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娘に寝物語 満州帝国について2011年04月19日 09時50分41秒

昨夜は小学3年の次女に寝物語をしてあげました。

ぼくの人生の中には尊敬するお師匠さんがたくさんいますが、その中の一人、橋都(はしづめ)先生は東京西・徳洲会病院の小児外科の大先輩です。

橋都先生の人生のキーワードは「引き揚げ者」だそうです。
http://blogs.yahoo.co.jp/hashi_wineclub/37342894.html

今の若いママやパパにはあまりぴんと来ないかもしれませんが、かつて大日本帝国は中国大陸に侵略を加え、中国の東北地方に「満州帝国」という傀儡国家を作りました。
数百万人の日本人が移住して、そこで暮らした訳です。

橋都先生のお父様は満州銀行の職員で、満州で財を成し、豊かに暮らしていたそうです。
しかし満州は瓦解。
橋都先生の一家は内地(日本)へ、引き揚げてきました。
ご本人の語るところによれば、「難民」と同じだそうです。

自宅も家財道具もお金もすべて失って、難民として日本へ。
橋都先生のお父様は、この世で確かなものは無いと確信したそうです。

ぼくは、次女に、「世の中が変われば、この自宅も、お金も、ベンツも全部無くなるかもしれないよ」と言いました。
そして、彼女に聞きました。
「じゃあ、すべて無くなっても、必ず最後まで残るものは何?」と。

次女の答えは「心」でした。
いい答えです。
橋都先生のお父様は、贅沢は一切せずに、ひたすら橋都少年に教育をつけたそうです。
全財産を失っても、頭の中に残っている教育は、世界中どこに行っても通用しますから。

結果、橋都先生は東大の医学部に合格し、東大の教授にまでなったのです。
(蛇足ながら付け加えると、橋都先生は地位に全然執着せず、定年の延長措置を申請せず、60歳でさっさと東大を辞めてしまいました)

満州帝国の話は次女には満足だったようで、話し終えるとすやすやと眠りの中に入っていきました。

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