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「モーツァルトとレクター博士の医学講座」(講談社)久坂部 羊2012年11月24日 23時38分37秒

モーツァルトとレクター博士の医学講座
昨日はブログを書き損ないましたが、それは本を4冊も同時に読んでいたため。
本を並行して読む時というのは、本の面白さがもう一つの時なんです。
だけど、今回は違う。
面白い本が重なってしまってやめられなくなってしまったのです。

で、そのうちの1冊が本書。

タイトル通り「医学講座」ですが、大変面白い。
お医者さんであれば、人体のすべてを知っていると皆さんは思うかもしれませんが、案外、そうではない。
臓器別に専門が決まっていますからね。
だからこういう本は、実は、書ける人はほとんどいないと思います。
で、医学だけでなくて、文学や映画や芸術の話がたくさん出てきます。これがまた面白い。
はっきり言ってジェラシーを感じますね。

オヤジギャグの数々にも笑わせてもらいましたが、奇抜な発想にも笑いました。
一番おかしかったのは、キリンの気管切開。
これはぼくが医者だからかな?

そして本書の最後の締めくくりは、なんとカニバリズム。
久坂部さんはこれが好きなんでしょうね。
実はぼくも、この手の話は嫌いじゃない。
だけど、ブログにそういうことを書くとぼくのイメージが壊れるのでやめておきましょう。

昨今の「間違った健康ブームや民間医療」に対する厳しい批判もあって痛快でした。
「教養を得るために」と言うよりも、「久坂部さんの面白い話を楽しむ」という目的で読んだ方が、より楽しいでしょう。

各章の扉のイラストは、久坂部さんの絵なんですか?
外科医って絵が上手な人が多いんですよね。
手術記録を精密に書く人がけっこういるんです。色鉛筆を使ったりして。
ぼく? ぼくもけっこう自信がありますよ。