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日本の学術の終わりの始まり2023年04月21日 21時43分58秒

日本が戦後復興から高度経済成長まで、奇跡的な回復をとげた理由にはいくつかの因子があると思いますが、学術が優れていたことは否定できないと思います。
日本は科学立国だったし、学術立国だったと思います。
ところが、自民党政権は、日本学術会議を目の敵にしています。
学術会議も政権に対して強い不信感を抱いています。

政府は学術会議の改正案を閣議決定しようと目論んでいました。
これまでの学術会議は独立と自由を持ち、会員を自分たちで選んでいました。
政府案は、会員選考に際して外部の有識者による「選考諮問委員会」を設けるというものでした。
そして推薦を求める先として経済団体をあげていました。
経済団体?
こうした諮問委員会を作れば、学術会議の独立性は損なわれ、政府の意向にそった人間が選ばれる危険があります。
つまり御用学者が選ばれる。

日本のノーベル賞受賞者8人が懸念を表明し、「熟慮を求める」という声明を出したことに対して、先日、世界のノーベル賞受賞者61人が支持するとの共同声明を出していました。
つまり、日本は世界のアカデミアから見て、呆れた国になっているのです。

そもそも何でこんなことになったのでしょうか?
それは菅前首相が、会員候補6人の任命を拒否したからです。
この6人は自民党政権に対して批判的な意見を持っていたとされています。
菅前首相は、任命拒否の理由を一切語らないのですから驚きます。
今の時代にあり得るでしょうか?
世界基準から離れた異常なことをやっておきながら、理由を説明しないのですから、日本は秘密国家、暗黒国家でしょうか。
では、岸田首相が理由を語ったかというと、「すでに決まったことだから」とやはり理由を説明しません。
どんだけ怖い国なんでしょうか。

昨日になって、政府は法案提出をやめたようです。野党の批判と、世間の反発に対して審議を貫けないと判断したようです。
しかし世間の反発なんてそんなになかったようにも思えます。
この問題が、ワイドショーで語られたり、NHKニュースで大々的に報道された記憶はありません。
もっとメディアは大きく取り上げるべきです。

政府は法案提出を一旦はやめただけで、学術会議との相互不信は抜き難い状態に陥っています。
学術会議が、根本から従来とは別組織にされてしまう危険もあります。
自民党政権は放送法の問題もそうですが、自分たちに批判的な力を絶対に認めようとしません。
政府は軍事研究をやらせたいようですが、それが叶わないことも新法案提出の理由だったようです。
そんな研究は御用学者を集めて、自前でやればいいのに。

いずれにしても、日本の学術をつぶせば、日本がつぶれます。
亡国の政策です。
日本の学術の終わりを始めてはいけません。
多くの日本人にこの問題に関心を持って欲しいです。

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