただ当時はそうした法整備がなかったので、養親に出生証明書を偽造して、養親が産んだように体裁を整えたのです。
そうしないと、産んだ親の戸籍に記録が残ってしまうからです。

菊田医師は罰金刑となりますが、彼が考えていたことはよく理解できます。
現在では、特別養子縁組制度ができています。

さて、作者はなぜこの本をフィクション(小説)として書いたのでしょうか?
石井さんはめっちゃ筆が立ち、ストーリーを語れば天下一品です。もともと小説に向いているのかもしれません。
でも、この本の重いテーマを考えると、ノンフィクションとして、つまらない本であってもいいから、事実のみを読者に伝えて欲しかったなと思います。

ま、単にぼくがノンフィクション好きだからかもしれません。
特別養子縁組の話はこれからもしばらく、僕としては個人的テーマとして追いかけるつもりです。
みなさんも、ぜひ、読んでみてください。

ようこそ、チャットGPT2023年04月19日 17時40分55秒

ぼくの兄はエンジニアで、工学部を1983年に卒業しています。
ぼくと違って兄は頭脳明晰で、大学時代の研究テーマが人工知能だったといいますから、時代を見る目があったのでしょう。
ぼくは今でも AI ってどういう理屈でできているのか理解できません。
だって、コンピューターって計算機でしょ?
人が教えたことを、猛烈なスピードで計算するだけでは?
兄に質問したら、いろいろ教えてくれましたが、要は学習するというプログラムを仕込んでいるということ・・・だったように理解しました。

さて、現在、米新興企業「オープンAI」が開発した対話型AI「ChatGPT(チャットGPT)」が話題です。
世間はこの技術をどう見ているのでしょうか。
「すごい!」という単純な感想もあるかもしれませんが、「こわい!」という心配する心理もあるのではないでしょうか。
ぼくも映画『ターミネーター』に出てくるスカイネットというシステムを想起しました。

チャットGPTが一番人々に危惧を抱かせるのは、教育分野での使われ方だと思います。
学生がチャットGPTを使って答えに辿り着いたら、大学生のレポートなどは意味を失うかもしれません。
いやいや、もっと根本的に教師の存在価値が薄れてしまうかもしれません。
また、学生にしたって AI が答えを教えてくれれば、思考力がなくなってしまうかもしれませんよね。
つまりチャットGPTは人の能力を伸ばさない可能性がありそうです。

先日ネットニュースを読んでいたら、自分の子ども4人が東大理科3類に合格した母親が、18歳まではチャットGPTはNGと言っていたそうです。
それに対して堀江貴文さんは「ばか」と批判していました。
「ばか」という言葉はどうかと思いますが、ぼくも堀江さんの意見に賛成です。
だってチャットGPTの登場は、必然的な時代の潮流ですよ。
こういう時代が来ることは少し考えれば誰でも分かることだったはずです。

今の時代、学生が Google や Wikipedia を使うことを制限できるわけがありません。
むしろそれをどう使いこなすか、そのリテラシーが重要なわけです。
チャットGPTだってまったく同じです。
このツールを使うことで個人情報が抜き取られるとか、それはまた別問題ですから、これからを生きる人たちはチャットGPTを含めて人工知能をどう活用していくか、それを考えていくべきです。
18歳まで触れてはいけないなんて、時代錯誤の考え方です。

ぼくが大学の講師だったころ、医学生にスモールグループを組んでもらい、「自分で勉強する方法」を教えるという授業をやっていました。
問題の立て方とか、図書館の利用法とか、資料の集め方とか、その読み方とかですね。
ところが、その直後に Google が普及して、医学生の勉強の仕方は激変してしまいました。
ぼくの行なった授業はある意味で無駄だったようにも見えましたが、時代は進むので、学生は時代に沿った学びをすればいいのだと思ったものです。

だから、学生も教師もうまくチャットGPTを使ってください。
来るべくして来ましたね。
ようこそ、チャットGPT。

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法 Kindle版 (上阪徹)2023年04月19日 21時36分59秒

職業、ブックライター。 毎月1冊10万字書く私の方法 Kindle版 (上阪徹)
ブックライターとは聞きなれない職業名ですよね。
世間では、ゴーストライターなどと呼ばれていたりします。
要は、著者の代わりに実際に本を書く人です。
ビジネス書などは、ほとんどすべてがブックライターが書いていると聞いたことがあります。
企業の経営者とか芸能人とかの本もそうでしょう。
あるいは科学者の書いたサイエンスエッセイもそうかもしれません。

プロの作家が書いた本以外は、ほとんどブックライターが書いている可能性があります。
ぼくが書いた本の中で、もっとも多くの人に読まれたのは『発達障害に生まれて』というノンフィクションです。
この本を編集してくれた編集者さんは、業界の人から「この本は、どのブックライターを使ったんですか?」と聞かれたそうです。
開業医に本を書く暇なんてないと思ったのか、それとも開業医で文章の上手い人なんて見たことないと思ったのか、詳細は分かりません。
それくらい本人が書いた本は少ないということです。

ぼくは1年に1冊のペースで本を書いています。
1冊12万字。
上阪さんは、毎月1冊10万字書くそうです。
驚異的にも思えますし、プロなので、それもあり得るかなとも思えます。
ぼくの場合は、夕方まで医師として働き、平日の夜と日曜日を使って本を書いています。

この本の中に書かれていることには、ぼくと同じ意見のものもありますし、異なる部分もあります。
同じというのは、文章を2000字で基本とする考え方です。
念のために書いておきますが、ぼくは現在、『1文が書ければ2000字は書ける』(日本実業出版社)という本を書き上げて、これから入稿という段階です。
何が言いたいかというと、ぼくのアイデアは上阪さんの考えを参考にしたのではなく、ぼくのオリジナルということです。
パクリじゃないですよ。

異なる部分というのは、「話すように書け」という教えです。
ぼくは、書くには技術が必要で、話すように書いても通じないと思っています。

それはまあさておき、本作は大変面白い1冊でした。
書くまでの準備が7割という話は大変貴重でした。そうですよね、準備は大事です。本当にそう思います。
実はこの本、2013年の出版で、現在は絶版なんです。
電書のいいところは、絶版の本でも読めることです。
この本は Kindle で読みました。
電書、バンザイ! という感じですね。

日本の学術の終わりの始まり2023年04月21日 21時43分58秒

日本が戦後復興から高度経済成長まで、奇跡的な回復をとげた理由にはいくつかの因子があると思いますが、学術が優れていたことは否定できないと思います。
日本は科学立国だったし、学術立国だったと思います。
ところが、自民党政権は、日本学術会議を目の敵にしています。
学術会議も政権に対して強い不信感を抱いています。

政府は学術会議の改正案を閣議決定しようと目論んでいました。
これまでの学術会議は独立と自由を持ち、会員を自分たちで選んでいました。
政府案は、会員選考に際して外部の有識者による「選考諮問委員会」を設けるというものでした。
そして推薦を求める先として経済団体をあげていました。
経済団体?
こうした諮問委員会を作れば、学術会議の独立性は損なわれ、政府の意向にそった人間が選ばれる危険があります。
つまり御用学者が選ばれる。

日本のノーベル賞受賞者8人が懸念を表明し、「熟慮を求める」という声明を出したことに対して、先日、世界のノーベル賞受賞者61人が支持するとの共同声明を出していました。
つまり、日本は世界のアカデミアから見て、呆れた国になっているのです。

そもそも何でこんなことになったのでしょうか?
それは菅前首相が、会員候補6人の任命を拒否したからです。
この6人は自民党政権に対して批判的な意見を持っていたとされています。
菅前首相は、任命拒否の理由を一切語らないのですから驚きます。
今の時代にあり得るでしょうか?
世界基準から離れた異常なことをやっておきながら、理由を説明しないのですから、日本は秘密国家、暗黒国家でしょうか。
では、岸田首相が理由を語ったかというと、「すでに決まったことだから」とやはり理由を説明しません。
どんだけ怖い国なんでしょうか。

昨日になって、政府は法案提出をやめたようです。野党の批判と、世間の反発に対して審議を貫けないと判断したようです。
しかし世間の反発なんてそんなになかったようにも思えます。
この問題が、ワイドショーで語られたり、NHKニュースで大々的に報道された記憶はありません。
もっとメディアは大きく取り上げるべきです。

政府は法案提出を一旦はやめただけで、学術会議との相互不信は抜き難い状態に陥っています。
学術会議が、根本から従来とは別組織にされてしまう危険もあります。
自民党政権は放送法の問題もそうですが、自分たちに批判的な力を絶対に認めようとしません。
政府は軍事研究をやらせたいようですが、それが叶わないことも新法案提出の理由だったようです。
そんな研究は御用学者を集めて、自前でやればいいのに。

いずれにしても、日本の学術をつぶせば、日本がつぶれます。
亡国の政策です。
日本の学術の終わりを始めてはいけません。
多くの日本人にこの問題に関心を持って欲しいです。

国滅びて自衛隊が残る2023年04月22日 17時04分51秒

岸田さんは日本をどういう国にしたいのか、ぼくにはさっぱり分かりません。
総裁選に出馬したときには、「新しい資本主義」とか「令和版所得倍増」とか「富裕税」とか「民主主義の危機」とか言っていましたが、総理になってやったことといえば、防衛力の強化だけです。

政府は、今年度から5年間の防衛費を総額43兆円に増額する方針だそうです。
過去の水準から約17兆円の上積みが必要になります。
なぜそれが必要なのか? 国際情勢が変わったから?
いやそういう説明ではなくて、金額の根拠を教えてもらいたいものです。

財源の一部を確保するために「防衛力強化資金」に、特別会計からの剰余金などの税外収入を繰り入れるそうです。
それ以外は、毎年度予算の使い残しである決算剰余金と、予算を効率化する歳出改革、増税によって捻出するとも言います。
苦肉の策で財源を捻り出し、さらには増税をするわけですね。

軍事力は相手との関係で決まりますから、相手も軍事力を高めれば軍拡競争になりキリがなくなります。
戦時中の日本は国債を発行して青天井の軍拡で自滅しました。
いまの日本には、そこまでして軍事力を増強したあとに、どんな国の姿があるんでしょうか?
関連予算を2027年度に国内総生産(GDP)比2%に倍増させる目標が、なぜ必要なのでしょうか? その根拠は? 誰も語りません。

一方、こども政策。
こっちも大事。いやこっちこそ大事かもしれません。
少子化が進んでいけば、自衛隊で守るべき国そのものが消失していまします。
首相をトップとする「こども未来戦略会議」が動き出しました。
こども政策の強化に向けた財源論議が焦点になってきています。
財源がなければ絵に描いた餅ですから、こうは当然の展開。ところが予想通り、財源が見つかりません。

国債は財源として不安定だし、将来にツケを回すので論外です。
現在、医療保険などの社会保険料を引き上げる案が候補になっています。
案の定、国会論戦の中では、「賃上げに逆行する」という批判が出ています。
また、社会保険料は負担が現役世代に偏りがちで、高齢者は恩恵を受けるだけで負担を負わないという問題点もあります。

社会全体で子ども政策を支えるならば、やはり税も考えるべきでしょう。
岸田さんが言っていた富裕層からの税の徴収はどうなったのでしょうか。
消費税は理念としては考えてもいいかもしれませんが、日本の国民の負担率はもう50%くらいです。これ以上は無理なのでは?

そうすると、歳出改革しかないと思うのですが、そっちは防衛力強化に使われることになっています。
いや、ちょっと順序が本当にこれで正しいのでしょうか。
国が滅びて防衛力だけが残ってもしょうがないですよ。
いまの自民党政権には、国をどういう姿にしたいのか、そういったグランドデザインを描く力が欠けています。

泉健太さん、辞任したらどうですか?2023年04月24日 20時29分57秒

衆参の補選が行われました。
自民党は4勝1敗でした。形の上では勝ちましたが、内容が悪くて、このまま衆院解散・総選挙とはならないようです。
維新は和歌山で自民党に勝って、大いに気勢を揚げているようです。
どうしようもないのが、立憲民主党です。なんと全敗。
善戦したと自分たちで言っていますが、善戦も敗北のうちです。
前の参院選と合わせて2連敗です。
誰も責任を取らないのでしょうか?

立憲がダメなところは、もし立憲が政権を取ったときにどういう国の形になるかという絵姿が見えないことです。
「一人も取り残さない」とか「支え合う社会」とか、抽象的過ぎて全然国民の心に響きません。
ではなぜ、2009年に政権を奪取できたのか。

最大の理由は敵失です。自民党は、消えた年金問題で支持率を落としました。
年金は国民にとって切実な問題ですから、これは大きかったです。
そして自民党内の内輪揉めですね。これもダメージが大きかった。

そのときに、国民には民主党というもう一つの選択肢があったのです。
民主党の特徴は2つ。まず、鳩山・菅・小沢というトロイカ体制です。
みんな与党経験者ですから、国民には信頼感がありました。
今の立憲にそういう人はいますか? 任せられる人。
それから、マニフェストですね。
当時の自民党政治には公共工事にムダが非常に多いと考えられていました。
民主党はそれを糺すと主張したのです。
つまり、「コンクリートから人へ」ですね。
分かりやすいですよね。

メディアも、公共工事のムダをよく報道していました。間接的に民主党を後押ししていた印象があります。
時代の流れが政権交代に向かっていたように見えました。
だけど今はどうでしょうか?

維新の躍進がやたらと報道されますが、立憲なんて全然メディアに取り上げられませんよね。
期待感が無いんです。
それどころか、古い体質の政党と見なされているんじゃないでしょうか。

立憲は、小池百合子さんが率いる希望の党に対抗して、枝野幸男さんが一人で作った党です。
当時は判官贔屓もあって支持率が17%もありました。
今は5%くらいでしょ。
昔の社会党よりも全然低い状態に陥っています。

立憲には「任せられる政治家」がいないし、「魅力的な公約」もありません。
ぼくは、政権批判はこのまましつこく続けるべきだと思いますが、「代わって何ができるか?」を明確に打ち出さないとジリ貧になると感じます。
今回の補選の結果を受けても、誰も責任を取る人がいないそうです。
それはないと思いますよ。

次の衆院選。政権交代どころか、野党第一党の座を失う可能性だってあります。
それでは遅いんです。
2連敗したのだから、泉健太さん、辞任したらどうですか?

特別養子縁組やってみた1&2 Kindle版 (古泉智浩)2023年04月24日 22時42分34秒

養子のうーちゃん。
里子のぽんこちゃん。
漫画家の小泉さんが育児に七転八倒する様子を綴っています。
この本には前篇があって、この本では養子縁組のことは触れられていません。
ま、育児日記みたいなものです。
でも、これを読んでいると、実子と、養子・里子の違いって何だろうかと思います。
何も違わないのでは? と思ったりします。

しかしまあ、うーちゃんとぽんこちゃんの可愛いこと。
子どもって本当に天才だと改めて思わせてくれます。
こんなにおもしろいことをやったり言ったり、何度も笑ってしまいました。

あっと言う間に2冊を読んでしまいました。
みなさんも、ぜひ、どうぞ。