牛乳は体に悪い!2008年11月27日 20時07分14秒

今日クリニックでなじみの患者さんと話をしていたら、牛乳が体に悪いという学説があることを教えられました。
これを唱えているのは、アメリカ在住の高名な先生です。
はい、知ってますよ、その名前、僕も。

しかしなぜ体に悪いのかとその理由をママに聞いてみると、、、、
その先生の学説には、人間の体温よりも高い動物の肉は食べていけないとか様々な内容が含まれていること知りました。

で、家に帰ってネットでいろいろと調べてみると、これは相当な「医者」です。
この人の書いたベストセラー本の最初を読むと、自分は医者になって40年間で死亡診断書を書いたことが一度もない、と書いています。
がんの再発率0%とも書いています。

みなさん、おかしいと思いませんか?
たとえば日本では毎年110万人の子どもが産まれ、そして100万人の人が亡くなっていくんです。
その100万の死亡診断書を書いているのは医者です。
では、この人は何で死亡診断書を書いたことがないのでしょうか?

それはね、この先生が診断医であって、進行がんの治療を自分の責任でしたことがないからです。
一人の人間の人生を最後まできちんと看取った経験がないわけです。
それを、あたかも自分が名医のような言い方。
こういうのを「はったり」と言います。
そりゃ、当たり前です。
僕だってこの後、仕事を辞めるまで開業医を続けていれば、死亡診断書を書くことなんて絶対にありません。

がんの再発率0%?
それは、再発しない早期のがんしか治療していないか、再発後は別の医者に行っているだけです。

がんが100%治ったら、世界の三大死因の1/3が消失してしまうではないですか?
人間は不老不死ですか??

本屋を覗くとこういった「太く長く生きる」みたいな健康本をたくさん見かけます。
「アンチエイジング」なんて言葉も大流行です。
しかし、こういう「欲」にまみれている大人の姿は醜いと思います。
子どもにはね、こういう「欲」って無いんですよ。

限りある命だからこそ、いかに生きるかが問題なんです。
醜い欲にまみれて200歳まで生きたって、だれも羨ましいと思いません。

あれ? 牛乳から話が飛躍したな。
ですから、ご心配なく、お母さん、どうぞ牛乳を飲ませてください。
この「医者」のいうことは気にしないで。

ちなみに、ちょっと付け加えておくと、この「医者」がやっているレベルの診断はいまや世界中で誰でもできます。
たしかにこの人はパイオニアだし、それに対する尊敬は受けてしかるべきでしょう。
でも、そういったことは医者の世界ではいくらでもあります。
たとえば、食道がんの手術法を開発した千葉大の中山先生。

でもね、中山先生は、自分の技術を世界中に広めることを重要と考えて、この「医者」みたいに本を書いて40年も前のことをいまだに「世界で最初に自分が、、、」とかは書きません。