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海に向かって小石を投げる2014年09月06日 00時01分01秒

昨年末に上梓した「運命の子 トリソミー」は、在庫がほぼ無い状況で、入手が難しくなってきています。
ネット書店の中では、Amazonに在庫があるようです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4093965277
ま、そんな訳で増刷が決まりました。
再来週くらいからは、また流通し始めるのかなと勝手に想像しています。

講談社のモットーは「おもしろくて、ためになる」ですが、残念ながら僕には「おもしろい」本を書く才能がありません。
いえ、これは「いじけて」言っているのではなく、ぼくのプライドでもあるんです。

ぼくの弟は「運命の子」を読んで、「兄貴はパンドラの筺を開けたな」と言っていました。
「障害児の受容」とか、「障害胎児の命の選別」は、誰もが気にはしているけど、(専門誌は別として)普通の作家は踏み込まない領域だと感想を述べていました。
本の出来は大賞に相応しいと誉めてくれましたが、同時にこれはあまり売れない本だとも指摘されました。

まあ、妥当な意見でしょう。

こういう本しか書けないのだから、これからも(もし機会があれば)僕はこういう本を書くのでしょう。
そしてその本は、小学館や講談社といった大手からは出ないような気がします。
専門誌を出版するような、ある領域に特化した会社といつかご縁ができて、書かせてもらうことができるのでは?・・・いや、できて欲しいと願っています。

一流の大手出版社は初版が5000部とかですから(新書は10000部)、よっぽど「おもしろく」ないと企画として成立しないのです。

だけど「どこかで誰かは必ず見てくれている。」

これはぼくの恩師の言葉です。
何万部も売れない本ですが、誰かがこれを読んで意識を変えてくれると僕は信じたいのですね。

そして実際、講師の依頼がいくつも来ています。
これは講談社から「小児がん・三部作」を書いた時には無かったことです。

8月3日には「市民公開フォーラム」で講演をしてきたことはここで書きました。

9月13日は、東京・湯島に行きます。
小さなグループで、「障害児の受容」について語り合います。
http://cws-osamu.cocolog-nifty.com/cws_private/2014/08/post-dc8c.html
僕は問題提起者として45分くらい喋ります。

10月5日は、宮崎。自立障害者たちの会。
http://www.h6.dion.ne.jp/~yahdo/
勉強会の講師として「出生前診断の生命倫理」に関して60分くらい話をします。
聴衆は100人くらいと聞きました。
病気をしてから初めて飛行機に乗りますので、脳外科の主治医の先生と十分に打ち合わせをしました。

11月1日は、兵庫県・淡路島で小児外科学会・秋季シンポジウム。
「障害胎児の選択的人工妊娠中絶」について問題提起をしようと思っています。

11月23日は、東京・練馬で「生命倫理カフェ」。
ここでは、上に書いたことの集大成をしようと思います。
この会は、参加費が500円かかりますが(学生は無料)、誰でも参加できます。
定員は100人くらいだと思います。
http://lifecafe.jimdo.com
近くなったらまたインフォームしますが、こんな僕の話でよければ、興味のある人は聞きにきてください。

なお、2015年の10月には、広島市で特別講演をすることが決まっています。

こうした一連のイベントは、言ってみれば、海に向かって小石を投げるようなものです。
世の中には何の影響も与えないでしょう。
だけど小さなさざ波は起こすことができるかもしれない。
それで良いと僕は思う訳です。

誰か一人の生き方を変えることができれば、本望だ。

実は、お断りした「講演の依頼」もありました。
それはやはり僕の体調・健康が理由です。スケジュールがちょっとタイトだったのです。
「講演の依頼」をして頂いた学会の会長さんには本当に申し訳ない気持ちで一杯です。
だけど、とにかく無理はしないで、前後にしっかりと時間の余裕を設けて講演に出かける予定です。

宮崎の講演も、講師として行くというよりも、自立障害者の人たちと一緒に酒を飲むことを楽しみに、、、そんな感じで行ってこようと思います。

パワーポイントでスライドも数百枚、作成しました。
これからブラッシュアップしていきます。
講演の成果は、また皆さんに報告しますね。

「自立生活運動史―社会変革の戦略と戦術」中西 正司2014年09月06日 19時34分40秒

自立生活運動史
勉強になりました。
大事なことがたくさん書かれています。

障害者自立支援法に関しては、中西さんたちが勝ち取った部分の記載が中心でしたが、本の趣旨がそういうものだからでしょう。

しかしそれとは別に、この法律によってどれだけたくさんの障害者たちが苦しめられたのか、あるいは苦しんでいるのか、そこの部分を誰かがしっかりと書かないといけないように思えます。

重度の障害者からカネをむしり取る法案を自民党と公明党が通したこと、そしてこの法律を廃止するとマニフェストに掲げて政権をとった民主党が、(名前を変えただけで)事実上、法律をそのままにしたことを、私たちは十分に知ったほうがいいと思います。

とても残念な気持ち2014年09月06日 22時12分14秒

書名はあげませんが、ある闘病記を読んでいました。

医療に対する批判はいくらでもあっていいと思うのですが、単なる自分の「都合」で、医療側との信頼関係を壊そうとする患者家族の姿勢は、ぼくにはどうしても理解できません。
家族(保護者)と医療側の関係が悪くなれば、病児に悪影響が及びかねません。

どんな親であろうと、医者は最善の努力を尽くします。
だけど、言いがかりのようなことを言ってくる家族に対して、100%の力は出しても、150%の力を出す医者はあまりいないと思います。

この本は一流の出版社から出ているのに、なぜ、編集者はそこにチェックを入れないのでしょうか?
ものすごく期待しながら読み始めただけに、大変残念です。