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「しつけと体罰」森田ゆり2009年10月05日 23時24分55秒

昨日のついでと言っては何ですが、森田ゆりさんの「しつけと体罰」を読みました。
パンフレットのような薄い本です。

書かれている内容は、いちいち「その通り!」と賛意を表したくなるようなものばかり。
子育てで悩んでいるママってこの世の中にたくさんいると思いますが、絶対に参考になる一冊です。

僕もクリニックでこういうことを若いママたちに伝えて行けばいいのかも知れませんが、残念ながらそういった時間的な余裕はありません。

しかしそれは「やる気」の問題なのかもしれませんね。
開業医という仕事は、若い母親たちへの教育といった社会運動の要素もかなりあります。
大学病院にいて、高度先進医療をやっていると、そういう努力はまず不可能ですからね。

この本の中で一番面白かったのは、いかにしつけを行っていくかという実践論ではなくて、なぜアメリカで児童虐待やDVが無くならないかという点に対する社会考察です。

それは、アメリカが国家として戦争という暴力を振るうからだと森田さんは分析しています。
なるほど、それは鋭い解釈ですね。
虐待を受けて育った子どもは、親になると自分の子どもに暴力を振るうと言います。
人間って自分の経験した世界の中で生きていますからね。

しかしこうして「しつけ」の問題を分析していくと、「親子」「夫婦」「家庭」「職場」「社会」「国家」そして「世界」と、暴力で他者を屈服させようとする世界がいかに醜いものか実感できます。

僕は今、開業医になって、誰も屈服させようと思っていないし、誰からも屈服させられていませんので、それは本当に良い環境に住んでいるのだと思います。

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