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「サンダカンまで」山崎朋子2009年08月15日 22時36分41秒

「サンダカン八番娼館」があまりにも傑作だったので、山崎朋子さんの自伝である「サンダカンまで」(朝日新聞社)を読みました。

この本も大変面白く読みました。
女優を夢見ていた青春期に、ストーカーに顔をナイフで7ヵ所切りつけられ、68針縫う場面から話は始ります。

いきなりぐいぐいと引き込まれ、あっという間に読了してしまいました。

「サンダカン八番娼館」の原稿を読んだ中央公論の編集者が、「売れる」ために原稿を大幅に削ったり、加えたりする場面。
これも興味深かった。
しかし山崎さんは、「売れる」ことよりも、自分の志を優先し、その「改変」のすべてを拒否して筑摩書房から出版します。

日本全体が貧しかったと言えばそれまでですが、困窮の生活に耐えて、自分の生き方を貫いた山崎さんはご主人と共に立派です。

この本は、女性に、それも生き方を深く考えている女性にお勧めです。
良書です。