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日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争(速水 融)2020年05月03日 22時28分52秒

日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界戦争
現在、話題の本です。
先日、朝日新聞のサンヤツ広告にも出ていましたので、かなり売れているのではないでしょうか?
今から100年前のスペイン風邪(インフルエンザ)についてまとめた学術書です。
新聞記事を主要なソースとして、日本の各地でどのように被害が広がっていたのかを細かく記述した大著です。
通説では感染者数千万人、死亡者38万人の大被害です。
医療崩壊が起き、社会機能が滞り、火葬場が遺体を処理しきれなくなり、マスクが不足するなど、現在の新型コロナの状況と一致します。
ただ、これだけの災厄を経ても日本の人口は減りませんでした。
また、疫病の終息後にはベビーブームが起きて、人工が増加しています。
経済が壊滅的打撃を受けなかったのはなぜでしょうか?
それはこの時代、まだまだ農業が国の主要産業であり、工業化はこれからというタイミングだったからでしょう。

筆者は、日本人はスペイン風邪から何も学ばなかったと厳しく総括しています。
たしかに、関東大震災を知らない人はいなくても、スペイン風邪はそこまでの認知度はないでしょう。
医学や科学が100年前にはまだまだ発達していませんでしたから(抗生剤もウイルスもまだ発見されていなかった)、感冒が蔓延し猖獗をきわめれば、こういう被害も「あり得る」ことと当時の日本人は考えたのかもしれません。
また、インフルエンザは3日で決着がつきますから、ウイルスが嵐のように去っていったという認識だったのかもしれません。

現代では、観光・飲食・運輸といった産業が国力に大きな比重を占めていますから、人の流れが止まると経済基盤が揺るぎます。
そして、たかが「風邪ウイルスでなぜここまでの被害が?」という思いを抱いた人も当初は多かったでしょう。
麻生財務大臣なんかは「インフルエンザみたいなもんだろ?」と言っていたと報じられています。

結局のところスペイン風邪の教訓は何でしょうか?
それは「忘れた頃にパンデミックはやって来る」ということだと思います。
韓国はその認識で成功しました。一方で、日本には準備がありませんでした。
平時から大災害に備えておくことが重要で、F35戦闘機を100機買って、1兆円浪費するのではなく、国が予備費をとして万が一に備えておくことが重要ではないでしょうか?
憲法改正を論じるヒマがあったら、この感染症対策と経済対策を安倍政権にはちゃんとやって欲しいですね。

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