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「小児外科」って何だ!2008年09月19日 20時17分09秒

先日の「朝ズバッ!」を見た皆さんから色々な感想や意見をもらいましたが、その中で比較的多かった意見に、「小児科」と「小児外科」の区別がついていないというものがありました。

確かに。
一般の方もTBSの取材スタッフも、「小児外科」というのは、「小児科」の一部と思っているかもしれません。
僕はインタビューに答えて「小児外科」という言葉と「千葉大病院」という言葉を連呼しましたが、それらはほとんどカットされたようです。
まあ、「千葉大小児外科」を宣伝しようとした僕の下心は見え見えだったかも。

その一方で、先日、日本テレビで「4人の小児外科医」のドキュメントが2時間にわたり放送されました。
タイトルは「小児外科医」ですが、実はこのうちの3人は小児外科医ではありません。
一人は脳神経外科医、一人は心臓外科医、一人は移植外科医です。
じゃあ、その人たちと「小児外科医」ってどこが違うの?と聞かれると、細かい説明が必要になります。
説明しなくてはならないこと自体が、小児外科医とはどういった存在か認知されていないことを示しています。

そして、「小児外科」とは何ぞやというアイデンティティーがはっきりしない理由の一つに小児外科の側の問題もあります。
たとえば、日本小児外科学会が、「小児外科医」の定義を自己規定できていないこともその理由の一つです。

小児外科と他科との間に境界領域があります。
産婦人科、泌尿器科、呼吸器外科、形成外科などです。
この境界領域をすべて小児外科が引き受けるくらいの努力が無いと、子どもにとって不幸な医療が行われる可能性も否定できません。
小児外科が、小児がんや再生医療など、最先端医療を真っすぐに進むことも重要ですが、境界領域の外科疾患をすべて、小児科医から紹介してもらえるように、そういった地道な努力をすることも大事だと思います。