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Team18の「18トリソミーの子の写真展」に行く2012年10月07日 21時05分15秒

18トリソミーの子の写真展
昨日から大変体調が悪く・・・・どう悪いかと書くと年寄りの繰り言みたいになるので、やめておきますが、1日寝ていようかと思いましたが、思い切って錦糸町まで行ってきました。
(風邪などのうつる病気ではありません)

Team18が主催する「18トリソミーの子の写真展」です。

会場は都立墨東病院。
まず、その病院のデカさにびっくり。
病院というよりも近代的なオフィスビルのよう。

エレベーターで14階へ。
降りてすぐが会場です。

40畳くらいのかなり広い部屋が二つ。
一つは100人を超える子どもたちの写真展。
もう一つの部屋は、18トリソミーの子どもや家族の「休憩スペース」になっていました。

ぼくはTeam18のスタッフさんに声をかけて、代表の方に会わせて頂きました。
実名を出してもいいのだと思いますが、一応ここではWさんとしておきます。

Wさんから会の成り立ちや歴史をお聞きし、お子さんにも会わせて頂きました。
この女の子は現在、11歳。
18トリソミーで11歳というのは驚異的な長期生存です。
つまり同じ「13/18トリソミー」と言っても一人ひとりみんな違っていることがお分かり頂けると思います。

この女の子、Mちゃん。
実はMちゃんの顔は事前に家族のブログで知っていました。
ですから「初めまして」ですけれど、「こんにちは、会えたね!」という感じでした。

マットの上に寝転んでにこにこを笑顔を作り、手足をいっぱい動かしています。
ぼくが握手を求めると、すぐに握ってきてくれました。

やがて「朗読会」の時間が始まりました。
18トリソミーの子のママ二人と、Mちゃんのお姉さんが読み手です。
ピアノの伴奏が、なんと墨東病院の副院長先生。
渡辺とよ子先生と言ってNICUでトリソミーの子と家族を支えている先生です。

朗読はスライドで子どもの顔を映し出しながら、感動的に進んで行きました。
19人の子どものストーリーが語られると、会場からはすすり泣きも聞こえてきました。

朗読会が終了して渡辺先生と15分ほどお話しをさせて頂きました。
医者になって30年と言いますから、ぼくよりちょっと先輩です。
その世代のドクターがトリソミーに理解を持って、こういった活動に手を貸しているというのはちょっと驚きです。
トリソミーの子どもたちに在宅の道を拓いてきたのは、自分の強い意志というよりも、時代の流れ、社会の変化、家族の心の動きによる部分が大きいとも言っておられました。

心残りがないように、展示されたすべての写真に目を通します。
肝芽腫を合併している子がけっこう多い。
ぼくは大学に在籍中、日本中の小児肝がんのデータをとりまとめていましたので、もしかしたら、間接的に知っている子も混じっているかもしれません。

最後にもう一度、Wさんご夫婦とお話しました。
このTeam18が社会に向かって訴えたいことは何ですか? と質問してみました。
Wさんはうーんと唸って数秒考えました。
ぼくはこういう姿が良いと思ってしまいます。
声高に自分たちの主義主張を掲げるのではなく、心根が柔らかいのですね。
Wさんの答えはこうでした。

自分の子どもがどんな難病でも、親からしたら可愛いんです。
それを知って欲しい。
珍しい難病かもしれないけれど、こうやって仲間がたくさんいる、それを知って欲しい。

気持ちの良い訴えだと思いました。
ぼくもそう思いますよ。
自分の子どもが難病であろうが健常であろうが、ある意味関係ないんですね。
難病であるがゆえに、差別されたり、苛められたり、精神的にも経済的にも苦労したり、そういった辛さがあることは、ぼくだって知っています。
そういったご家庭をたくさん見ていますからね。
だから「健常者の家族に分かってたまるか」という批判があることも知っています。

だけどね、まったく肉体的に健常でも不幸のどん底にいて、自分の子どもを虐待して死に至らしめてしまう家庭だってあるんです。

どう生きるかは、その家庭が決めることなんですね。
幸福に生きるか、不幸に生きるかは、自分が決めることなんです。

だから13/18トリソミーの子どもは可哀想な子どもではありません。
「可愛い我が子」です。
この真理は、人類が連綿と持ち続けてきたものだとぼくは信じています。