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ルネッサンスの前と後ーーー二つの疫病2013年05月07日 23時52分12秒

なぜルネッサンス以降、西ヨーロッパが世界を制圧したのでしょうか?
ぼくは歴史に疎いので答えを知りません。
もしかしたら専門家には分かりきった常識かもしれません。

J・ダイアモンド先生の「銃・病原菌・鉄」を読むと、「それはヨーロッパ人が優秀なのではなくて、ユーラシア大陸が東西に伸びていたからだ」という画期的な概念が持ち出されています。

だけど僕が疑問に感じるのは、「世界を制圧した」=「優秀」という前提です。逆の面も考えた方がいいと思います。

そもそもなぜヨーロッパはルネッサンスを迎えたのでしょうか?
それはペストの大流行です。人口が激減して、社会構造が変化し、教会の権威は失墜し、農奴は解放されました。
これがルネッサンスの始まりです。
その後、近代医学が飛躍的に発展します。解剖学から外科学の幕開けですね。
文化の復興は、新しい文化の構築でもありました。大航海時代への準備ができたのです。
西ヨーロッパ人はなぜ海を渡ろうとしたのでしょうか?
その理由の一つは経済です。

欧州で毛織物の売れ行きが飽和したため、新天地へ商売先を求めたんですね。
彼らが新大陸に渡りそこで勝利を収めた最大の原因は、彼らが持ち込んだ天然痘ウイルスです。

ルネッサンスの前と後には、二つの疫病があったわけです。
天然痘ウイルスは今日バイオテロとして最も警戒されている病原体です。

だけど、彼らが海を渡ったのは、経済だけが理由ではないと思います。
西ヨーロッパ人は、相手をねじ伏せてやろうという「闘争本能」が強いのではないでしょうか?
そうでなければ、西アフリカから黒人を奴隷として連れてくるなどという非人道的なことはできなかったと思います。
「優秀」というよりも生物として「獰猛」だったのではないでしょうか?

結果、中米・南米に砂糖のプランテーションができます。
スペイン人・ポルトガル人(のちにイギリス人)は、ヨーロッパから西アフリカへ行き、黒人奴隷を買う。
西アフリカから中南米に行き、黒人にサトウキビを作らせる。
中南米からヨーロッパに戻り、砂糖を売る。
「三角貿易」ですね。

ぼくはこれが西ヨーロッパ人の世界制覇を決定づけたと思います。
天然痘の流行だけでは、中南米の文化が滅んだだけで、アフリカの深い傷にはつながっていないでしょう。
イギリスは、イスラエルの建国にも悪い面で関わりを持っており、かつて世界を制覇した欧州人はかなり罪が深いような気がします。