アクセスカウンター
アクセスカウンター

「町の忘れもの」 (ちくま新書)なぎら 健壱2012年10月31日 19時33分42秒

町の忘れもの (ちくま新書)
なぎら健壱さんと言えば、ぼくが少年の頃に「悲惨な闘い」という曲が放送禁止になったことを強烈に憶えています。
あれは確か、NHKからクレームが付いたんじゃないかな。

今はフォーク歌手というよりも、「下町評論家」といった風情ですね。
その、なぎらさんが書いた一冊。
写真と共に、東京から消えつつあるものを記していきます。

わずか40年くらいで日本の文化は大きく変貌したと思いますが、もっとも変わったのは、なぎらさんが指摘するように「キャッチボール」ではないでしょうか?

ぼくが幼少の頃は、家の前の道路とかで普通にキャッチボールをしていました。
ええ、その結果、ボールがそれて、他人様の窓ガラスを割ったり、植木鉢を割ったり。
もちろん謝りますが、そういったことに世間は寛容でした。
今の時代だったら警察沙汰になるかもしれません。

近所にね、「原っぱ」というか「空き地」があって、みんなで草野球をしたものです。
今から考えると、あの土地は誰のものだったのでしょうか?

この本で、なぎらさんは自分を「あたし」と表現します。
これは江戸弁ですね。
関西の人はけっこう自分のことを「ぼく」って言うんですよね。
高い年齢の人が。

ともあれ、楽しく読ませて頂きました。
良い本です。