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ハスラー鈴木さん2011年02月09日 21時23分50秒

ハスラー
先日、ポール・ニューマンの「ハスラー」をDVDで観ました。
特典映像が付いて、それでも値段が安かったからです。

映画については細かく書きません。
ただこれは、ポール・ニューマンの物語というよりも、彼と同棲してしまった女性の物語だったような気がします。
定職に就かない男と結婚するって、女性にとってすごく難しい生き方ですからね。

さて、僕は医学部の学生時代、富士見町の「五味鳥」という店を根城にお酒を飲んでいました。
この店と通りを一本はさんで、向かい側に玉突き屋がありました。
ゲームは「四つ玉」で、僕らはよくそのお店で玉突きをやったものです。

その玉突き屋の一番入り口側には、一回り大きなテーブルがあり、その台でのみ「スリークッション」という玉突きが行われいました。
「スリークッション」は高度な技術が必要で、僕らみたいな素人では全然玉に当てることができません。
でね、そこにプロの玉突き師がたむろしていたんです。
エース格は鈴木さんという人でした。
もちろん現金が飛び交う玉突きでした。

鈴木さんは年齢でいうと、40歳前後。
髪の毛が天然パーマでもじゃもじゃっとして、目つきの鋭い人でした。
若い頃の井上陽水にちょっと似ていました。

鈴木さんは勝負が終わると、よく五味鳥に来ていました。
座る場所はいつも決まっていて、カウンターの一番手前の端。
飲むのは焼酎のロック。
水もちょっとだけ入れていた記憶があります。

鈴木さんも僕らの常連ですから、会えば必ず挨拶していました。
しかし相手はハスラーですから、親しく飲むということは、さすがに無かったかな。
でも何度か驕ってもらったと思います。

僕が大学5年生くらいの時に、ポール・ニューマンとトム・クルーズ主演で「ハスラー2」が公開されました。
映画では、玉突き台は「ナインボール」ですから、全国的にこれが大流行になりました。
その玉突き屋さんも、「四つ玉」から「ナインボール」用に台をすべて入れ替えました。

僕は「四つ玉」が好きだったので、急に玉突きに興味を失いました。
同時に入れ替わるように、若い子たちが男女できゃっきゃっと騒ぎながら、玉突き屋を訪れるようになりました。
ま、ゲームセンター化した訳ですね。

当然のごとく鈴木さんたちハスラーは姿を消しました。
その後、五味鳥でも一度も見かけていません。
さすらいのハスラー鈴木さんはどこへ行ったのでしょうか?