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難治性の軽症!?2006年05月30日 21時05分49秒

小児外来は「感染症とアレルギーと外傷」と何度か書いてきましたが、最近は「外傷」が少なくなって来て、僕の仕事は純粋な小児科医になりつつあります。今日も、千葉市立青葉病院小児科・石川先生、千葉大病院小児科・石和田先生に助けていただきました。患者さんの病状は個人情報に関わるので書けませんが、一件は赤ちゃんの入院をお願いして、もう一件は薬物療法の安全性と適応について意見を求めました。
これは患者さんのためにも良いことですが、僕たちのクリニックの医療が唯我独尊に陥らないためにも良いことと思います。もともと千葉大小児外科の僕たちはお互いの医療行為を相互に徹底的に批判しあうという、一歩間違えると喧嘩になるような、客観的な医療を行うという伝統があります。このスタイルは開業してもできるだけ崩したくありません。専門家に対しては謙虚に意見を求めて、僕の考えたことを評価してもらうことは今後も大事なことだと思います。
開院前にスタッフを前にして「大多数の患者さんは軽症、一部に難しい症例がまぎれていて、それをいかに見いだすか、それを治療するか搬送するかの判断がクリニックの使命」と述べました。しかし、3週間やってみて、その軽症がこんなにも難しいとは思いませんでした。
大学病院にいたころは感冒の子どもに1週間分の風邪薬を出しておしまいでした。その後、その子は治ったと思っていました。しかし、こうやってクリニックで外来をやってみると、、、違うんですね。そんなに簡単には治らないんですね。言ってみれば、「難治性の軽症」なんです。で、おまけにその治療が気に入らなければ、ママたちはすぐにクリニックを替えます。ママたちにとって一番大事なのは、「説明と納得」です。たとえ鼻風邪でも短期的な展望と長期的な展望を伝えなければママたちを納得させることはできません。
先日、このブログで1日に診れる患者さんは60人くらいまでと弱音を吐いたら、顧問の税理士さんから、60人を越えれば、その分、患者さんのポイントだけが的確に見えるようになると諭されました。もし、その境地に到達できれば、僕も真の外来小児科医の仲間入りですね。実は今日、若いママから「うちの子はなんでこんなに風邪をひくんでしょうか?」と聞かれて立ち往生してしまいました。寓話的な話しをすればいいのか、科学的な話しをすればいいのかそれすら判断ができませんでした。うーーん、「全知全能」にはほど遠いかあ。まだまだです。