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「リクルート事件・江副浩正の真実 」(中公新書ラクレ) 江副 浩正2011年02月05日 17時44分41秒

リクルート事件・江副浩正の真実
ここに書かれていることは、刑事被告人の側から見た「真実」です。
ですから、「検察」の視点、そして「神」の視点から見れば、また違った世界があるでしょう。
だけど、この本の内容は、相当真実に近いような気がします。

本題に入る前に、この本の文章について一言。
この本が、もしゴーストライターでなく江副さんが自分で書いたのならば、江副さんは相当に文章がうまいと思います。
おそらく自分で書いたのではないでしょうか?
きちんとした文体があります。

リクルート事件と言えば、ロッキード事件と並ぶ戦後を代表する贈収賄事件というイメージがあります。
ですが、真実はそんなところには無かったのでは?
江副さんは、「政界のタニマチ」になりたかっただけのように思えます。
事件の悪質性は、ロッキードとは比べものにならないと思う。
患者に対して不要の手術をしてカネを稼ぐ医者の方が、はるかに罪が重いと思います。

ではなぜ、これだけの大事件になったのか?
それは「マスコミ」の報道姿勢にかなり行き過ぎがあったと思います。
そして「マスコミ」が「世論」を作り、「世論」が「検察」を動かす。
「検察」は拷問のような取り調べで江副さんから調書を取ります。

当時の野党である社会党にも、この事件を利用して徹底的に自民党を揺さぶろうとした政局的思惑があった。

ですが、この事件を裸にしてみると、一体何が残るか、理知的な分析が必要だと思います。

現在の小沢一郎さんは、政治家として自身の信用性を世間に証明できず、その時点で、政治家として終わっていると僕は思います。
しかし、「マスコミ」が世論調査をして、「議員を辞めるべき」という大衆の声を集めるのは、大変危険なことだと思います。
こういうリンチは、法治国家では行われるべきではありません。

厚い本ですが、面白い。
一読をお勧めします。

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