手術はすごい(石沢 武彰) ― 2025年02月16日 22時59分55秒

筆者は、大阪公立大学・肝胆膵外科教授。
ぼくより12歳も若い。千葉大医学部卒業なんですね。
楽しく読みました。
一般の人でもわかるように優しく・・・書かれているようにも思えますが、内容は極めて専門的で、相当高度でした。細かいし。
一般の人はもちろん、医者であっても内科系の人には難しすぎるのではないでしょうか。
とはいえ、Amazonを見るとかなりよく売れている感じです。
語り口がいいのかもしれませんね。
外科医としてとても謙虚な人なのではないでしょうか?
外科系の医者って、教授ともなると、オレがオレがになる人が多いので。
成人の外科では腸を縫うときに、本にあったようにアルベルト=レンベルトで縫います。
この方法の欠点は内腔が狭くなることです。
小児外科ではこの方法を取りません。
ヘップ=ジョルダンで縫います。ここが小児外科医の腕の見せ所ですね。
ただ、ぼくの師匠の高橋教授は、層々二列で縫うのが理想と言っていました。
この辺の記載はなかったですね。
消化器外科医になりたい高校生のみなさん、ぜひ、読んでみてください。
ぼくより12歳も若い。千葉大医学部卒業なんですね。
楽しく読みました。
一般の人でもわかるように優しく・・・書かれているようにも思えますが、内容は極めて専門的で、相当高度でした。細かいし。
一般の人はもちろん、医者であっても内科系の人には難しすぎるのではないでしょうか。
とはいえ、Amazonを見るとかなりよく売れている感じです。
語り口がいいのかもしれませんね。
外科医としてとても謙虚な人なのではないでしょうか?
外科系の医者って、教授ともなると、オレがオレがになる人が多いので。
成人の外科では腸を縫うときに、本にあったようにアルベルト=レンベルトで縫います。
この方法の欠点は内腔が狭くなることです。
小児外科ではこの方法を取りません。
ヘップ=ジョルダンで縫います。ここが小児外科医の腕の見せ所ですね。
ただ、ぼくの師匠の高橋教授は、層々二列で縫うのが理想と言っていました。
この辺の記載はなかったですね。
消化器外科医になりたい高校生のみなさん、ぜひ、読んでみてください。
PRIZE―プライズ― (村山 由佳) ― 2025年02月15日 22時18分16秒

めちゃ、おもしろかったです。
直木賞をどうしても獲りたい流行作家の物語です。
ただ、どうしてこういう結末にしたのかなと思います。
いわゆる「どんでん返し」なんですが、ぼくは途中で結末がわかってしまいました。
なので、ちっとも驚かなかったし、最後で人間が描けていないなと思いました。
しかしまあ、フィクションの世界はノンフィクションとまったく異なりますね。
同じ本でも違う世界、違う媒体という気がします。
あっというまに読んでしまう娯楽作ですので、みなさんも、ぜひどうぞ。
直木賞をどうしても獲りたい流行作家の物語です。
ただ、どうしてこういう結末にしたのかなと思います。
いわゆる「どんでん返し」なんですが、ぼくは途中で結末がわかってしまいました。
なので、ちっとも驚かなかったし、最後で人間が描けていないなと思いました。
しかしまあ、フィクションの世界はノンフィクションとまったく異なりますね。
同じ本でも違う世界、違う媒体という気がします。
あっというまに読んでしまう娯楽作ですので、みなさんも、ぜひどうぞ。
『看護師の正体』、好調です! ― 2025年02月13日 20時45分02秒
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『看護師の正体』(中公新書ラクレ)から、ナース千里が壁に突き当たる場面を抜き出して、婦人公論 jp に記事にしました。
現在、Yahoo! でも読めます。
ぜひ、読んでみてください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f11a57a633fe8df1027dc25d04a21912ee1338f8
また、今日は読売新聞に大きく広告が出ました。
Amazonなどのネット書店では順調に売れているようです。
ここから。
↓
https://amzn.to/4jZQquq
ぜひ、どうぞ!
『看護師の正体』(中公新書ラクレ)から、ナース千里が壁に突き当たる場面を抜き出して、婦人公論 jp に記事にしました。
現在、Yahoo! でも読めます。
ぜひ、読んでみてください。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f11a57a633fe8df1027dc25d04a21912ee1338f8
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「“右翼”雑誌」の舞台裏(梶原 麻衣子) ― 2025年02月12日 23時11分08秒

雑誌『WILL』と『Hanada』の舞台裏を書いた本です。
筆者は、右翼少女として編集部に加わり、右翼中年となった今はフリーになっているそうです。
確かに「右翼」雑誌と呼ばれるのは自然かもしれませんが、花田編集長は別に右翼ではなく、読者の共感を得たいと文藝春秋のような本を作りたいそうです。
文春は、現在はかなり中道で、南京事件の検証を本にしたりしていますが、ぼくが学生だった頃は、めちゃめちゃ保守的で、今とは大違いでした。
その当時から、花田さんには文春が保守という意識はなく、新聞(特に朝日新聞)を疑ったり、大手メディアがふれない部分を追求しようという意識があったのでしょう。
本多勝一さんがいた頃の朝日は尖ったリベラルでしたので、新聞という「第4権力」を批判することで、自然と保守という立ち位置になってしまうのでしょう。
筆者には右翼であることの悩みみたいなものもあり、内省的な文章がとてもよかったです。
思想って尖れば尖るほど、一部は熱狂させても大衆と離れる面があるんですよね。
ぼくは、自分の思想として右翼は嫌いですが、筆者にはいい印象しか持ちませんでした。
おもしろいですよ。おススメします。
筆者は、右翼少女として編集部に加わり、右翼中年となった今はフリーになっているそうです。
確かに「右翼」雑誌と呼ばれるのは自然かもしれませんが、花田編集長は別に右翼ではなく、読者の共感を得たいと文藝春秋のような本を作りたいそうです。
文春は、現在はかなり中道で、南京事件の検証を本にしたりしていますが、ぼくが学生だった頃は、めちゃめちゃ保守的で、今とは大違いでした。
その当時から、花田さんには文春が保守という意識はなく、新聞(特に朝日新聞)を疑ったり、大手メディアがふれない部分を追求しようという意識があったのでしょう。
本多勝一さんがいた頃の朝日は尖ったリベラルでしたので、新聞という「第4権力」を批判することで、自然と保守という立ち位置になってしまうのでしょう。
筆者には右翼であることの悩みみたいなものもあり、内省的な文章がとてもよかったです。
思想って尖れば尖るほど、一部は熱狂させても大衆と離れる面があるんですよね。
ぼくは、自分の思想として右翼は嫌いですが、筆者にはいい印象しか持ちませんでした。
おもしろいですよ。おススメします。
貧困と脳 「働かない」のではなく「働けない」(鈴木大介) ― 2025年02月08日 22時55分09秒

軽い気持ちで読み始めましたが、ヘビー級の作品でした。
(特に)若者の貧困にはいろいろな理由がありますが、今回、鈴木さんは「不自由な脳」に焦点を当てました。
脳梗塞から高次脳機能障害となった鈴木さんは、脳に不自由を抱えます。
その困難が、貧困な若者たちの行動様式や思考によく似ているのですね。
彼ら彼女らに対しては「自己責任論」が浴びせられ、叩かれますが、もし、脳が不自由な状態であったら?
つまり「働かない」のではなく、「働けない」のです。
鈴木さんは自分の困難を深掘りしていき、それを豊かな言葉で丁寧に表現していきます。
(語り下ろしかもしれませんが)その表現や言葉は深く多彩で、自らの主張を強い説得力で伝えています。
また、鈴木さんの立つ位置もいいなと思いました。
貧困にさせられる側にしっかりと立っています。
だから、さらに説得力がありました。
いい本です。でも安易な気持ちで読まず、真剣に向き合うつもりで読むといいと思います。
(特に)若者の貧困にはいろいろな理由がありますが、今回、鈴木さんは「不自由な脳」に焦点を当てました。
脳梗塞から高次脳機能障害となった鈴木さんは、脳に不自由を抱えます。
その困難が、貧困な若者たちの行動様式や思考によく似ているのですね。
彼ら彼女らに対しては「自己責任論」が浴びせられ、叩かれますが、もし、脳が不自由な状態であったら?
つまり「働かない」のではなく、「働けない」のです。
鈴木さんは自分の困難を深掘りしていき、それを豊かな言葉で丁寧に表現していきます。
(語り下ろしかもしれませんが)その表現や言葉は深く多彩で、自らの主張を強い説得力で伝えています。
また、鈴木さんの立つ位置もいいなと思いました。
貧困にさせられる側にしっかりと立っています。
だから、さらに説得力がありました。
いい本です。でも安易な気持ちで読まず、真剣に向き合うつもりで読むといいと思います。
応援感謝です、『看護師の正体』 ― 2025年02月08日 21時46分33秒
『看護師の正体』(中公新書ラクレ)。
応援ありがとうございます。
先日「現代ビジネス」に取り上げられた記事が、本日、Yahoo! に転載されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/445061b0f695907439dd23093df1279637f878d4
そのおかげで、Amazon 総合83位まで行きました。
「医学・薬学・看護学・歯科学」部門では2位。
『透析を止めた日』(講談社)と並んでうれしいです。
おもしろさには、ちょっと自信がありますので、よかったら手に取ってみてくださいね。
応援ありがとうございます。
先日「現代ビジネス」に取り上げられた記事が、本日、Yahoo! に転載されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/445061b0f695907439dd23093df1279637f878d4
そのおかげで、Amazon 総合83位まで行きました。
「医学・薬学・看護学・歯科学」部門では2位。
『透析を止めた日』(講談社)と並んでうれしいです。
おもしろさには、ちょっと自信がありますので、よかったら手に取ってみてくださいね。
3刷決定!『看護師の正体』 ― 2025年02月04日 20時24分15秒
『看護師の正体』(中公新書ラクレ)。
2刷が出来して、ようやくAmazonが「在庫あり」になったところで、3刷が決まりました!
リアル書店でよく売れているようです。
発売からまだ3週。来週は、新聞に大型広告も出ます。
これからですね。
ぜひ、応援してください。
https://amzn.to/42FZcXW
2刷が出来して、ようやくAmazonが「在庫あり」になったところで、3刷が決まりました!
リアル書店でよく売れているようです。
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これからですね。
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ルポ 「トランプ信者」潜入一年 (小学館新書) 横田 増生 ― 2025年02月02日 22時20分16秒

『ルポ 「トランプ信者」潜入一年』が新書になりました。
筆者は潜入取材の第一人者である横田増生さん。
2022年に単行本ですでに読んでいますが、やはりおもしろい。
ユニクロやアマゾンの潜入記もおもしろかったのですが、今作はちょっとスケールが違うし、取材の深みも違うように感じます。
昔、アメリカンニューシネマの代表作で『イージーライダー』という映画がありました。
自由を求めて若者がバイクに乗ってアメリカ中を走るという作品です。
ラストシーンは大変衝撃的で、南部を走っていた主人公は地元の白人に銃で打たれて死んでしまうのです。
なぜでしょうか?
それは、保守的な人間から見ると、自由を求めてバイクで旅する人間なんて邪魔者だからです。
アメリカは自由と民主主義の国と思っていたぼくは、大変ショックを受けて、アメリカには2つの顔があるなと思ったものです。
トランプがここまで支持される理由の中に、陰謀論と彼のウソがあります。
日常的にウソをつき続けると、それを信じてしまう人たちが生まれて来るんですね。
ナチスと同じ論理です。
横田さんは、陰謀論が広く信じられる理由として、キリスト教の考え方が背後にあると指摘していました。
なるほど、それは十分ありそうですね。
では、日本はどうでしょうか?
兵庫県知事選では何が起こったのでしょうか。
いわゆるオールドメディアを信用せずに、ネット・SNSの中に真実があると考えた人たちは、陰謀論ではないかもしれませんが、デマに惑わされた可能性はないでしょうか。
そんなことを考えさせられました。
強烈におもしろい作品です。みなさんにぜひ、おススメします。
筆者は潜入取材の第一人者である横田増生さん。
2022年に単行本ですでに読んでいますが、やはりおもしろい。
ユニクロやアマゾンの潜入記もおもしろかったのですが、今作はちょっとスケールが違うし、取材の深みも違うように感じます。
昔、アメリカンニューシネマの代表作で『イージーライダー』という映画がありました。
自由を求めて若者がバイクに乗ってアメリカ中を走るという作品です。
ラストシーンは大変衝撃的で、南部を走っていた主人公は地元の白人に銃で打たれて死んでしまうのです。
なぜでしょうか?
それは、保守的な人間から見ると、自由を求めてバイクで旅する人間なんて邪魔者だからです。
アメリカは自由と民主主義の国と思っていたぼくは、大変ショックを受けて、アメリカには2つの顔があるなと思ったものです。
トランプがここまで支持される理由の中に、陰謀論と彼のウソがあります。
日常的にウソをつき続けると、それを信じてしまう人たちが生まれて来るんですね。
ナチスと同じ論理です。
横田さんは、陰謀論が広く信じられる理由として、キリスト教の考え方が背後にあると指摘していました。
なるほど、それは十分ありそうですね。
では、日本はどうでしょうか?
兵庫県知事選では何が起こったのでしょうか。
いわゆるオールドメディアを信用せずに、ネット・SNSの中に真実があると考えた人たちは、陰謀論ではないかもしれませんが、デマに惑わされた可能性はないでしょうか。
そんなことを考えさせられました。
強烈におもしろい作品です。みなさんにぜひ、おススメします。
だから、お酒をやめました。 「死に至る病」5つの家族の物語(根岸 康雄) ― 2025年01月29日 17時20分05秒

アルコール依存症の話です。
知っているつもりでしたが、知らない話がたくさんあって、かなり勉強になりました。
「底つき」しないと、断酒を決意できないとか、そもそもアルコール依存症の患者には病識がないとかは知りませんでした。
こうした患者さんは、子ども時代のトラウマがあって、その傷を癒すために酒を飲むことが多いそうです。
抗酒薬だけでなく、減酒薬というものもあるそうですが、酒を減らすのは難しく、断酒の方が簡単だそうです。
読み終えて驚いたのは、この5つの家族の話が、フィクションだということです。
なんと、そうなんですね。40数人から話を聞いて、5つの家族の物語を作ったそうです。
おもしろいことは間違いありませんので、興味のある方はぜひ、どうぞ。
知っているつもりでしたが、知らない話がたくさんあって、かなり勉強になりました。
「底つき」しないと、断酒を決意できないとか、そもそもアルコール依存症の患者には病識がないとかは知りませんでした。
こうした患者さんは、子ども時代のトラウマがあって、その傷を癒すために酒を飲むことが多いそうです。
抗酒薬だけでなく、減酒薬というものもあるそうですが、酒を減らすのは難しく、断酒の方が簡単だそうです。
読み終えて驚いたのは、この5つの家族の話が、フィクションだということです。
なんと、そうなんですね。40数人から話を聞いて、5つの家族の物語を作ったそうです。
おもしろいことは間違いありませんので、興味のある方はぜひ、どうぞ。
『看護師の正体』、著者インタビュー ― 2025年01月20日 21時09分47秒
昨日、『看護師の正体』に関する著者インタビューが現代ビジネス・オンラインに掲載されました。
記事はYahoo! にも転載され、大変広く読まれたようです。
130万PV だったと聞いています。
おかげさまで、Amazon では本が爆発的に売れ、申し訳ないことに、現在は買えない状態(カート落ち)になってしまいました。
記事は↓ の通りです。めちゃ、おもしろいインタビューなので、ぜひ、読んでみてください。
大学病院は「デキている医師と看護師が多い」って本当か…外科医が明かした「驚きの答え」
https://gendai.media/articles/-/145098
記事はYahoo! にも転載され、大変広く読まれたようです。
130万PV だったと聞いています。
おかげさまで、Amazon では本が爆発的に売れ、申し訳ないことに、現在は買えない状態(カート落ち)になってしまいました。
記事は↓ の通りです。めちゃ、おもしろいインタビューなので、ぜひ、読んでみてください。
大学病院は「デキている医師と看護師が多い」って本当か…外科医が明かした「驚きの答え」
https://gendai.media/articles/-/145098
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