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白人ナショナリズム-アメリカを揺るがす「文化的反動」(渡辺 靖)2020年06月04日 22時13分38秒

白人ナショナリズム-アメリカを揺るがす「文化的反動」
アメリカだけの問題ではありませんが、アメリカの一部には南北戦争の頃からこうした思想があり、それは消え去ることなく現代にまで生き延びています。
白人ナショナリズムとは、白人ファーストの考え方で、反多様性・反自由主義・反ユダヤ人・反イスラム・反グローバリズム・反移民・反フェミニズム・反PC(ポリティカルコレクト)・反LGBTQなどなどの考え方を持っています。
日本でも有名なKKKはこの中に含まれます。

トランプさんが大統領になれた理由は、白人ナショナリズムとは直接関係ないと思いますが、彼が大統領になってアメリカ国内の白人ナショナリズムは勢いを得たことは間違いないでしょう。
アメリカにはものすごく強いリベラルの力がある一方で、こうした反動思想が侮れない影響力を持っています。
ここにアメリカの分断と病理がよく現れていると言えるでしょう。
大変勉強になりました。

鉄路の果てに(清水 潔)2020年06月08日 22時36分50秒

鉄路の果てに
作者は一流のジャーナリストですから、どれほどの調査報道なのかと期待して読みました。
表現が豊富で読ませる力が文章にこもっていますから、おもしろく読むことができました。
しかしこの本はシベリア鉄道旅行記といった感じの極めてプライベートな作品でした。
ちょっと帯の作り方などが、ジャーナリスティックな雰囲気を煽っていますが、そういう本では全然ありませんでした。
この本はこの本なりに成立しているのですから、内容とあまりに違う帯の惹句は考え物です。
筆者も事前に帯を見ているはず。どう思ったのでしょうか。

旅行記の合間に東アジアからロシアにかけての近代史の解説も多々述べられていて、ちょっと変わった作りの本になっていました。
どういう本を作りたかったのか、作者には迷いがあったのではないかと想像します。

女帝 小池百合子(石井 妙子)2020年06月10日 19時42分15秒

女帝 小池百合子
現在、超ベストセラー中の作品です。
400ページを超える本ですが、一気に読ませる力があります。
文章もいいし、取材も分厚く、非常に丁寧に作られています。
ノンフィクションの真髄は人間を描くことにあるというのがぼくの考え方ですが、この作品はそういう意味で一級品だと思います。

作者の石井さんはよくこの本を書き上げたなと感心します。
ぼくは以前に、ある編集者から「作家は、描く対象者に強い思い入れが無いと、良い作品にならない」と言われたことがあります。
しかしここで描かれる小池さんという政治家は、中身が無く、嘘を平気でつき、庶民を思いやる気持ちに欠け、ただひたすら、有名になりたい・スポットライトを浴びたい・高い地位に登り詰めたいという貪欲さしかありません。
石井さんは書いていて不愉快だったのではと思います。
では、なぜ書いたか?
ノンフィクション作家には2つの罪があり、それは書くことの罪と書かないことの罪だそうです。
私利私欲で多くの人間を傷つけてきたこの政治家の存在を知って、作者は書かざるを得なかったのでしょう。

詳しくは本書を読んで頂くとして、小池さんは「苛められている可哀想な女」を演じて都知事選に勝ちました。
この人は(俗な意味で)女であることを武器にして政界を駆け上り、しかしその実態は、彼女が非難する「オヤジ」そのものです。
しかも、ゴリゴリのマッチョ。多分、女性という性を見下しているのでしょう。

なぜ、こういう人が国務大臣を経験し、都知事まで登り詰めたのでしょうか?
日本の政治の未熟さもあるし、マスメディアの商業主義もあるでしょう。そしてそれこそ、国民の「民度が違う」ということもあるかもしれません。
緑のハンカチを振って選挙を応援したあの都民達は、今どう思っているのでしょうか?

最後に一つだけ。この本のタイトルのは「女帝」という言葉が付いていますが、彼女は女帝なのかな?
ちょっと違うような気がします。本人はまだまだ欲しいものがいっぱいあって、飢えて枯渇感を味わいながら生きているように思えてなりません。女帝という場所に本人は到達したと思ってないのではないでしょうか。

この本は何かの賞を取るんじゃないかな。

街場の親子論-父と娘の困難なものがたり(内田 樹, 内田 るん)2020年06月11日 22時40分43秒

街場の親子論-父と娘の困難なものがたり
内田樹さんと娘さんの「るん」さんの往復書簡です。
父親は稀代の思想家ですから、るんさんはどうやって立ち向かうのだろうかと、読む前から興味津々でした。
最初のるんさんの手紙で「まだ担当さんに指定された文字数に満たない」などという文章があり、読んでいる方は大変不安になりますが、これは出だしだけのことでした。

往復書簡のテーマは、最初のうちは二人で行ったフランス旅行などの話しで読者は置き去りにされますが、回が進むにつれて、私的な話題から公的(あるいは社会的)な話に広がりを見せます。
火花が散る・・・という感じとはまた違って、親子で「手が合う」のですね。書けば書くほどに話が深まり、思想家の父親に臆することなく、るんさんは考えを研いで思索を深めていきます。
花見酒経済の話とか、社会の基準としてのふつうの話とか、親子間に横たわる困難さの話とか、実におもしろかったです。

自分の中にしまってある倉庫の中身を、深く深く深掘りしていって、何か涼風が吹く明るい場所に突き抜けたような読後感がありました。
内田樹さんには申し訳ありませんが、これはるんさんの頑張りに負うところが大きかったと感じました。見事です。

しかし親子でこうした往復書簡を交わせるなんて本当に羨ましい。ぼくは自分の子どもたちととても仲がよいけれど、こうして改まって、そして読者が読むことを前提に、書簡を交わすなんてとても無理。
ぼくの両親は他界していますので、親と会話することは不可能ですが、生前も十分なコミュニケーションが取れていませんでした。
この本を羨む人はぼくだけでなく、みんなが憧れるのではないでしょうか。読んで本当によかった。

最後に追記。
最近のラクレはカバーデザインを本ごとに作っているようですが、この本のデザインも秀逸です。
それから、親子アンケートは棒グラフではなく、円グラフで表現した方がいいです。誌面が足りなかったのかな。

快作・傑作です。オススメします。

もしも一年後、この世にいないとしたら。(清水研)2020年06月17日 09時09分04秒

もしも一年後、この世にいないとしたら。
昨年秋に出版されてずっとベストセラーを続けているようです。
筆者は精神科医。それもがん患者を診る精神腫瘍科医です。
がん=不治の病とは言えなくなったとはいえ、がんになれば患者は必ず死を意識します。
そうした患者に寄り添う仕事を筆者は選びました。
人の死生観は実に様々で、100人の患者には100通りの死生観があります。
また、その患者が背負ってきた人生には100の彩りがあるわけですから、患者に寄り添うというのは口で言うほど簡単ではないでしょう。
筆者は謙虚に患者の言葉に耳を傾けます。その優しさがこの本の基本旋律になっています。
誰もが避けられない死。死を考えた本はいくらでもありますが、名も無き小さな声を掬い上げるかのようなこの作品には、読者を惹き付ける風合いがあります。
良書でした。

日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因(山田 昌弘)2020年06月18日 21時55分13秒

日本の少子化対策はなぜ失敗したのか?
これは大変おもしろい本でした。
筆者は社会学者ですが、少子化の原因を日本固有の文化にまで広げていきます。
「保育園落ちた、日本死ね」という言葉が広がり、待機児童の問題が少子化対策のすべてであるかのように捉えられていますが、筆者はこのことは問題のごく一部に過ぎないと論じます。
少子化の理由は
① わが子に幸福になって欲しいという親の愛情
② 中流生活をしていると見られたい世間体意識
③ 中流から脱落したくないというリスク回避の意識
この3つが結合して、結婚・出産にストップをかけ、少子化がここまで進行していると分析します。
日本のGDPは世界第3位ですが、実は国民一人当たりのGDPは先進国中ではかなり低いんですよね。さらに言えば、貧富の格差も大きいのです。
意識は中流だけど、実態として日本人は貧しいのです。
その結果、結婚に二の足を踏むわけです。
解決はかなり難しいでしょうね。

本論とややずれますが、わが子に対する価値観が欧米と日本とでは異なるという指摘が大変興味深かったです。
欧米は「使用価値」。子どもと遊んだり、話したりすることが楽しい。子どもの成長を見ていくことが自分の成長になると考える。
日本は「市場価値」。子どもが高い学歴を持ち、有名企業に勤めることで、子どもの価値が上がる。そういう子どもを育てていることが親の満足になるという考え方です。
こうした文化的背景が実は少子化問題の根底にあると考えると、保育園を作ればいい、子ども手当を増額すればいいといった政策だけでは問題が解決しないことが、説得力を持って迫ってきます。
オススメの1冊です。

家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める(小林 エリコ)2020年06月20日 00時04分49秒

家族、捨ててもいいですか?~一緒に生きていく人は自分で決める
家族を描いた自伝的エッセイです。
筆者の家族は結局崩壊してしまうのですが、家族の歴史は憎悪だけではありません。
自分勝手で暴力を振るう父親のことを、筆者は憎んでいながら、同時に愛情を感じていました。
その捻れたような両義性が読む者の感性を鋭く刺激してきます。

憎しみだけの家族ってないんですよね。
血がつながっているだけで愛は存在し、愛憎がもつれ合ってこじれてしまうんですよね。
ハッとするような文章は出てきませんが、自分の過去に向き合って、薄皮を何枚も根気強く剥ぎ取っていくような筆の力はすごいと思いました。
家族の剥き出しの姿を描き出したいという作家の執念みたいな気合いを感じます。
人間が描けているという意味で、ぼくの基準からするとこれは一級品のエッセイです。
まねしたいけど、まねできません。
小林エリコさんのこれまでの作品に「これは来た!」と思った人には超オススメです。

プレジデント・オンラインに登場2020年06月20日 10時48分55秒

プレジデント・オンラインに登場
新著「オンリーワンの花を咲かせる子育て」から、IQと遺伝子の話がプレジデント・オンラインに掲載されました。

https://president.jp/articles/-/36333?fbclid=IwAR3_SMS1gTZOztB5zla-pf5eW_6m50Y5Jc75Vwz3Ts2mO8hlvUhZHEHbAog

Yahoo! にも転載されているようです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/578631dd423a4d3d0495f82480a14e2dc0d77870

よかったらご覧になってください。

本日もプレジデント・オンラインに登場2020年06月21日 09時19分42秒

子どもを叱り続ける「ダメダメ育児」から抜け出す魔法の言葉
本日も、「オンリーワンの花を咲かせる子育て」から、一部がプレジデント・オンラインに転載されました。よかったらご覧になってください。

https://president.jp/articles/-/36334?fbclid=IwAR1g3Svgw7NdcB0wICOi_739QyPFV9SjmPk5qA10CYh25Sr6tsOlUeKagfY

Yahoo! にも転載されています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/0625e2895cf840e2432c7903e269384506e571e2

日曜日なので、時間があるときにぜひどうぞ。

家族写真: 3.11原発事故と忘れられた津波(笠井 千晶)2020年06月22日 23時17分21秒

家族写真: 3.11原発事故と忘れられた津波
3・11の津波と原発事故をどう描くか。
これまでに多くのノンフィクション作家が挑んできました。
その中からいくつもの傑作も生まれましたし、まだ描き切れていない欠けたピースも残りました。
本作は、第26回小学館ノンフィクション大賞受賞作です。

福島では原発事故がクローズアップされてしまい、そこにも津波被害があったことが置き去りにされています。
本作は、「避難指示区域」にあたるために津波被害者の捜索が行われなかった地元で、自分の家族の捜索を自身の手で続ける父親を中心に据えて、映像作家が7年をかけて取材した現場を文章で描いています。
大変な労作です。

ただ、本書が描きたかったのは、3・11なのか? それとも家族なのか? 家族を通して3・11の姿をあぶり出したいのであれば、もう少し視点の広がりがあってもよかったかもしれません。
家族を描くのであれば、やや冗長であり、文章のフォーカスが甘いかもしれません。
小学館ノンフィクション賞は応募規定が300枚です。
本書を出版するにあたって、削った原稿を復活させたものと思われますが、ぼくはオリジナルの300枚を読んでみたかった。
その方が人間をシャープに描けたのではと思ってしまうからです。

映像作家さんには映像という表現手段があるわけですから、さらに文章を書くということにどういう意味を置いているのか、それはこの本によって何が描きたかったかということにも通じますので、表現することの意味の原点をもう一度再確認してもいいかもしれません、なんてことを考えました。