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抱負は豊富?2006年05月01日 22時47分23秒

今日の職員研修は、今更ながら、、、ですが、僕がどういう医療をして来たか、改めてじっくりと話しをしました。まあ、何てことはありません。ホームページに書いてある内容、そのままです。では、クリニックを始めてからは、どういう医療を目指すのか?これがなかなかうまい言葉が見つかりません。僕の恩師である千葉大学分子ウイルス学教室の白澤教授は39歳で教授に就任したときに、たしか、「抱負は無い」と挨拶をしておられたとの記憶があります。その時、非常に不思議な感覚を持ちましたが、今の僕には何となくその意味が分かるような気がします。美辞麗句を並べ立てることは当然可能ですし、その方が患者さんだってたくさんクリニックに来るでしょう。でも、ちょっと、違うのです。
僕は、ごく普通のごく当たり前の医療を行いたいだけです。平凡な町のお医者さんで良いのです。大向こうをうならせるとか、医者仲間の中で一目おかれるとか、何かの本のランキングに載るとか、そんなことにはまったく、興味がありません。そういう意味では「抱負」はありません。「普通」で良いのです。
でも、「普通」ってけっこう難しいと思いませんか?医者という職業は多くの部分が経験によって成長して行きますが、人が経験する事象というのは、たいていが「特殊」なものです。これを普遍化する作業が出来れば良いのですが、そうでないと、経験を積んだ医師ほど、「普通」でなくなって行きます。
僕が患者だったら、「普通のお医者さん」に見てほしいなあ。自称「神の手」とかいう人には診てもらいたくありません。ちょい、へそ曲がり?

医師会の説明会に行ってきました!2006年05月02日 17時02分11秒

今日は、以前に入会の申請を出していた千葉市医師会の説明会に行ってきました。
僕と一緒に参加したのが、田辺雄三先生です。9年ぶりにお会いしましたが、全然お変りありませんでした。田辺先生は今月15日に、蘇我に「そがこどもクリニック」を開業なされます。9年前に僕の長女の脳をMRIで診ていただいたことを懐かしく思い出しました。千葉市小児科医会の岩田裕子先生には、今まではお名前だけでしたが、はじめてお目にかかりました。会長の伯野中彦先生をふくめ、皆様、本当にお忙しいと思いますが、平日にもかかわらず、説明会にお集まりいただき頭が下がる思いです。伯野会長からは、開業医の心構えもご指導いただきました。
保険医療機関コード番号もつきました。開院のご案内の折り込み広告も今朝、出ました。今朝からお問い合わせのお電話もいくつかいただいております。
緊張感が増してきました!

東京裁判2006年05月02日 21時36分00秒

活字離れの時代と言いますが、、、新聞、読みます?僕は毎朝、朝日新聞の社説と、インターネットで読売新聞の社説を読みます。左右の両翼の両極端な二紙ですが、今朝の朝日新聞の社説は久々に読み応えがありました。
話題は東京裁判の評価です。
朝日新聞は、かつては赤報隊のテロの対象になったほど左翼色が濃かったのですが、最近は論調の歯切れが悪く、「しかしながら」、「しかしながら」の連続で結局はどうしろって言うの??といった社説が非常に多かったような気がします。今朝の主張は明快でした。東京裁判に「傷」があるのは、その通り。じゃあ、だからと言ってこれを全否定して戦後の敗戦処理を全部やり直せっていうの??という、実に現実的な、地に足がついた議論でした。
過去に目を閉ざす人間は、将来に対しても盲目になります。こういった視点からは、弱い立場にいる人間を守る発想は生まれてこないと僕は確信します。小児医療がどうあるべきかを考える際にも共通する思想の立場だと僕は思うのです。あ、ちょっと硬かったかな?

WT1ワクチン療法2006年05月03日 19時33分44秒

今朝の朝日新聞を見ていたら、大阪大学が研究を進めて来たWT1がんワクチン療法の臨床試験が全国規模で行われるとのことです。素晴らしいことではないですか。基礎医学の進歩が臨床試験に至るというのは、科学者にとっては最高の喜びのはずです。ところで、このWTとは一体、なんのことでしょう?
これは小児の腎臓に発生するウイルムス腫瘍(Wilms Tumor)の頭文字です。この腫瘍の一部では家族性に発生することやある特定の合併奇形を伴うことがあり、その際、よく見られる染色体異常からがん抑制遺伝子が存在することが推定されていました。この遺伝子がクローニングされWT1と名付けられた訳です。ところが、いざ、この遺伝子が作るたんぱく質の働きを研究してみると、成人の白血病などで重要な役割があることが分かったのです。
今回の臨床研究の対象疾患を見てみると、ウイルムス腫瘍や神経芽腫まで入っているではありませんか?非常にびっくりして今度は対象年齢を見てみると、16才以上。。。。言いたいことはお分かりですね?
小児がんと闘病しているみなさん、くれぐれも惑わされないで下さいね。蛇足ですが、臨床試験のホームページにある「神経芽細胞腫」という病名は正しくありません。「神経芽腫」です。

独善的な医者はだれ?2006年05月03日 22時20分12秒

昨日のブログで、千葉市医師会長から開業医の心構えを教えて頂きましたと書きました。その内容は、こういうことです。開業医は一人で診療するため、他の医者からの批判を受けたりする機会が減り、独善的な考え方、医療行為に陥るあやうさがあるということです。これは本当に肝に銘じておかなければいけないお言葉です。しかし、独善的な医者は必ずしも開業医に多いとは僕は思いません。勤務医であろうが、大学病院であろうが、トップに立つ人間は他の医者から批判を受けませんから、独善的になることがあります。
僕の尊敬するある大学教授が、「教授なんて裸の王様だ」と言っていたことをよく憶えています。これは、その教授先生の自戒の言葉であるのと同時に、そういう裸の王様をたくさん、見て来たのでしょう。「王様は裸だ!」の一言が発せられることは、外科の世界ではほとんどありえません。それくらい、徒弟制が徹底したピラミッド型の世界だからです。
僕が開業後も千葉大病院に関係を持ち続ける理由のひとつには、このあたりのことも関係します。独りよがりにならないよう、大学の小児科、小児外科の先生たちとの交流を続けて行きたいと思っています。もちろん、医師会の中のいろいろな方々とも新たな関係を築きたいと思っています。
そうすれば、裸にならないですむでしょう。「俺様クリニック」じゃ、3日で潰れちゃいます!

4度目のリハーサル2006年05月04日 19時17分50秒

今日は看護師のみ集合でリハーサルです。
実際にエックス線を撮影し、点滴をいれ、採血し、血液検査を行い、超音波ネブライザーと喘息用のネブライザーを行いました。最後に感染症迅速診断キットのチェックを行いました。
やはり、実際にやってみるものです。細かい点で、使い方を正確に暗記していなかった所もありました。でも、これで準備はほぼ完了です。
今まで何となく殺風景だった処置室が、まるで大学病院の処置室のように何年も使って来たかのように見えてきました。
事務の方は、昨日までにK嬢が残業して綺麗にそして機能的に整えてくれましたので、これで僕のクリニックはほぼスタートラインについたと言えます。
あとは、授乳室に、ちょい、おしゃれな小さなテーブルを買いたいと思っています。この1ヶ月、娘たちとはほとんど遊んであげることができませんでした。クリニックがうまく立ち上がり、ゆっくりでもいいから安定して走り始めたら、、、そうですね、船橋ららぽーとでも行きたいなあ。

降水確率80%2006年05月05日 18時45分17秒

明日は、午前中に職員全員で最後のミーティングを行い、午後からは僕の友人、知人を招いて身内だけの内覧会を行います。まあ、ささやかな開院式と言ったところでしょうか。千葉大学病院小児外科の医者がほとんどと思いますが、お世話になった他科のドクターや基礎医学の先生、さらには他の病院の小児外科、小児科の先生たちにも案内状を出しました。どんな懐かしい顔が集まるか、今から楽しみです。
懐かしいと言えば、10数年ぶりに、畏友・悪友の藤原章生も来てくれる予定です。彼の名前をGoogleで検索してみて下さい。僕の名前を入力すると58件ヒットしますが、彼の名前では、なんと、13,000件です!職業は新聞記者なのですが、多分、業界の中でも相当ユニークな仕事をぶりなのではないかと思います。彼がサラリーマンだなんて、僕には想像もつきません。彼は、小児外科とも深い関係があります。自治医大の小児移植外科教授、河原崎先生は、彼の顔を見ればすぐにピンと来るのではないでしょうか?いずれ彼の話しはこのブログで書いていくことにしましょう。
さあ、身内内覧会の翌日、5月7日(日)は、一般内覧会です。ええっと、降水確率は、、、あ。80%です。。。。10人くらいはお見えになるかな??

感涙。。。。2006年05月06日 19時39分27秒

今日は、身内だけの内覧会でした。
感激しました。うう。泣く。
こんなにもたくさんの方から、贈り物をいただき、こんなにもたくさんの方に来て頂きました。
贈り物もひとつひとつに心がこもっていました。
来て頂いた方々も、みなさん、長時間、クリニックにいてくださりました。
この感激を文章にすると、何か陳腐なものになってしまいそうです。
だから、今日は、これでもう書くのは終わりにして、そして、余韻に浸ることにします。
あとは、、ジャズでも聴こうっと。

今日は内覧会!2006年05月07日 16時32分19秒

天気予報通り、朝から雨となった一日でした。
内覧会にお見えになったご家族は、およそ70家族でした。驚きです。こんなに来ていただいて。ゴールデンウイーク中、それも雨の中。
僕は幸せ者です。感謝、感謝の気持ちでいっぱいです。安全管理のために終日、雨の中、傘を差して駐車場に立っていてくれたスタッフさんたちには、どうやって感謝の気持ちを伝えていいか分かりません。裏方スタッフさんたちには、「仕事」でなく、「心」でいつか恩返ししたいと思います。
内覧会に来ていただいたみなさんから、色々な「お世辞」をいただきましたが、そのうち最も多かったのが、「広いですね〜」とのお言葉です。広いクリニックを作ればそれだけコストがかかります。コストをかけずに開業したいのは誰でも考えることですが、、、僕の場合、大学病院での勤務が長く、狭いところで働くというのが、どうしてもイメージできなかったのです。千葉大学は病院と医学部(研究棟)が歩いて10分ありますし、小児外科の外来(1階)から病棟(3階)まではエレベーターを使ってました。食堂に行くまでだって10分近くかかります。
この生活が嫌ではなかったんですね。歩きながら頭を整理するということをよくやっていました。だから、クリニックもできる限り大きくし、正方形ではなく、長方形にし、歩く距離を設けました。また、手洗い場も、診察机から微妙に離れた距離にあります。わざと、歩くためです。この広さが僕にとっても患者さんにとってもスタッフにとっても快適ならば、みんながハッピーではありませんか。駐車場が広くて停めやすいとのお言葉もいただきました。あ、これはこの通りと思います。僕自身、車の運転が下手なのでよく分かりますが、このクリニックは車で来やすいと思います。
明日からは、いよいよ診療です。遊座耳鼻咽喉科医院の遊座先生、君津中央病院新生児科の大曽根先生、きみのもりクリニックの平井先生、つばきこどもクリニックの椿先生、まる内科クリニックの丸先生、千葉中央メディカルセンター脳外科の福田先生、千葉県こども病院血液腫瘍科の沖本先生、千葉大病院小児科循環器の本田先生、そして千葉大学小児外科。僕には心強い味方がたくさん、ついています。
当たり前のことを当たり前にやる。それだけが唯一の僕の治療方針です。

開院しました。2006年05月08日 21時48分59秒

昨日までのインパクトが強すぎたせいか、オープン初日の今日は、とてもフツーの一日に感じました。当たり前の日常といった感じで、なにか不思議な気持ちになります。
昨日までには、個人事業主としてがんばって、今日からは本来の医師にもどったということでしょうか?
クリニックの初日は電子カルテのシステムがうまく稼働せず、、、などという話しをよく聞きますが、それはまったくありませんでした。待機していた富士通エヌコムのスタッフさんからはお褒めの言葉を頂きました。繰り返し行ったリハーサルが良かったのでしょうか。
僕は人を待つのも待たせるのも嫌いなので、患者さんがスムーズに受付から会計まで進んだことが、何よりでした。
あ。日本小児外科学会雑誌が届いています。開けてみましょう。ずいぶん、薄いですね。ん?これ、総会号のプログラムですよね?例年の半分以下の薄さです。何で、こんなに薄いのでしょう?日本小児外科学会は、ちゃんと開催されるのでしょうか?何ですか、この薄さは?会長は秋田大学の加藤教授ですね。たしか、病院長ですよね。ペラペラに薄い総会プログラムです。なぜでしょう?