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普通の医者、非常識な医者2009年07月09日 20時24分37秒

今日のクリニックは、午前中は定時の12時に終了したのですが、夕方はなぜか混雑しました。
新患のお子さんが多く、初対面なので、聴診も時間がかかります。
そしてけっこう多かったのが、他のクリニック(病院)でこう言われたのだけれど、それで良いのかといった、セカンドオピニオン的な受診でした。

もちろん丁寧に対応してきちんと意を尽くしたつもりですが、何で僕のところに来るのか少し不思議です。

あるママに言ったのですが、「僕は普通のただの医者です」。

何か特殊技能がある訳でもなく、特別な知識がある訳でもありません。
謙遜ではなく一介の町医者です。
確かに「小児外科専門医」「小児外科指導医」という肩書きは持っています。
しかしこれはやがて喪失することになります。
日本小児外科学会が、手術を行なっていない小児外科医(つまり僕みたいな医者)に対して、「小児外科専門医」の資格を更新しない方針だからです。

つまり僕は学会から「小児外科専門医ではない」というお墨付きをもらう訳ですね。
名刺は全部作り替えです。
しかし、ま、肩書きにすがって生きる生き方は愚劣なので、どうでも良いですが。

そんな訳で、僕は本当に普通の医者、ただの医者です。

ところがそんな僕のところに、日本全国から、いや、海外からもセカンドオピニオンの問い合わせがきます。
小児固形がんの治療方針や画像の読み方に関する質問ですね。

遠方からクリニックまでお見えになるご家族もいますし、メールだけで対応しているご家族もいます。
普通、セカンドオピニオンと言えば、ちゃんとカルテを作って、「もう一つの意見」を述べればそれで終了です。
それ以上のことをすれば、ファーストオピニオンである主治医に迷惑がかかる心配があります。

しかし僕は、メールで問い合わせがあれば、何度でも何度でも返信をします。
そういった患者さんが今、数人います。
その内容は、医療的なアドバイスのこともありますが、単に「がんばれ!」と応援するだけのこともあります。

僕のこういう態度を見て、多くの医者は非常識と思うかも知れません。
医者と患者の間のけじめをきちんとつけて、医療的なことを話すならば、ちゃんとカルテを作れという声が聞こえてきそうです。

つまり僕は非常識な医者ということです。

ま、そうかもしれません。
しかし困っている人がいれば助けてあげるのが、「人間としての常識」ではないでしょうか?

僕は非常識な医者と非難されても、常識を持った人間として生きて行きたいです。

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