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百田夏菜子の不安とプライド2013年05月13日 19時52分27秒

オズフェスト後のももクロ
一昨日の続きを書きます。

百田夏菜子は自分たちのこと「インチキ」アイドルとか「デタラメ」アイドルと言っています。
これは一体どういう意味でしょうか?

「インチキ」という言葉は謙遜にしてもちょっと言葉が強すぎるような気がします。
笑福亭鶴瓶のラジオ番組では、鶴瓶師匠から、「インチキはないやろ? デタラメってことちゃう?」と聞かれて、彼女たちは納得していました。
「デタラメ」には二つの意味があります。
一つは彼女たちの「型」にはまらない「はっちゃけた」ステージのパフォーマンスです。
プロレス参戦しかり、K1大会でのライブしかり。
そういった自由奔放なスタイルは「デタラメ」と言ってもいいかもしれません。
そしてもう一つ。彼女たちはドーム公演などを控えても1−2週間前まで内容を事務所から教えてもらえないことで有名です。
そのため短時間に一気に振り付けやフォーメーションを覚えることになり、高い集中力が強要されます。
この緊張感はライブで一気に弾けることになりますので、その「反発力」「生々しさ」「刹那性」は彼女たちの武器になります。

もちろん猛訓練の上でのライブですが、決められた細い道を、ぎりぎりのところで落下しそうになりながら一気に疾走する姿は、Jazzの即興性にも通じるものがあります。
事務所がなぜこういうスケジュール組みをしているか僕は知りませんが、こういう危うさを「デタラメ」と表現することは可能でしょう。

が、しかし。
百田夏菜子は、自分の言葉としては「インチキ」という単語を使っています。
この言葉は「国民的なアイドル」との比較の中で出てきました。
「国民的なアイドル」と言えば、今の時代、AKB48をおいて他には存在しません。
ファンの数やCDの売り上げ、そして業界の側から見た時にどれだけ資本価値があるかと言えば、比べものにならないでしょう。

ぼくは基本的にテレビは観ませんので、AKB48にどういうメンバーがいて、どういう個人名の人たちの集団なのかほとんど知りません。
だけどAKB48に関して確実に知っていることが一つだけあります。
それは彼女たちが、公演やテレビ出演において、リップシンク(いわゆる口パク)をしていることです。
リップシンクの歴史は案外長く、アメリカなどではかなり普通におこなわれています。
「一体なぜそれが悪いのか?」という擁護意見も多数聞きます。

僕には、「歌手には歌って欲しい」という単純な希望がありますが、AKB48の詳細を知らずして批判みたいなことを言うのはやめておきます。
ももクロは、歌のほとんどの部分が「生うた」です。
激しい踊りの中で音程が安定しない時もあります。いや、あれだけ踊ってなぜ息が切れないか不思議なほどです。

では「国民的アイドル」の口パクが「正統」ならば、ももクロの生うたは、一体何なんでしょうか?
ライブで音が外れたり、歌詞を間違えたりするならば、それは人からお金を取って見せる芸としては「インチキ」なのではないか?
みなさんは「正統」と「インチキ」のどちらの歌が好きですか?
ぼくは、この「インチキ」という言葉に百田夏菜子のプライドを感じます。

ですが、そうは言っても、ももクロのメンバーの歌唱力はびっくりする程すぐれている訳ではありません。
元々が「踊りが好き」というメンバーが集まって作られたグループです。
第一、彼女たちの事務所は女優さんを養成するところで、歌手志望の女子は、はなからいません。
百田夏菜子も、単に踊りが好きな女の子だったのかも。
女優になりたかったけど、「北川景子」や「柴咲コウ」のようには華がない平凡な女の子だったのかもしれません。
だから彼女は、自分の歌に不安を持っているのではないでしょうか?

ある番組でMCを務める久本雅美から「お前も歌手やろ?」と突っ込みを入れられたMCアシスタントの百田夏菜子が「歌手ねええ??」と首を傾げるシーンを動画で見ましたが、あれは謙遜ではないように思います。
自信が無いのではないでしょうか?

「プライド」と「不安」が入り交じった揺れる心を「インチキ」と表現しているのかなと僕は感じます。

追記)ぼくは幼少の頃からアイドルにはまったく興味が無く、ここで書いていることは的外れかもしれません。
アイドルの歴史も知りません。ですが敢えて一言。
ももクロの音楽の系譜を「ピンクレディー」に求める意見があることを知りました。
なるほど、あの一世を風靡した踊りですね。
しかし両者には決定的な違いがあると思います。
当時日本中の子どもたちはピンクレディーの振り付けを真似しました。
ですが現在はそうではありません。
だってそれはそうでしょう。あんな激しい踊り、真似できませんよ。