アクセスカウンター
アクセスカウンター

清水文七教授の手紙2010年12月15日 21時28分02秒

休診日の今日は千葉大病院へ行ってきました。

患者さんの診察をして、お昼にちょっと時間ができたので、歩いて10分ほどの医学部まで行きました。
行き先は、分子ウイルス学教室。
僕が「博士号」を取得するために、青春の3年間研究した場所です。

現在の教授はS先生。当時は僕の指導教官。
そして、S先生や僕のお師匠さんにあたるのは、清水文七(当時)教授です。

清水先生とS先生に分子生物学の手ほどきをみっちりと受けて、僕は小児がんに関する英語論文を多数発表しました。
そのインパクト・ファクターは今でも日本の小児外科の中でトップランクでしょう。
すべては清水先生とS先生のおかげです。

この感謝の念は年とともに増すことはあれ、薄れることはありません。
その清水先生も病に倒れて2年くらい経ちました。
今日、S先生のところに伺うと、清水教授がS先生に宛てた手紙を見せて頂くことができました。

本文はワープロでうった短い文章。
そして封筒の宛名は清水教授の直筆でした。
指が震えて、細かく左右に線が揺らいだ文字ですが、しっかりと千葉大学の住所とS先生の名前が書かれていました。

その震えた文字を眺めていると、なんとももの悲しく、胸が痛いような気持ちになります。
さぞや不自由な生活なのだろうと思いますが、ワープロで書かれた短い文書には、最近、本を書いたから見てほしいと。
それは素晴らしいことです。

梅棹忠夫先生だって失明してから膨大な書籍を残しています。
清水先生にだってできないはずはありません。
ぜひ、本が出版されること祈念しています。

しかし清水先生、無理はなさらないで、いつまでもいつまでもお元気でいてください。