アクセスカウンター
アクセスカウンター

理系の文章術 今日から役立つ科学ライティング入門(更科 功)2020年05月31日 21時48分13秒

理系の文章術 今日から役立つ科学ライティング入門
文章術を述べた本は、これまでにかなり読みました。
類書がたくさんある中で、ブルーバックスから出た本書に興味を持って読んでみました。
この本は「上手な文章」「分かりやすい文章」を書くというよりも、「理論的な文章」をきちんと書きたい人のための作品ではないでしょうか。
筆者は科学者ですから、確かにタイトルにあるように「理系の」の文章をどう書くかがテーマなんですよね。

前半はちょっと自明なことが続きますが、後半の「パラグラフ・ライティング」から急におもしろくなります。
なるほど、ここまで理論立てて文章を構築するのですね。
ぼくはそこまで考えたことはなかったな。
「知っていることがあると、つい、論理の流れを無視して書いてしまう」というのは鋭い指摘です。
ぼくはこれをよくやってしまうのですよね。
で、いったん書いてしまうと、自分の文章が可愛いから削除できないんです。
これは肝に銘じておきましょう。

ぼくも文章術の本を書いてみたいという気持ちを夢として持っているのですが、これは実現しないでしょう。
ぼくが最も影響を受けた文章術の本は本多勝一さんの『日本語の作文技術』です。この本には「上手な文章」「分かりやすい文章」を書くキモがすべて述べられていて、ぼくにはもうそれ以上付け加えることが思いつきません。
もし、文章術についてぼくが何かを述べるなら、ちょっと視点を変えて、読者を惹き付ける方法などを考えたいな。

本を作る時、最終段階で2回ほど校閲さんからチェックが入ります。誤字脱字はもちろんのことを、助詞の使い方が正しいか、文章の理屈が通っているか、事実関係に間違いはないか、漢字をひらくか、ルビを打つか、などなど。
その数は数十カ所どころではなく、それ以上になります。
こういう本を書くということは、校閲さんと「対決」することでもあります。実際はどうだったのかな?
裏事情に興味津々です。
おもしろい本でした。オススメします。