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85例目の脳死移植2010年01月03日 23時15分45秒

今現在、国内85例目の脳死移植が行われようとしています。
先進国の中にあっては、85例というのは極めて少ない数字です。

日本の移植医療は大変不幸な歴史を辿ってきました。
それは1968年に行われた国内最初の心臓移植が、殺人罪で告発されたからです。

結局この手術に関して執刀医は、不起訴になりましたが、その理由は「嫌疑不十分」だったからです。
つまり殺人の証拠がなかっただけで、この心臓移植を「二つの生」から「二つの死」を招いたと論難する批判もあります。

この結果、日本の移植医療は完全な足踏みに入ります。
しかし問題の本質は、この手術を行った医師にだけあるのではなく、この手術を学会できちんと総括できなかった当時の日本の外科医の重鎮の態度にあると思います。

日本の移植医療が遅れたことを、一人の心臓外科医の責任に押し付けたり、マスコミが批判するからだとするような意見は、自分たちの不作為を棚に上げた責任逃れでしかないと思います。

そういう意味で、1968年当時、時代を切り開く真の意味でのリーダーが日本にはいなかったのだと思います。

立花隆さんは脳死臨調の脳死基準に厳しい批判をしましたが、実は、世の中の脳死の理解にものすごい貢献をしたのだと思います。

85例目もうまくいくと良いですね。

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