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「本多勝一の日本論―ロシア、アメリカとの関係を問う」(新日本出版社)2012年04月12日 21時54分28秒

本多勝一の日本論―ロシア、アメリカとの関係を問う
本多さんの最新著作です。
80歳を過ぎても元気に筆を振るう本多さん。
立派ですよね。
ぼくなんか、60を過ぎたら、まともなブログは書けなくなるのではないでしょうか?
才能が違い過ぎてとても真似できませんが、ぼくも死ぬまで細々とでいいから書き続けたいものです。

「わたしが出会った殺人者たち」(新潮社)佐木 隆三2012年04月13日 22時34分12秒

わたしが出会った殺人者たち
殺人者の記録を読むと、私たちとは全然別の人種、別の世界の話と感じる一方で、人間の本当の姿の一端も垣間見えたりします。

いえ、何も私たちの心の中に殺人者と共通する心理があると言っている訳ではありません。
人間とは理知的な生き物であっても、一面では結局は動物に過ぎないということも知らされて、合理的には作られていないことが分かります。

そしてその鬼畜のような殺人者の心の中にも悔いる心があったりして、本当に人間とは謎に満ちていると思います。

この本では18人の殺人者が登場しますが、佐木さんは18人を描くと同時に自分を描いていますので、加賀乙彦さんの「死刑囚の記録」のようには殺人者の姿には肉薄していません。
読み始めた時は、殺人者を見続ける佐木さんの人生に興味があったのですが、しだいに殺人者に惹き付けられてしまいました。
ま、それは当然かもしれません。
生き物としての濃さが違いますからね。

人間の濃さをたっぷりと見せつけられた一冊でした。

「オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ」森 達也(角川書店)2012年04月14日 22時39分01秒

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ
「職業欄はエスパー」の続編のような作品です。
森さんの文章は気持ちの良いリズムがあるので、すぐに読んでしまいます。
本の最後の方で、メンタリストという言葉を初めて聞きました。
YouTubeにはこんな画像があります。
http://www.youtube.com/watch?v=y51vX1rhwN8

こんな画像も。
http://www.youtube.com/watch?v=8iUefMbdr9I

でもね、これは超能力ではないそうです。
うーん、じゃあ、なんなんだ。
ぼくは頭が固くてよく分かりません。

とにかく面白い一冊でした。

「仁義なき日本沈没: 東宝VS.東映の戦後サバイバル」 (新潮新書) 春日 太一2012年04月15日 23時14分04秒

仁義なき日本沈没
今日、読んだ本はこれ。
前著の「天才 勝新太郎」が面白かったので。

だけど今回は、人間が主役ではなかったのでだいぶ趣の違う仕上がりになっていました。
ノンフィクションではありますが、解説本という感じでしょう。
もっとも「新書」というのは本来、何かの教養を伝えるためにある訳ですから、これは普通の姿です。

映画好きな人には楽しい一冊です。

なお、「綺羅星のごとく」=「きらぼしのごとく」という誤用が2カ所にありました。
もちろんこれは、「きら、ほしのごとく」が正解です。

自転車を始めて2012年04月16日 21時18分18秒

そろそろ1年が近付いてきました。
当初は、歩いて10分の近所の理髪店まで自転車を漕げればいいなと思っていました。
ところが実際に乗ってみると、初日5km走ることができ、その後どんどん距離が伸びていきました。

ミニベロにはすぐに限界を感じてクロスバイクへ。
後輩がロードランナーを始めたのに刺激されて、ぼくもロードへ。
家内はぼくよりも上達が目覚ましく、坂ではぼくを追い抜いていく始末。

そこで真面目に減量に取り組みだしたのが、昨年の12月。
まだ4カ月しか経っていませんが、体重は見る見る間に減っていきました。
1年前と比べるとぼくの体重は12kgほど減っています。
一番痩せたのは、胴回りと足です。
従って、以前に穿いていたスーツはすべて着用できなくなりました。

礼服なんて数万円もしたのに、身につけたのは、K嬢の披露宴と後輩山ちゃんの披露宴の2回のみ。
すべて廃棄することになります。

さて、1年間の集大成というわけではありませんが、今週の週末は南房総にサイクリングに出かけます。
千葉大の後輩や、東大の先輩のドクターたちと一緒ですから何とも心強い。
もちろん一番大事なことは「安全走行」。
こんなことは走っている本人が一番良く分かっています。

走ることも楽しみですが、一泊の宿でどんな夜を過ごすのか、修学旅行を前にしたように今から楽しみです。
お願いだから晴れて欲しいです。

水曜日は頭痛の日2012年04月17日 22時04分36秒

明日は休診日、で、大学へ行って診療をおこなってきます。

大学病院へ行く日はかなり高い確率で頭痛がおきます。
ぼくにとって大学での診療は頭痛の種?

いえ、その逆なんですよ。
ぼくの頭痛は「偏頭痛」というヤツで、原因はセロトニンという物質が脳内の血管を収縮させることにあります。
そしてこのセロトニンはストレスから解放されると分泌が高まるのです。
だから通常、偏頭痛というのは週末に発生します。

分かりやすく言えば、大学病院に行くと、ほっとするために頭痛が起きるのですね。
考えてみれば、それは当たり前。
19年間いた場所ですからね。
今のクリニックはまだ6年。その3倍です。
大学へ行けば今でも自宅へ戻ったような気分になります。

それでもって頭痛が起きるのだから何とも間の抜けた話です。
しかし、この偏頭痛はいつもけっこう激しくて、水曜日にはマクサルトを飲むことが多い。
この薬は偏頭痛の特効薬で、本当にたちまち頭痛が消えていきます。
明日も薬の世話になるかもしれません。

水曜日に頭痛が起きなくなったら、その時はもう大学病院での診療をやめた方が良いでしょうね。

「さいごの色街 飛田」(筑摩書房)井上 理津子2012年04月18日 22時22分28秒

さいごの色街 飛田
大変面白くてすぐに読んでしまいました。
飛田というのは大阪にある地名。
昔の遊郭が今も残っている所と言えばいいのでしょうか。
もちろん、非合法ですし犯罪行為ですが、警察は、より大きな悪を摘発するために、この地域には積極的に介入していません。

「お店」の大きく開いた玄関に「女の子」が座り、素顔を晒しています。
ぼくはこの光景の描写を読んで、アムステルダムで見た「飾り窓」を思い出してしまいました。
あの時は、この世にこういう光景があり得るのかと呆然としましたが、現代の日本にもあるのですね。

さて、本書は、井上理津子さんの12年の取材がだいたい時系列に書かれています。
なぜこの本を書いたか、その辺の説明があまり詳しくないのですが、要は好奇心ということのようです。
ぼくは、好奇心で取材をするというのは全然悪いことでも、価値の低いことでもないと思います。
人間には「ものを知りたい」という根源的な欲求がありますから、それを求めるのはジャーナリストやライターとしては至極まっとうな動機だと思います。

ですが、この街は取材できない街でもあります。
前半は話が、ある意味まどろっこしくて、そこが却ってリアルです。
取材できないから、取材してやろうとしているのかな、などと井上さんの執筆動機を深読みしてしまったりもしました。

中盤の「解説」は、文献で調べた飛田の歴史。

終盤になると井上さんも飛田にたくさんの知己を得て(取材開始から12年ですものね)、得られる情報が一気に増えます。

クライマックスは、ここで働く「女の子」の肉声でしょう。
彼女たちは、親から教育を受けず、男に騙され、捨てられ、借金を背負い、子どもを抱え、身も心も貧困状態で飛田に辿り着きます。
こういった悲惨な状況を、戦前の日本と変わらないと考える人もいるでしょう。
だけどちょっと違うかなとぼくは思います。
「サンダカン八番娼館」のおさきさんは、まったく彼女自身に落ち度はなく、原始的な資本主義の貧困の中で体を売り飛ばされたのに対して、飛田の女娼たちには、同情はするものの自己の責任も「少しは」あるかなと思えるのです。
現在でも日本の資本主義社会は多くの矛盾を抱えていますが、自助努力の部分で相当は這い上がれると思うのです。
ま、最終的には弱い女性が搾取される構造は、昔も今も同じなのですが。

すべての皆さんにお勧め、、、という本ではありませんが、ノンフィクションとして完成度の高い作品だと思います。

追記)本書に対して、井上さんが取材対象者にウソをつきながら発言を引き出していることに批判的な意見もあることを知りました。
全然OKだと思いますよ。
どこが悪いのか? プロのライターの仕事とはこういうことを言うのだと思います。

南房総サイクリング20122012年04月22日 16時34分22秒

南房総サイクリング・ルート
後輩(と言っても現在は友人)のドクター二人と、ぼくで、館山から江見までおよそ60kmを走って来ました。

動画は編集して以下の通り。

http://www.youtube.com/watch?v=UcyZCijRZVs&feature=youtu.be


BGMはボブ・ディラン。

房総サイクリング顛末記2012年04月23日 21時59分42秒

JR館山駅に集合。
ぼくと山ちゃんは自家用車。
菱ちゃんは「輪行」で特急に乗ってやってきました。
軽やかに出発。先頭は菱ちゃんで、ぼくは最後尾。
平均時速、アンダー20km/hで行ってくれとお願いしました。
海岸線に沿って順調に走って行きます。
ですが、常に海が見えている訳ではありません。切れ切れに見えるだけですが、あいにく天気は曇天なので、青い太平洋という感じではありません。
20kmを走ってランチ。
まるで民家のような木造のお蕎麦屋さんを発見。
ぼくは「二色そば」というのを注文しました。
「信州」と「北海道」の二種だそうです。
お世辞抜きで大変美味しく頂きましたが、量が少ないことが若干気になりました。
ぼくは自転車を始めて1年になろうとしているのに、いまだにカロリーの充填方法の失敗をくり返しています。
食後、勇躍、走り出します。
ですが、30kmで力が入らなくなりつつあります。
道の駅で休憩して、二度目のランチ。
ワッフルとオレンジジュースを口にします。
その後はワッフル・パワーで快調だったのですが、40kmでやはり「弾切れ」。
この辺から強風が(ほぼ)正面から吹き付けられて、ぼくはノロノロ運転になります。
山ちゃんと菱ちゃんは逞しく先を走っていきます。
50km地点で休憩。
アミノ・バイタルを食し、カロリーを補充します。
ゴールまであと10km。二人には宿で待っていてもらいましょう。
ぼくは、お尻は痛いわ、膝の裏は痛いわ、アキレス腱は痛いわ、風に吹かれるわで、まるで苦行僧です。
ようやく江見に到着しました。平均時速は19.9km/hでした。

早速3人で露天風呂。
なんという「非日常」。これが良いんですね。
その後に夕食。
宿の食堂は、50トンの木製さんま漁船をそのまま使った造りだそうです。
刺身の盛り合わせは豪華絢爛。
生ビールを痛飲して、冷酒をしみじみと飲みました。

さて、部屋に戻るとすでに布団が敷かれています。
こうなると完全に修学旅行モードですね。
さあ、何の話をしようって、あれ? 山ちゃん、もう寝ているじゃないか。
菱ちゃんと、小児がんの話をしつつ、うーん、やっぱり仕事を完全に忘れることは不可能なのかと自分の頭を呪いつつ、23時過ぎには布団に入りました。
その間、iPhoneでFBを見ると、たくさんの人から応援のコメントや「いいね!」をもらい元気百倍になりました。

さて翌朝の朝食も実にうまい。
カロリー不足にならないように、ご飯を腹一杯に食べました。
ですが、この日は館山まで一直線に20kmしか走る予定はありません。
天気予報で午後から雨だからです。
やはり飯はパワーが出ます。
前日に増して、お尻や膝が痛いのですが、足は結構よく回るし、ハンドルを引きつける腕力もあります。
1回だけ小休憩を挟んで、たちまち館山駅に到着しました。
自転車を車に積んで帰路につくと、すぐにフロントガラスを雨滴が打ちます。
やはり急いで館山に辿り着いて正解でした。

昨年、自分一人で九十九里まで往復70kmを走った時は、今回のように「弾切れ」にはなりませんでした。
あの時は、出発前と、九十九里海岸で「塩お握り」を頬張ったんですよね。
今回は減量に失敗したへっぽこボクサーのようでした。
食事管理は本当に難しいです。
ん? ぼくがアホなだけかな?

ですが後輩(と書きましたが、ぼくは友人と思っている)二人と一緒にサイクリングの旅に出かけられたのは、本当に嬉しい。
ぼくの残りの人生で、あと何回こういうことができるか分かりませんが、みんなに迷惑をかけない間は、またロングライドに挑戦したいです。
次は反省点を生かして、もっと良い走りをしたいな。

房総サイクリング後始末記2012年04月24日 21時40分12秒

オレは苦行僧か! と思うくらいに肉体的には辛かった房総サイクリング。
しかし、その後、筋肉痛などは一切ないのはどういうことでしょうか?
限界まで頑張らなかったのかな?

学生時代、ラグビーの夏合宿などでは階段を這って上がっていましたけどね。

ただ、お尻が痛い。
もっと分かりやすく言えば、擦りむけてしまっている。
それから、サイクリングの後で、不眠が甚だしい。これは疲れているときの、ぼくの特徴です。

さて、無事にサイクリングが終わったとは言え、忸怩たるものが残ったことも事実です。
体調を整えて(お尻を治して)、また出かけたいですね。

現在考えているのは、茂原を起点にして40kmくらいを走ることです。
田舎道をマイペースで。
水曜日の休診日などは絶好のサイクリング日和になる可能性があります。
ただ、この方面の土地鑑がぼくにはまったくないので、現在、走行ルートを研究中です。
今日は本当に青空が広がっていて、良い天気でしたよね。
こういう空を見るとワクワクします。
あ、ちなみに明日25日(水)は午前中だけクリニックは開いています。
体調の悪いお子さんはどうぞ受診してください。