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カミングアウト (朝日新書) 砂川 秀樹2018年12月16日 17時25分50秒

カミングアウト (朝日新書)
LGBT という言葉が一般的になり、当事者たちの権利もかなり認められるようになりました。
しかし、それは昔との比較の話であって、まだまだゲイやレズビアンの人は苦しい思いをしていると思います。
本書のテーマはカミングアウトですが、カミングアウトができない人、したくない人、たくさんいると思います。
カミングアウトをしなくてはいけないということでもないかもしれません。

性的少数者たちの苦悩を理解することは、容易ではないはずです。
誰の心の中にも無知と偏見があるでしょう。
そうしたものを少しずつ乗り越えていくために、本書のような作品が増えて行くこと、多くの人に読まれることが重要だと思います。

老いぼれ記者魂: 青山学院春木教授事件四十五年目の結末(早瀬 圭一)2018年12月16日 17時35分16秒

老いぼれ記者魂: 青山学院春木教授事件四十五年目の結末
青山学院春木教授事件というものをぼくは知りませんでした。
いや、もしかしたら昔は耳にしたかもしれませんが、ぼくも老人になりつつあるので、覚えていません。
ただし、石川達三の『七人の敵が居た』という本のタイトルは記憶に生きています。読んではいませんが。

この本は、「青山学院春木教授事件四十五年目の結末」の方がタイトルとして相応しいのに・・・と思いながら途中読んでいました。
だってそういう内容ですから。
自分のことをタイトルにするのはちょっと自意識過剰かと。
しかしながら読了してみると、この本自体が、新聞記者とは何かを描いているような気がしました。

本事件は、冤罪である可能性が高いし、また、冤罪でないとすると女性を陵辱する許せない犯罪です。
だけど、ロッキード事件のような国家級の犯罪ではありません。
懲役3年の犯罪に対してここまで執拗に食らいつくというのは、どういうことなんでしょうか?
それが新聞記者かもしれません。
モリカケも重要ですが、市井の中の犯罪にも見過ごせないものが潜んでいる可能性は十分にあります。

最後のシーンで読者は筆者と一緒にある意味で肩の荷を降ろすような気持ちになります。
45年前の犯罪の真相を明らかにすることなど不可能でしょう。
しかし記者として何かの決着は必要だった。
それが果たされたのではないでしょうか?

作者の早瀬圭一さんは、大宅賞作家で現在81歳です。
そんな高齢の人がこれだけの文章書けるのですね。
ぼくも頑張ろうと思いますが、ま、冷静に考えればそんな才能も実力もないなと気付きます。

読ませる力が実に見事な、大変な力作です。
記者としてのけじめを付けたのでしょうね。素晴らしい作品です。

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う(鈴木 智彦)2018年12月16日 21時35分03秒

サカナとヤクザ: 暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う
日本の漁業にはヤクザと密漁が深く関わっているというノンフィクションです。
「食べているあなたも共犯者」と言われても、ぼくらはどうしたらいいのでしょうか?
水産庁にはしっかりと取り締まって欲しいものです。
筆者はヤクザの取材の第一人者。
現在、ベストセラー中です。