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勤務医のための開業入門その22006年05月15日 20時51分58秒

僕のクリニックの電子カルテは富士通エヌコムです。画面の見やすさ、カスタマイズの良さ、スタッフのフォローの良さ、それにプラスして僕のクリニックのLANを構築してくれるなど、文句なしです。そんな電子カルテですが、今日はちょっと考えさせられることがありました。
多分これは、富士通さんだけの問題ではないことを断ったうえで、考えてみたいと思います。
僕が事務スタッフの求人広告を出した時、「要、簡単なPC操作」としました。しかし、本音は「要、複雑なPC操作」でした。最近になってこの思いは益々強くなっています。でも、PCに詳しければ電子カルテ、レセプト・コンピューター(レセコン)は使いこなせるのでしょうか?
多分、答えはNoです。Windows OSとOfficeに熟練していてもレセコンが完璧に動かせる訳ではありません。正しい操作をしている時は問題がないのですが、一度、迷路に迷い込むと復旧が至難の業なのです。今日、僕たちが迷い込んだ迷路は、患者さんたちには一切、ご迷惑をおかけすることはありませんでした。うちの事務スタッフたちが臨機応変に対応したからです。しかし、診療終了後、これを修正しようとすると、自分たちの知識ではまったく歯が立ちませんでした。Windows OSやMac OSなら直感的に操作できるのですが、電子カルテではそれが出来ないのです。
その理由は、どこのメーカーであれ、電子カルテはPC、つまりパーソナル・コンピューターのレベルを越えてしまっていること、そして、それと裏腹に、ユーザー・インターフェースにあまり力を注いでいないからではないでしょうか?
うちの若くて明るくて美人ぞろい、あ、これは関係ない、、、のスタッフたちはめきめきと力を付けていますが、これは富士通の電子カルテの力を付けているのであって、他のメーカーの機械となれば、また話しは別なんだろうと思います。
PCを触る人間には2通りあって、ひとつは、何か余分な操作をすると壊れてしまうのではないかと手が出ないタイプ。もうひとつは、すべてのメニューをいじってみないと気が済まないタイプです。もちろん、PCは何を触っても壊れる事はありませんし、後者のタイプの人はどんどん上達して行きます。しかし、今日のような迷路から出られない事を経験してしまうと、前者の感覚になりはしないかと心配します。
では答えはどこにあるのでしょうか?それは多分、電子カルテ・メーカーさんの宿題なんでしょう。まだまだ歴史の浅い業種ですからね。ただ、歴史が浅いという事はチャンスでもあります。何事にも揺籃期には、ジャイアント・ステップがあったりします。各メーカーさんは、「手持ちの道具」で電子カルテとレセコンを構築するのではなくて、新しい道具を開発する事を考えるべきだと思います。群雄割拠の電子カルテ業界ですが、システムの安定性だけではなくて、ここらあたりの克服をなし得たメーカーが勝ち残るのではないでしょうか?老舗かベンチャーか、それは誰にも分かりません。
あ、ちなみに僕は富士通さんで良かったと思っています。越部先生、おすすめですよ〜!