アクセスカウンター
アクセスカウンター

ミラー・ディッカー症候群 / 滑脳症2012年10月17日 22時29分02秒

ミラー・ディッカー症候群という先天性の脳の発達異常の病気があります。
脳を形作る神経細胞の移動が途中で止まるため、6層できるはずの脳が4層で停止してしまうのです。
その結果、脳の表面にしわができません。
脳の外見から、「滑脳症」という別称もあります。
お子さんは重度の発達障害になりますので、寝たきりの状態です。

今日は、縁があってミラー・ディッカー症候群の子のご家庭にお邪魔しました。
ママにインタビューすること2時間。
貴重なお話しを伺うことができました。

現在、このママはお子さんと二人きりで一軒家に住んでいます。
ぼくの感覚で言うと、寂しいだろうな・・・となるのですが、それが必ずしもそうではないのですね。
人間の幸福の形は実に様々です。
他人が決めることではありません。

このママも最初からお子さんの障害を受け入れた訳ではありません。
精神的にどん底のところからゆっくりと昇っていって、今の状態があるのです。
何か具体的なきっかけがあったというより、時間が解決した部分も大きいでしょう。
ですが今は、このママにとって自分の子どもは「母親」のような存在になっているそうです。
ママは、自分の母親を病気で失っており、その喪失感を埋めているのがお子さんなんです。
だから、自分がこの世に生を受けた理由は、このミラー・ディッカーのお子さんを産むためだったと言っていました。
そして自分は現在、自分の子どもによって生かされているそうです。

こんな深い話を、ぼくはどうやって文字にすればいいのでしょうか?

ぼくも25年、医者をやっていますが、まだまだ知らない世界、不勉強の世界がたくさんあります。
ミラー・ディッカーのママ、大切なことをたくさん教えてくれて本当にどうも有り難う。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック