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「命のカレンダー」を語る その22009年07月03日 20時33分46秒

昨日に続いて自著を語りましょう。

第2章に登場するのは、「達也」君、「由香」ちゃん、「純」君。
この3人のエピソードは、比較的短く描かれています。
3人とも、僕が研修医だった今から22年前の闘病です。

強烈な印象があって、今でも決して忘れられません。
僕はこの3人を描くにあたって、カルテなどの資料はほとんど見ていません。
全部記憶を掘り起こしたのです。
しかしまるで昨日の出来事かのように明瞭にシーンが浮かび上がります。

「達也」君のは手術の場面は、描写の迫力で賛否両論があったようです。
「すごい! 迫力満点!」と言ってくれた友人もいます。
「ちょっとあれは、女性は引く」と言った友人もいます。

講談社内部では、男性社員から賛意の声が多く上がったそうです。

特に再手術で血液が天井まで吹き上がる場面。
本には書かなかったけど、いえ、最初は書いて完成前に自分で削ったんですけど、血液が天井の「無影燈」にぶつかった音まで僕は今でも憶えています。
「ざざ」って。
ああいう場面を見てしまったら、一生忘れられない、いえ、忘れてはいけないと、24歳の松永青年は思ったものです。

「純」君とは本当に仲良しだった。
僕が医者として接したお子さんの中で、一番の仲良しの子だったな。
年齢も12歳だから、話があう。
12歳と言えば、今の僕の長女の年齢じゃないか。
本当に純な子だった。大好きでした。

手術の場面で繰り返し出てくるのは、A先生とC先生の名コンビ。
A先生は高橋教授。C先生は大沼教授。
二人の手術は本当にすごかった。
手術を進める意思の力とか、勘とか、度胸とか。
決断して実行するスピードとか。
東大の小児外科の教授先生が見学に来ましたからね。

僕は2人の弟子ですが、これは最後まで真似ができなかったな。
まあ、僕はそういう点ではちょっと外科医としてセンスが無かったのかもしれませんね。

続きはまた今度。

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