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「私を抱いてそしてキスして」 (ぶんか社文庫) 家田 荘子2012年10月11日 20時06分55秒

この本も大宅賞を受賞しているので、読んでみました。
HIV感染によるエイズという病気は、日本では「不治の病」ではなくなりました。
薬物療法の発達のおかげです。
ただ、サハラ以南のアフリカでは、HIV感染者は増える一方だし、経済的な問題もあってきちんとした治療が行われていません。
成人の平均寿命が短くなっているという話もあります。

「不治の病」でなくなったエイズを描いた本作。
しかしだからといって、本の価値が下がっているとは思いません。

家田さんの行動力・取材力・筆力もあり、人の命とは何かということに対して十分にものが考えられる作品に仕上がっています。

この本のタイトルは、それ自体とても魅力的で良いタイトルと思いますが、本の内容とはかなり印象が異なります。
別にだまされたとは思いませんが、ちょっと考え込んでしまう部分があることは否めません。

それにしても、この流れるような文章って、女性ならではと思います。
一般的に言って、小説でもノンフィクションでも、男よりも女性の方が文を書くのは上手なのではないでしょうか。