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反転―闇社会の守護神と呼ばれて2008年07月04日 19時47分00秒

田中森一さんの『反転―闇社会の守護神と呼ばれて』を読みました。
許永中と親しかった、ヤメ検弁護士の赤裸々な半生記です。
この人は詐欺事件で起訴されて、罪が確定して現在は塀の中にいます。
田中さんは経験したことを包み隠さず書いてしまうので、内容に強烈な面白さがあります。
ヤクザでも政治家でもタブーは無しです。
しかし、たとえばバブル経済で40億円儲けて、バブル崩壊で全部すってしまった時に、そのことに対してものすごく淡々とした記述しかありませんが、そこいらはとても物足りない。
梁石日ならその経験だけから、文学を1冊ものしてしまうでしょうね。
内容の面白さだけでベストセラーになったのだと思いますが、田中さんが自分の内面を深く見詰めて行けば、そこから新しい世界を描出できると思います。

さて、今日はAmazonで渡辺淳一の『白夜・朝霧の章』を購入しました。
クリニックでA嬢と渡辺淳一の話をしているうちに、昔読んだ渡辺さんの本をまた読みたくなってしまいました。
それは、渡辺さん自身が新米の整形外科医だったころに、炭坑病院で経験する子宮破裂の手術の描写です。
『白夜』という本は渡辺さんの半生記ですが、この子宮破裂の話は、彼にとって強烈な経験だったのでしょう、何度も設定変えてその後の作品に登場するモチーフです。