何もできなかった2009年07月26日 23時59分54秒

昨日は午前のみの診療を終えて帰宅すると、家には長女だけが留守番していました。
家内は次女を連れて、ピアノの発表会へ出かけていたのです。

中学1年の長女は、僕のためにアイスコーヒーを作ってくれて、家内が買っておいたパンをお皿に乗せてテーブルに出してくれました。

昨日のブログに書いたように夕方から友人と船橋で飲むことになっていましたから、それまでの時間、家で長女と二人きりです。

「はるちゃん、トランプでもやる?」
「ううん、いいよ」娘ははにかんだように笑みを浮かべます。
「はるちゃん、じゃあ、PCでゲームでもやる?」
「ううん、いいって」照れたように笑います。

長女と二人で過ごす土曜日の午後は、本当に静かで気の休まる時間でした。

考えてみれば、この子には父親らしいことは何もしてやれなかった。
30代の僕はバリバリの仕事人間で、家庭なんてまったく顧みなかった。
1年のうち、360日くらいは大学病院に行っていたな。
長女と日曜日に遊ぶなんてしたことなかったし、平日は長女の寝顔しか見たことがなかった。

家内は千葉出身ではないので、千葉に土地勘はまったくなくて、長女の予防接種なんか自分で調べて近所のクリニックに行ったんだろうな。
それってすごく心細かったと思います。
亭主が大学病院の小児外科医なのに、なんのアドバイスもしなくて。
3歳の時に、近所で日本脳炎の予防接種をうった時に長女が泣いたら、「なんで泣くんだ!」って医者に怒鳴られたって、僕はその話を長女が10歳くらいになるまで知りませんでした。

父親不在みたいな環境の中で、よくここまで立派に育ってくれた。
そんなことを考えていたら、じわっと涙が、、、。
う、いかん。年をとったな。

大学を退職して3年が過ぎたけど、「大学で小児外科医を続ける」ということに対して、最近になってようやく未練みたいなものが消えつつあります。
これも老化でしょうか?

長女のこれからの人生は、僕の助けなんか必要としないでしょうから、結局僕は長女に何もできなかったということになるのでしょう。
後悔みたいなものが無い訳ではないけれど、長女は僕を尊敬してくれているみたいだから、ま、いいか。

あと8年待って、一緒に飲みに行こう。