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「親と子の食物アレルギー」 (講談社現代新書) 伊藤 節子2012年11月13日 22時37分14秒

自分の勉強のために読みました。
しかし読み進めていくうちに、内容ではなく、本の作り方に大変疑問を持ちました。

ぼくは「小児外科医」だから「小児科の医者」の世界のことはよく知りません。
従って、この筆者の先生がどれくらい偉い先生か、正直なところ知りません。
ですが、ぼくは「非職業作家」なので分かるのですが、「講談社現代新書」に本を書くことができるというのは、「超一級のドクター」です。
ですから、この先生のことや、ここで書かれている「内容」について批判するつもりは全然ありません。

「非職業作家」であるぼくは、本を作るという作業がどれだけ難しいかをとてもよく知っています。
それはもう筆舌に尽くしがたい。
脳みそを雑巾で搾って知恵を出すような作業です。

しかし、本書はそういう部分がちょっと弱かったのではないでしょうか?
読者は誰でしょうか?
一般の人たち?
それとも、患者さん?
医学生? 看護学生?
アレルギーを専門としない一般医?
それとも、アレルギー専門家?
誰に向かって書かれたのかが正直よく分かりませんでした。
だから図や表やグラフの使い方が不十分だったように思います。
サマリーとか、要点整理とか、そういうものも欲しかった。
人の頭に、大事なことを強く印象づける工夫や、場合によっては「物語性=読ませる力」があったらいいと思いました。

Amazonのレビューを見ると、高評価で、内容を一般の方がサマライズしています。
あのレビューは見事でした。

一般の人たちは、何を知っていて、何を知らないか、医者にはなかなか分からないものです。
(医者に限らず、専門職ってそうでしょ? 小切手と手形の違いをしっていますか?)
ぼくは、こういった解説本は、「患者にとってとてもよく分かる・実用的である」そして「専門家もうなる」、、、と、そういう感じの本が理想だと思います。
そういう意味で、本書は少し惜しいなと思いました。

ま、そんなことを言う前に自分の原稿をどうにかしろっていう感じですよね。
今日はちょっと傲慢な書評でした。

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