免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか(坂口 志文, 塚﨑 朝子)2026年04月13日 20時53分51秒

免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか(坂口 志文, 塚﨑 朝子)
ぼくが20代の頃、某大学の小児外科の教授先生から「千葉大の免疫学はすごいね。ノーベル賞を取るんじゃないかな」と言われたことがあります。

半世紀前の千葉大免疫学の最大の「売り物」は、抑制 T 細胞でした。
B リンパ球の働きを抑制する T 細胞が存在すると主張し、それが世界を席巻していたのでした。
その説を主張した千葉大の教授は、東大の教授に栄転しました。千葉大史上、初めてではないでしょうか?
後任の千葉大教授も抑制 T 細胞の研究を熱心に行いました。
この頃です、ぼくが「ノーベル賞を取れるんじゃないかな」と言われたのは。

サイエンスが進むと、闇に隠れていた部分はどんどん光に晒されて行きます。
すると、抑制 T 細胞というものは存在しないということが明らかになってしまいました。
「免疫学の千葉大」とまで言われていたのは何だったのでしょうか?

そして本当にノーベル賞を受賞した坂口先生は、制御性 T 細胞を発見しました。
ところが、抑制 T 細胞のトラウマが全世界を覆っていたために、坂口先生の理論はなかなか認められなかったそうです。
本書では、その無念さがけっこう延々と書かれています。

千葉大出身者として本当に申し訳ない気持ちになりました。
先生は信念を貫き通して、制御性 T 細胞の存在を世界に知らしめました。
そしてノーベル賞を受賞したのですから実に立派なことだと思います。
坂口先生の弟子にあたる先生とメールで話したら、坂口先生が(2025年に)ノーベル賞を受賞するとはまったく予測していなかったそうです。
なぜって、本庶佑先生がノーベル賞を取ったばかりだから。
いずれ取るはずだけど、今年ではないと心の準備ができていなかったそうです。

それくらい、本庶先生と坂口先生の業績は偉大だったということですね。

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