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自宅で死ぬか病院で死ぬか2017年06月01日 00時54分59秒

自宅で死にたいという人が多いようです。
ぼくはそうは思わない。
病院はけっこう快適だし、家族に迷惑をかけることも余りない。
死ぬなら病院が良いとずっと思っていました。
その思いに拍車をかけたのが、自身の経験です。
40歳の時、ぼくは解離性脳動脈瘤でぶっ倒れて脳外科に入院しました。
その時のベッドがこの上なく心地よかったんです。
それまでは、それこそ過労死寸前まで働きに働いていましたから、昼間からフカフカのベッドで横になれるなんてまるで天国にいるようでした。
だから、病院とは心地良いという思いが染みついたんでしょう。

あれからおよそ15年。
ひたすら仕事をしていたぼくは家庭の中に帰ってきました。
家族はみんな、家の中にいることが好きで、あまり遠出もしないし旅行に行くことも好みません。
ぼくは家族とお笑い番組を観ることもあるし、何より現在は書斎があるため、自由にネットを眺め、音楽を聴きまくり、ソファでごろりとなって本を読むことができます。
つまりぼくも、家の中にいることが好きになってしまったのです。

ぼくが「治らない大病」をしたら、ある程度は病院で治療を受けたいけど、もう治癒が見込めなくなったら自宅に帰りたいな。
たとえば、がんに罹って、がん細胞が骨や肺に転移して治療法が無くなったら可能な限り自宅で緩和療法を受けたい。
実際そういうことを、ぼく自身が子どもたちにやってきたから。

ま、これが歳を取ったということかもしれませんが、考え方が変わってきましたね。
どんな人でもいつか必ず「不治の病」に冒されます。
それはいつなのかな? 55歳ではちょっと辛い。
子どもの成長も見たいし、社会人としての責任も全うしたい。
ただ、隠居生活に入っていたら、それはもうしかたがないことなので、運命を受け入れるしかないですね。
だけど今の考えとしては、もうちょっと生きていたいな。

6月5日(月)から診療します!2017年06月04日 13時24分14秒

ホームページ作成ソフトが故障しており、新しい画面・カレンダーを更新できません。
近日中に修理予定です。

6月1日から3日まで個人的な事情で休診にさせて頂きましたが、5日(月)から通常通りに診療します。
よろしくお願いします。

「閉じこめられた僕」の書評(週刊読書人)2017年06月05日 12時08分46秒

閉じこめられた僕
書評を書きました!

http://dokushojin.com/article.html?i=1380

ぜひ、ご覧下さい。

新著『呼吸器の子』、予約開始2017年06月05日 21時21分33秒

新著『呼吸器の子』、予約開始
先天性難病により2年の命とされた男の子。
人工呼吸器を付けて自宅に暮らし、彼は現在14歳になります。寝たきりで意識は乏しく、呼吸器の力で生きている子。
みなさんは、このご家族に対してどのような印象を持つでしょうか?
「介護疲れ?」「未来に展望はない?」「自宅で孤立?」
いえ、母親は「在宅の人工呼吸器の生活が楽しい」と言います。
それはなぜでしょうか?
いったいどうしたら、呼吸器を付けて寝たきりの子をケアしながら「楽しい」と言えるのでしょうか?
私は長い時間をかけて、この家族の言葉に耳を傾け、行動を共にさせて頂きました。そこで見た、最重症の障害児を取り巻く豊かな世界を本にしました。
タイトルは『呼吸器の子』。現代書館からの出版です。

発売は6月16日。
Amazonから予約できます。
http://amzn.asia/fSq1DNh

また、現代書館のホームページからも予約できます。
http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-3555-7.htm

これまでの私の著作の集大成です。ぜひ、お読み下さい。

ヨミドクター、連載25回目2017年06月12日 19時52分21秒

熱中症について書きました。

https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20170512-OYTET50012/

ぜひ、お読み下さい!

蠕動で渉れ、汚泥の川を(西村 賢太)2017年06月13日 10時24分36秒

蠕動で渉れ、汚泥の川を
西村さんの本の面白さは、ある意味、ワンパターンの文章・物語にあるのですが、本作でのワンパターンはちょっと切れ味が鋭くなかったように思います。
ま、それこそワンパターンにはまってしまったのでしょうか?

しかしながら、小説としての面白さは十分に平均点以上です。
1日で読んでしまいました。

重版未定 2 (川崎 昌平)2017年06月13日 10時30分03秒

重版未定 2
続編がでました。
重版のかかる売れる本を作る話です。
面白くて1日で読んでしまいました。

僕には、この作家さんの絵がうまいのか、そうでないのか、専門的なことは分かりませんが、何とも個性的な絵を描きます。
業界の話は本当に興味深く、こういう隙間を埋める作品があっても良いと思うし、けっこう売れるのではないでしょうか?

鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。 (川上 和人)2017年06月13日 11時21分37秒

現在、ベストセラー中のようです。
ユーモアにあふれた文章という高評価も多いようですが、文章自体が笑ってしまっているところが、全然笑えないと思います。
学者さんにそれを要求しても無理な話ですが、本当に面白い文章というのは、自然に笑いがこみ上げてくる文章です。
喜怒哀楽の中で、一番簡単なのは、哀、つまり読者を泣かせること。
そしてもっとも難しいのは、読者を笑わせることです。
(お笑い芸人の偉大さはここにある)

鳥に興味がない人でも十分に面白いという評価も多数あるようですが、いくらなんでもそれは無いんじゃないですか?

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~ (前田 安正)2017年06月18日 21時51分34秒

マジ文章書けないんだけど
なぜこの本を読もうと思ったのか、きっかけを忘れてしまったのですが、手に取りました。
文章を上手に書くテクニックが勉強になったかというとよく分かりません。
それよりも、企画としてこういう作品を作った面白さに興味を惹かれました。
売れる本ってやはりコンセプトですよね。
ぼくもこういうアイデアを生み出してみたいものです。
ま、無理か。

追記)カバーを見ると、女性が机に突っ伏しているのですけど、その「頭」が、変な人相の「顔」のよう。
って言うか、ずっと「顔」と思っていた。

見落とされた癌 (竹原 慎二)2017年06月24日 17時08分37秒

見落とされた癌 (竹原 慎二)
こんな言い方は失礼かもしれませんが、大変面白い本でした。
2時間くらいでたちまち読んでしまいました。

タイトルは「見落とされた癌」。
いや、よっぽど診断が遅れたことが許せなかったのでしょう。
ぼくの素直な感想を書くと、こんな医者、本当にいるの!って感じです。
ぼくは小児外科医で、小児がんの専門家です。したがって大人の膀胱がんは診た経験がありません。

だけど、そんなぼくでも、患者さん(竹原さん)がこういった症状を訴えていたら、尿の細胞診を絶対にやったはずです。
ええ、迷わずすぐに(最初に)やったと言えます。
だって尿を提出ことは、患者さんにとって痛くも痒くもないからです。
こんなお粗末な医者がいるなんてまったく信じられません。

竹原さんの予後を決めたのは、抗がん剤ですね。
シスプラチンが効いたのでしょう。
「がん放置療法?」を勧めるお医者さんなんて、頭がどうかしていると思います。

しかし「新膀胱」を作って、自力で排尿して、竹原さんは実に立派です。さすが、チャンピオンです。
民間療法も取り入れていますが、あれは、経済的にリッチな人であれば、そして本道の治療の邪魔にならないのであれば、やってもいいというのがぼくの考えです。
竹原さんは人に押しつけていないので、そこの部分にも好感を持ちました。

この後、40年も50年も生き続けてくださいね!