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アグネス・チャンの話は不要である2011年06月24日 20時15分43秒

来月下旬に日本小児外科学会総会が迫っています。
日本全国にいる小児外科医2500人のうち、ま、何人来るか分かりませんが、1年間の研究の成果を発表する極めて重要な学会です。

この学会の2日目にはアグネス・チャンさんの講演が予定されています。
こういう企画はまったくナンセンスの極みだと思います。

なぜ、日本中の小児外科医が一つの会場に集結してアグネス・チャンの話を聞かなければならないのでしょうか?
彼女がどれだけ立派な人か、ぼくは知りません。
ですが、彼女が立派であろうが、なかろうが、それは学会とは関係有りません。
また、彼女が限りなく立派な人であっても、世の中には立派な人など、いくらでもいます。

ぼくが問題にしているのはそういうことではありません。
日本小児外科学会は、長い議論の末に、学会員の一人一人の発表を大事にするため、一般演題を重視すること、会長の権限が強すぎないように、理事会の考え方も総会に取り入れることに決めたはずです。

その結果、平成14年に順天堂大学の宮野先生が総会を主催した時は、特別講演は一切無し、シンポジウムなし、ワークショップなし、パネルディスカッションなし、という形式になりました。
会員一人一人の発表を極めて大事にした訳です。

ところが時が経つにつれてこのスタイルはなし崩しになり、では、あの時の理事会の合意は一体何だったのかと思います。

そもそも、講演という形式は人が知識を吸収するには悪い意味でイージーだと思います。
テレビ番組と読書を比較した場合を考えてみれば分かると思います。
講演をする側だって同じことです。
何かを伝えようと思って本を書くとすれば、1年間くらいはあっと言う間に経ちます。
文字の重みとはそれくらい強いものです。
だが、講演となると、準備にその1/10もあれば十分でしょう。
当然、中身は軽くなります。

要するに、日本小児外科学会の会員で、アグネス・チャンの話に興味がある人は、彼女の著作を読めばいいだけの話。
そんな時間があれば、会員の口頭発表の演題数を少しでも多くした方が良いと思います。

各演題の抄録だけを読んで、今年は学会に参加しません。

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