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82年生まれ、キム・ジヨン (チョ・ナムジュ)2019年04月14日 08時59分20秒

82年生まれ、キム・ジヨン
現在ベストセラーの小説ですが、淡々とした展開であまりおもしろくありません。
しかし何となく独特な空気感があって、翻訳も良いのでしょうが、主人公の人生に吸い込まれていきます。
気付くと読むのが止まらなくなっており、要するにこれはおもしろい小説でした。

山あり谷ありの流れではないのですが、韓国社会で女性が普通に生きていくと、かくも辛いのだと言うことが、小説の枠をこえてノンフィクションのように迫ってきます。
日韓を比べるのはナンセンスかもしれませんが、ま、はっきり言って日本も大差無いでしょう。

韓国は儒教の国です。儒教は宗教ではないという考え方が一般的ですが、ぼくが以前に専門書を読んだときには、儒教の宗教性が書かれていました。
やはり韓国人の考え方や行動を儒教は強く縛っており、その結果、男尊女卑が当たり前のものとして定着しているのだなと感じました。

2018年はMe Too運動が盛んになりましたが、そういう運動に関われない人、声をあげられない人もたくさんいるでしょう。
事を荒立てるまではいかない、セクハラ・パワハラなどは掃いて捨てるほどあるのではないでしょうか?
考えてみれば、ぼくの大学病院時代の19年はパワハラの連続で、あれが今も続いていたら新入医局員は入ってこないでしょうね。
あの異常なまでの厳しい上下関係は、家父長主義制度・儒教的考え方の表れでしょう。
セクハラは見た経験はありませんでしたが。
(ただ、女性看護師が、研修医を苛めることはよくあった)

韓国がこれからどういう社会風土を作っていくのかぼくにはわかりませんが、日本でも東京医大問題が改まっていった過程にはメディアの力が関係しています。
こういうときに、やはり新聞という媒体は強いなと感じます。
昔は「第4権力」などといわれましたが、今でも社会的な役割を果たしていると思います。

20年後に続編が読みたいですね。キム・ジヨンの娘さんがどんな人生を歩むのか。

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