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世界一やさしい精神科の本 (河出文庫) 斎藤 環, 山登 敬之2019年04月01日 22時41分09秒

世界一やさしい精神科の本
これは大変面白い本でした。知らないことも多々あり、勉強にもなりました。
え? もっと難しい本を読め?
もちろん専門書はいつもたくさん読んでいます。ここのブログで書かないだけです。
斎藤環先生の著作もけっこう読んでいるのですが、やや専門性が高いのでこれまでレビューはまったく書いてきませんでした。
この本は「世界一やさしい」とうたっているように、実に分かりやすい。
専門家が分かりやすく書くってすごく難しいことなんですよ。
ある意味、物書きの理想ですよ。
「やさしい」からと言ってばかにしてはいけません。こういう本が優れた本なんです。

本書の中にも登場する統合失調症。
ぼくはもともとこの疾患(を治すこと)に興味があって医学部に行ったと言っても過言ではありません。
本書によれば、患者数も重症度も下がっているとか。
しかし当事者や家族が受ける苦しみが減っていないのは、何とも切ないですね。

ぼくは何人かの統合失調症の人を診た経験があります。いや、診たのではなく、見たのですね。
100人に1人の病気ですから、ぼくの受け持ち患者の保護者が、ある日、統合失調症になってしまうことがあるんです。
ぼくが見た患者さんはいずれも陰性症状を呈していて、本当に悲しそうな目をしていましたね。

ところで、斎藤環先生は1961年生まれとのことですから、ぼくと同級。
一緒の時期に筑波大学医学部を受験したかもしれません。
ぼくは、筑波大を落ちてしまって翌年、千葉大に合格したので、医者としてはぼくが1年後輩なのではないでしょうか?

「こころの時代」みたいなフレーズが使われてから、もう何十年も経っています。
しかし、人の「こころ」は一向に見えてきませんね。
生まれ変わったら精神科医になりたいと思ったこともありましたが、ぼくには難し過ぎてちょっと無理かもしれません。
やはり外科医なので、切って解決しようと思ってしまう性があるようです。

6刷りです! 『発達障害に生まれて』2019年04月03日 15時42分52秒

みなさまから温かいご支援を頂いている『発達障害に生まれて』ですが、出版から半年を過ぎたところで6刷りが決まりました!
https://www.amazon.co.jp/dp/4120051153
多くの方々に感謝、感謝です。本当にありがとうございました。

また、中央公論新社には韓国版のご依頼が来ています。
本書が海をわたるのは、大変うれしいです。これからも、ご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます!

いのちは輝く〜障害・病気と生きる子どもたち(最終回)2019年04月04日 10時28分24秒

今日が40回目。最終回です。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20190308-OYTET50018/
これまで1年半以上にわたって長期の連載を続けることができたのは、ひとえに読者のみなさまの後押しがあったからです。
とても大きな反響があり、電子メール、コメント、手紙、いろいろな声を寄せて頂きました。
ほぼ毎回Yahooに転載され、そのつど、アクセスランキングでトップになりました。
Yahooにもたくさんのコメントが付きました。

ヨミドクター編集部からは、看板のコラムの一つに育ったと誉めて頂きました。本当にありがたいお言葉です。
ヨミドクターに付いたコメントは軽く500を超えたと思います。ほとんどすべてに目を通しました。
中には、感情的・刹那的なものもありましたが、勉強になるものもありました。
特に障害者を家族に持つ人が、障害を非常に否定的に捉えていたケースでは、考えさせられることが多かったと言えます。
そうした例が多々あることは承知していますが、当事者から言われると説得力があります。
日本の福祉はまだまだ弱いなと感じました。

私の連載はこれをもって終了しますが、「後日編」として、編集部が来週、私のところへインタビューにお見えになります。
連載を総括するインタビューになりそうです。
この40回の連載は、できれば書籍化したいと考えています。

ヨミドクターの読者のみなさまとはこれでいったんお別れになりますが、またいつかお会いしたいと思います。
これまで本当にどうもありがとうございました。

親知らず顛末記2019年04月05日 18時10分22秒

みなさんの「弱点」は何ですか?
ぼくの場合は、「歯科治療」です。
虫歯で歯を削る、あの治療はぼくにとって拷問です。
ぼくの場合、咽頭反射も強いので、長く口を開けていることも辛い。で、痛みに弱い。で、あのキーンという音が苦手。
そんなぼくでも安心してかかれる歯科医院が、うちのクリニックの近所にあります。
先生がメッチャ優しいんですよね。K先生と言います。

昨年12月に奥歯に痛みが出ました。鏡でよく見ると、歯の一部が顔を出している。
これって親知らず?
とにかく痛いので、K先生に診てもらいました。
X線を撮ってみると、親知らずが真横に向かって生えています。
これは、素人のぼくでもさすがにまずいと思いました。
先端が、隣の臼歯に接しているので(つまりT字型になっている)、深部に死腔ができるため、そこから虫歯になる可能性が極めて高いそうです。
歯科医が10人診れば、9人は「抜きましょう」と言うと先生は説明してくれました。

取り敢えず、炎症を抑える治療をして、抜歯はみつわ台総合病院でやるのがいいと、紹介状を書いてもらいました。
どんな先生なんだろう? 怖かったらどうしよう?
そんな思いを胸に、昨年末にみつわ台総合病院の歯科口腔外科を受診しました。
対応してくれた先生は、E医師。とても物腰の柔らかい先生です。
ああ、この先生なら大丈夫と直感しました。
抜歯の日取りは、3月29日(金)にしました。この時期なら、もうインフルエンザの患者さんが減っており、みなさんに迷惑をかけないと考えたからです。
そして、抜歯の後の痛みを考えて、30日(土)は休診と決めました。
抜歯に当たっては、点滴を入れて鎮静剤を併用することにしました。
と言うのは、ぼくには持病の脳動脈瘤がありますから、痛みで血圧が上がるのは、ちょっとリスキーだからです。

いよいよ当日。
点滴を取って、注射を打ちます。
薬の名前の説明はありませんでしたが、おそらく、ソセゴンとアタPでしょう。
この二つは、鎮静作用と鎮痛作用があります。そして多幸感を伴うんですよね。
ソセゴンというのは、ま、言ってみれば麻薬のようなものです。
で、処置が始まったのですが、何か、ボーッとしてしまって現実感が無い。
ああ、これはドルミカムも使っているのだと分かりました。
これは麻酔薬です。
(もしかしたら、ドルミカムだけを使ったのかもしれない)
眠りはしませんでしたが、歯の処置がどこか遠くで行われているようでした。やがて終了。
車椅子に乗せられて、処置室のベッドに寝かされます。
こうなるともう眠くて眠くてしかたありません。
何度か眠りに落ちて目を覚ますのくり返しです。

結局、1時間半くらいベッドで休んでいました。その間、家内がベッドサイドにいてくれました。
しかしこの眠気にはキリがありませんので、帰宅を決意。
先生にお礼を言って、家内の車で帰宅しました。

夕食はなんとか食べましたが、とにかく眠い。
夜8時には寝てしまいました。

翌朝、起きたのは、9時。13時間眠っていたことになります。
で、昼寝を2回。ドルミカムが抜けたのは、24時間後くらいでした。
その後の1週間。抜糸後の痛みはあまりなくて、ロキソニンを飲んだのは、3回だけ。

そして本日、抜糸に行ってきました。歯科の世界では、抜糸のことを「ばついと」と言います。抜歯と区別しているのですね。重箱読みです。
糸が歯肉にくい込んでいたらしく、先生はちょっと苦労していましたが、抜糸も無事に終了。
K先生とE先生のコンビネーションで、痛い思いをほとんどすることなく、親知らずとバイバイできました。
ああ、よかった。

PV数、2300万 !2019年04月08日 23時11分18秒

ヨミドクターに連載した『いのちは輝く』。
先週の木曜日に最終回を掲載して、今は少し脱力感を覚えています。
連載開始前に、ぼくは40回分の目次を作りました。
本を書くときも、こうした連載をするときも、一番重要なのは目次です。
目次が決まれば、中味は自然とついてきます。
しかしこの連載は、当初目次を完成させながらも、本当にこれでいいのかという疑問がありました。
そして連載を進める中で、目次を少しずつ改変していき、自分なりに納得できる形で終了することができました。
ぼくとしては、40回の連載が一つの作品と考えています。
この連載を書籍化したい理由もそこにあります。一話だけを読んで、この連載の「意味」を理解したつもりになって欲しくないという思いがあります。

さて、今日、編集部に40回の連載のPV(ページビュー)数を調べてもらいました。
その結果、総計で2300万以上だそうです。
信じられません! びっくり仰天です。
そんなにたくさんアクセスがあったのですね。
これだけ多くの人が読んでくれるのですから、文章ひとつ、いえ、単語ひとつも細心の注意を払って書かなければいけませんね。
連載が終わってから気付くなんて、ちょっと間の抜けた話ですが、2300万という数字を聞いて背筋が伸びる思いです。

書籍化が決まりましたら、またご報告しますね。
そうなるように、がんばります!

こんな家に住んできた 17人の越境者たち(稲泉 連)2019年04月09日 10時08分13秒

こんな家に住んできた 17人の越境者たち
こんな家に住んできた・・・を語り口に、17人の破格の人たちの半生を聞き取っていく作品です。

週刊文春に2014年から2016年までに連載された記事がもとになっているようですが、古いという感じはせず(亡くなった方もいますが)、生き生きとした文章を読むことができます。

家の履歴をキーワードにするという発想は大変面白いのですが、17人が余りにも人間的な魅力が強すぎて、家というものから少しフォーカスが移動してしまっているのも、また面白かったです。
ま、あまり家の話にこだわらず、この超人(稲泉さんは越境者と呼んでいる)たちの履歴書を楽しめばいいのだと思います。

とくに利根川先生はノーベル賞を取った直後とまったく変わっておらず、サイエンスに取り憑かれている様子が痛快でした。
家がテーマなのに、家に何の興味もない、サイエンスにしか興味が無いのですから。

語りがやっぱりすごいと思ったのは、石牟礼道子さんです。
短い文章なんですが、その中で石牟礼さんの世界を展開できるのはさすがだと思いました。
語りの名人ですよね。

そして稲泉さんの筆。彼は文章が(もちろんいい意味で)柔らかいんですよね。
読んでいて大変心地いい。こういう本は一気に読まないで、仕事の合間に少しずつ読むのがいいですね。
オススメの1冊です!

82年生まれ、キム・ジヨン (チョ・ナムジュ)2019年04月14日 08時59分20秒

82年生まれ、キム・ジヨン
現在ベストセラーの小説ですが、淡々とした展開であまりおもしろくありません。
しかし何となく独特な空気感があって、翻訳も良いのでしょうが、主人公の人生に吸い込まれていきます。
気付くと読むのが止まらなくなっており、要するにこれはおもしろい小説でした。

山あり谷ありの流れではないのですが、韓国社会で女性が普通に生きていくと、かくも辛いのだと言うことが、小説の枠をこえてノンフィクションのように迫ってきます。
日韓を比べるのはナンセンスかもしれませんが、ま、はっきり言って日本も大差無いでしょう。

韓国は儒教の国です。儒教は宗教ではないという考え方が一般的ですが、ぼくが以前に専門書を読んだときには、儒教の宗教性が書かれていました。
やはり韓国人の考え方や行動を儒教は強く縛っており、その結果、男尊女卑が当たり前のものとして定着しているのだなと感じました。

2018年はMe Too運動が盛んになりましたが、そういう運動に関われない人、声をあげられない人もたくさんいるでしょう。
事を荒立てるまではいかない、セクハラ・パワハラなどは掃いて捨てるほどあるのではないでしょうか?
考えてみれば、ぼくの大学病院時代の19年はパワハラの連続で、あれが今も続いていたら新入医局員は入ってこないでしょうね。
あの異常なまでの厳しい上下関係は、家父長主義制度・儒教的考え方の表れでしょう。
セクハラは見た経験はありませんでしたが。
(ただ、女性看護師が、研修医を苛めることはよくあった)

韓国がこれからどういう社会風土を作っていくのかぼくにはわかりませんが、日本でも東京医大問題が改まっていった過程にはメディアの力が関係しています。
こういうときに、やはり新聞という媒体は強いなと感じます。
昔は「第4権力」などといわれましたが、今でも社会的な役割を果たしていると思います。

20年後に続編が読みたいですね。キム・ジヨンの娘さんがどんな人生を歩むのか。

編集長、来る2019年04月14日 12時37分51秒

先週、ヨミドクターの編集長さんがクリニックにお見えになりました。
『いのちは輝く』の連載終了にあたって、これまでの記事を振り返るインタビューです。
やはりこういうインタビューを受けるのはぼくにとってとても大事なことで、聞かれるので一生懸命考えます。
すると分からなかったことが、分かっていったりするのです。

実は、活字になっていなくても、ぼくは時々、新聞社やテレビ局からインタビューを受けています。
インタビューする彼ら彼女らの参考になればと思って応じているのですが、答えている自分の方が勉強になったりします。

大学病院で働いていたときは、「ただ、ひたすら命をたすける」という思いしかありませんでしたが、『運命の子』をきっかけにして深く生命を巡る重みについて考えるようになり、自分の思索はそれなりに深まったような気がします。

さて、編集長さんによるインタビューは、あと、2〜3週したら、ヨミドクターに掲載されると思います。
上下2回に分けて登場する予定です。
ヨミドクターのPV数は、2306万と先日ここで書きました。
記事はYahoo! に配信されてそちらでも読まれます。編集部にYahoo! でのPV数を調べて頂いたところ、その数、8573万でした。
合計すると、1億879万となります。
これだけの人が、ぼくの原稿を見てくれたと思うと、感謝しかありません。
「編集長インタビュー」の掲載が決まったら、またご報告しますね。

遥かなる甲子園(山本おさむ)2019年04月14日 19時24分26秒

遥かなる甲子園(山本おさむ)
漫画全10巻を読みました。
先天性風疹症候群により、難聴として生まれて来た子どもたちが、野球で甲子園を目指す話です。
もう少し正確に言うと、高野連に加盟することに球児たちや大人たちが奮闘する物語です。
原作はノンフィクション。
それを山本さんが脚色したようです。

ろうの問題には、昔から関心があります。
耳が聞こえないというのは、人と人とのつながりが切れる障害です。その苦労は私たち健聴者にはとても理解できないでしょう。
ぼくの患者で、高度難聴の子がいます。いえ、もう20を超えましたから大人ですね。
この子のことは、拙著『命のダイアリー』で書いたのですが、今から考えると表現が全然十分ではなかったような気がします。
就職にあたっては、ぼくも企業に相談を持ちかけたりしました。
結局、自分の力で就職先を見つけたので、ぼくの出る幕ではなかった感じです。

ろう学校の中では、手話や指文字を使って生き生きと生活していたその子も、会社の中では意志の疎通がうまくいかず、毎日が辛い思いだそうです。
聞こえないと電話も取れませんから、仕事の上での困難は筆舌に尽くしがたいものがあるでしょう。
もちろん、この子はもうぼくのクリニックには通っていませんが、時々、お母さまとはメールで連絡を取り合って、本人の近況などを教えてもらっています。
ぼくにできる具体的な支援はほとんどありませんので、ぼくは親子の話を聞いて励まし続けています。これくらいしかできません。

山本おさむさんには、『どんぐりの家』という名作もあります。
あの作品にも泣かされましたが、本作も涙無しには読めませんでした。
義務教育に道徳なんて入れる必要はないから、手話を教えればいいのにと思います。
それから、風疹の流行はなかなか解決しませんね。
みんな人ごとと思っているのでしょうか?
対象の人は、有給休暇をとって抗体価をチェックして、必要な人はワクチンを打って下さいね。

メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書) 一色 清, 姜 尚中ほか2019年04月17日 17時44分16秒

メディアは誰のものか――「本と新聞の大学」講義録 (集英社新書) 一色 清, 姜 尚中ほか
これは大変いい本でした。
あまりベストセラーという感じではありませんが、こういう本こそ売れて欲しいですね。
メディアは誰のものか? 答えを言えば、私たちのものです。
それには理由が二つあって、一つは、メディアは権力者のものではない(はず・べき)ということ。もう一つは、ソーシャルメディアを使って私たちが情報を発信している時代になっているということです。
この本の中にはたくさんの論者が登場しますが、一色さんのジャーナリストとしての感覚に感銘を受けました。マスメディアに対してネットの世界から「マスゴミ」という悪罵があびせかけられることがあります。
一色さんはそうした言葉に感情的にならず、どうしてマスメディアが批判されるのかを冷静に分析しています。
その分析は、津田大介さんの分析にも共通しています。

ネット世論は、「非マイノリティ」の政治によって作られる。
非マイノリティとは、「普通の日本人」という多数派に属しながらも十分に満たされていないと感じている。
この人たちは、「在日コリアン」「障害者」「女性」といった「弱者」が何か権利を得ようとすると、自分たちは満たされていないのに、なぜこの連中はいい思いをするのだ!と腹を立てるわけです。
そしてマスメディアはそうした「弱者」の側に付きますから、非マイノリティから見れば、マスコミは敵なんです。つまりゴミですね。
一方、ネットメディアは(この世界は玉から石まで様々ですが)、言わば「本音」で主義主張をぶつけてくる。
すると、目からウロコが落ちたような錯覚に陥り、ここに真実があると思ってしまうのですね。

しかしこれはあくまでもネット世論の出来方を説明しているのであって、日本人がみんな新聞よりもネットニュースを信じているということではありません。
それは世論調査ではっきりと現れています。日本人が最も信頼しているのは、NHKと新聞です。
ヤフーニュースなどにつくコメントは、相当、日本人の一般的な意見と乖離しているように見えますが、彼らは彼女らは、ネトウヨというよりも、非マイノリティなんでしょうね。
右翼というほど、思想的に成熟している訳ではありません。

いずれにしてもこの本は、ジャーナリズムとはなにか? メディアとは何かを考え、思考を整理するのに大変すぐれた1冊です。
読売新聞の書評欄には絶対に載らないでしょう。
オススメの作品です。