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「ゆめいらんかね」を読む2014年09月14日 20時56分10秒

読了しました。
僕にはテレビを観るという習慣がないため、「やしきたかじん」さんという方は、名前しか知りません。
ですがさすがに角岡伸彦さんの筆にかかると人物像がきりりと浮かび上がります。
生前のやしきさんを、ぜひ観たかったなとちょっと惜しい気になりました。

それにしてもやはり角岡さんは、優れた作家です。
文章も良いし、構成力も素晴らしい。
僕は読みながら、どういう資料からどういう風に組み立ててこの文章が書けるのだろうかと、文筆作業の舞台裏に興味が向いてしまいました。

ノンフィクションはたった一行書くために、関係者に接触して、アポを取って、面談して、会話を録音(メモ)して、それを文章にしてと、実に手間がかかります。
読者の皆さんには何の関係もないことだと思いますが、そういう一行を書くために作家はものすごい努力が必要な訳です。

全体が270ページの本でも、その一行があるかないかで、本の内容の厚みがまるで変わります。
そういう作業をとても丁寧にやっている作品と言えるでしょう。

やしきさんが亡くなって、小学館NF賞の締め切りまでわずか3カ月ちょっと。
受賞が決まって本を出版するまで、わずか1カ月ちょっと。
驚異的な仕事量とスピードです。

ぜひみなさんお読みくださいと言うまでもなく、現在、大ヒット中です。
Amazonで入手可能なようです。