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小児外科医は魅力的?2006年04月22日 19時04分00秒

新着の雑誌「小児外科」を読んでいたら、広島市民病院小児外科の高田先生が「魅力的な小児外科」というエッセイを書いておられました。誤解が無いように断っておきますが、僕が今から書こうとしている内容は、高田先生に対する反論とか批判とかではまったくありません。高田先生のご意見はまったくその通りで、書かれている内容は100%その通りです。北米のように小児外科患者を拠点病院に集めて、本当の専門医たる小児外科医が治療にあたる、こういったスタイルをとれば小児外科医の社会的地位もあがり、魅力を感じた若い先生達が小児外科医を目指す。。。
しかし、と、僕は考えてしまうのです。このようなご意見は僕が小児外科医になった19年前からすでに存在していました。小児外科の世界で立場のある大御所の先生は、こうして絶えず理想をアピールしていくこと自体が社会的責任でもあるのでしょう。でも、これを実現するにはどうすれば??僕の恩師、高橋名誉教授は「俺が総理大臣にならなきゃ、どうしようもねえ」と言ってました。理想と現実をどう埋めるのか、これは「小児がん」の世界にも当てはまります。
僕は、非常にプラクティカルな人間です。理想は理想として大事にとっておいて、実際に何が最善の行動なのかを考えるべきであると思います。高田先生は「小児外科医は開業に向かない」と仰っています。その通りなのでしょう。我が千葉大学小児外科の同門で開業なされた先生は全員が、大人も子どもも診療しています。僕は小児クリニックに特化した同門では初めての医者になります。僕のスタイルは、小児外科医が生きていく「卒業生」としての模範になりたいと強く念じています。(もちろん、日本には小児外科にこだわった開業で大変成功なさっている先生がたくさんいます。)
小児外来医療の担い手は一体だれでしょうか?ある小児科医のホームページを見ていたら、「子どもの病気を内科・小児科を標榜する医者に診せてはいけません」という主旨が書かれていて驚いたことがあります。小児科医のみが小児医療を行うべきとの主張です。僕の意見はまったく違います。小児外来の患者さんは、感染症かアレルギーか外科疾患のいずれかとだと言ったら言い過ぎでしょうか?そうであれば、さんざん修羅場をくぐって来た小児外科医は実は開業医に向いているのではないでしょうか?