盛り上がらないW杯2010年06月11日 19時34分06秒

サッカーのワールドカップが今夜、南アフリカで開催されます。
なんだか全然盛り上がりに欠けるような気がするのは、単に僕がサッカーに詳しくないからでしょうか?

南アと言えば、治安の悪さで悪名を轟かせており、その具体的な日常は、僕の畏友・藤原章生の書いた「絵はがきにされた少年」(集英社)でも知ることができます。

サッカーに興味が集らない理由は、人材不足にあるのだと思います。
これはもちろん選手もそうですが、監督を含めて協会のスタッフまで。

講談社の雑誌「g2」第4号を読むと、川淵三郎さんのインタビュー記事が載っているのですが、これがあまり面白くない。
はっきり言うと、読んでいてため息が出てくる。
それはもちろん作家のせいではありません。
ライターの二宮清純さんは、取材力・構成力・筆力すべてに優れた超一級のジャーナリストです。

では何がいけないかと言うと、川淵さんの喋っている内容のレベルが素人並みだからです。
まるで一国の総理大臣がほろ酔い加減で「床屋の政談」をしてようなものです。
サッカーの門外漢の僕が聞いたって呆れるような素人談義を聞かされると、川淵さんって、本当に俗人なんだなと思います。

ラグビーの大西鐡之祐さんとか、宿沢広朗さんとかと、色々な意味でかなり違いが感じられます。
一つの組織は人間が育っていかない限り、発展することはできません。
新しい人、出でよ。そして語れ。

ま、そんな感じです。

四十にして惑う2010年06月12日 23時05分57秒

四十にして惑わずは孔子の言葉ですが、僕はそんな立派な人間ではありません。

大学を卒業して、千葉大学医学部の小児外科教室に入局しましたが、これは要するに、とある零細企業に就職したということです。
医者というと一般の方は自由業みたいなイメージでとらえるかもしれませんが、そうではありません。
サラリーマンです。

上司の元で仕事を憶え、上司の命令に従って仕事をする。
サラリーマンが上司に反抗できないように、医者の世界でもまったく同じ。
命令を受けて仕事をこなしていく訳です。
ですから、生き方に迷うことはなかった。
国家公務員でしたから、リストラされる心配も皆無でした。

立花隆さんの言葉によれば、迷って生きるのが青春。
40歳になって惑わなくなれば、青春が終わるのだそうです。
そういう意味からすると、僕は青春を精一杯生きたとは言えないようです。

そんな僕の人生の転機は40歳で大病をしたこと。
ここから迷い始めました。
大学病院で仕事を続けられなくなり、自分の力で生きていかなくてはならなくなったからです。

そしてそれから数年。
開業医になって生活が激変しましたが、最大の違いは、自分の人生にとって無駄なことをしていると思う時間が極端に減ったことでしょう。
僕のある友人は、僕のブログを読んで、「焦って本を読んでいるみたい」と感想を述べました。
これは半分正解で半分正しくない。

確かに焦りはあります。
僕の人生の残り時間を考えると、一体あと何冊の本を読めるか?
1年に100冊読んでも、20年で2000冊しか読めません。
しかしかと言って、急かされた気持ちで読んでいる訳ではありません。
本を読むと世界がどんどん広がりますので、充実した気持ちで読書をしているのです。

迷うことが青春ならば、僕は現在、青春の途中にいるということになります。
ヴァイツゼッカーの「荒れ野の40年」を読んで、国家の過去と未来に悩みながら思いを馳せる、、、そんな自分の姿は決してみっともなくないと思います。
これからも迷って生きていきましょう。

ランチェスターの法則、もう一度2010年06月13日 09時47分45秒

前にも一度書きましたが、企業でも戦争でも戦いに勝つためにはランチェスターの法則が参考になります。

弱者の戦略は「一点集中主義」「差別化戦略」。
つまり自民党が今度の参院選で民主党に勝とうと思ったら、民主党にはできないなにか、今までも誰も思い付かなかったなにか、キラリと光る個性的な選挙公約が必要な訳です。

強者の戦略は「ただちに真似する」。
つまり民主党は自民党の真似をすればいいのです。
自民党が消費税10%と言えば、ただちに「税の抜本的改正」を唱える、そうすれば自民党の個性は消失してしまいます。

菅さんは財政再建を、「強い経済」「強い社会保障」と一体でやると言っています。
本当はこういうことを自民党は言うべきだったのですがね。

菅さんの所信表明演説に対して新聞5紙は、程度の差はあってもいずれも好意的です。
これは珍しい。

だけど、菅さん、言っていることがあまりに現実的すぎて、、、僕は鳩山さんの夢を語る姿が好きだったなと改めて思います。

はやぶさ イトカワ ウーメラ2010年06月14日 20時58分22秒

はやぶさ イトカワ ウーメラ
聞きなれない言葉が次々に出てきます。
地球への帰還に伴って、各メディアからどんどんニュースが流れてきました。

最初にこの報道を聞いた時は、「故障やトラブル、失敗の連続」という部分ばかりに気を取られて、「だから事業仕分けされちゃうんだ!」と呆れてしまいました。

ところが、はやぶさの物語りが「失敗を乗り越える」ドラマであり、大気圏突入で燃え尽きてしまう「消滅」のドラマであることが分りました。

イトカワなんていう変な名前は、実は日本人の名前だとも知りました。

オーストラリアの砂漠にはウーメラなんていう変わった名前があることも知りました。

好奇心をもって世の中を見渡せば、好奇心がくすぐられることがいくらでもあるとつくづく思いました。

レオナルド・ダ・ビンチはメモ帳を持ち歩いてあらゆることをメモしていたそうです。
それはおそらく、興味をそそられることをメモしたのではなく、メモすることで興味がそそられたのだと思います。

人間の感性でこういう部分は非常に重要で、感じる力がないと、人生を豊かに生きられなくなってしまうのでは?
歳を取るとますますこういう傾向に拍車がかかります。
肉体は老けても感受性は若いままでいたいものです。

昨夜は夜遅くに「はやぶさ」の報道を5紙で順次読んでいるうちに、じわりと感動が心の中で広がって涙腺が緩んでしまいました。
やっぱり素直に、「やったね! はやぶさ!」って言えないと!

クリニックは暇、でも用事がいろいろ2010年06月15日 23時00分54秒

今日のクリニックは閑散としていて、お見えになった患者さんは驚いたかもしれません。
僕にとっては一息つけるので、大変有り難いことです。

その一方で、クリニック以外ではいろいろと用事があります。

まず、今夜は夜になってから出かけてきました。
千葉県こども病院のOBの開業医の集りです。
お酒を飲んで、美味しい料理を食べて、バカ話に耽って、、、と書きたいところですが、いつものように真面目な話ばかり。
どの先生も、「行列のできる小児クリニック」の院長ですから、医者としての実力も人柄も、僕なんかが及びもつきません。

喘息の話、食物アレルギーの話、けいれんの話、予防接種の話、、、話題はどうしても学術的なものになっていきます。
とても勉強になります。
これはぜひ、みつわ台の子どもたちに還元しましょう。

さて、明日は大学病院へ行って診療を行います。
数人のお子さんを診るだけですが、一人一人が大きな病気の体験者ですから、優に昼過ぎまでかかるでしょう。
無報酬で行うボランティアですが、こんな僕でも社会の役に立てるならば、嬉しいものです。

さらに、今週金曜日の午後からは、名古屋に出かけます。
日本小児外科学会です。
たくさん、勉強をしてきます! と言いたいところですが、僕は開業して4年になり、もはや「外科医」ではありません。
学会に行くのはこれが最後かもしれません。
学会も、このまま所属していても意味が無いかもしれませんね。

ま、クリニックを閉めて行くのですから、短い時間の中で多くのことを吸収しましょう。

いろいろと楽しい用事が目白押しですが、体調には十分気をつけるつもりです。

プレゼントをもらいました2010年06月16日 18時18分59秒

ハンカチ
今日は大学病院で診療。
8人の患者を診るのに、朝から夕方までかかりました。

最後に見えた患者さんは20歳。
僕とご家族のお付き合いは、19年になります。
詳しい闘病の歴史は「命のダイアリー」(講談社)に書きました。

難病を克服して現在に至っていますが、就職にあたり大変苦労しました。
僕にできることは高が知れていますが、できる範囲で一生懸命手伝って、しかし最後はこの子が独力で就職を決めました。

そうして労働で得た最初の給料。
労働とは、対価とは、お金とは、何と尊いのでしょう。

鳩山さんの一億円と、汗水垂らして得た100円では、どちらが価値があるか言うまでもないでしょう。

さて、その初めてのお給料で僕にプレゼントしてくれたのが、このハンカチ。
嬉しいじゃないですか?
このハンカチをポケットに入れて、金曜日から名古屋に出かけましょう。

18日と19日のクリニック2010年06月17日 22時35分55秒

18日(金曜日)のクリニックは、午前中のみ診療を行って、午後は休診です。
定期的に受診をしていて、薬が必要な方は午前中に来てください。

19日(土曜日)は、完全にお休みです。

21日(月曜日)からはいつも通りに診療をしますので、少しだけ僕に休みをください。

今日もクリニックは大変混雑しました。
待ちくたびれてしまった患者さんもたくさんいたと思いますが、どうかご勘弁下さい。

グリーン車で行こう2010年06月18日 08時39分04秒

電車は基本的にグリーン車に乗ります。
なんて贅沢な! と思う人も多いと思いますが、ま、僕の言い分も聞いて下さい。

東京から名古屋まで新幹線で行くと、運賃と特急料金で併せて11000円くらいかかります。
さらにグリーン車を選択すると、これに4000円くらいが上乗せされます。
たしかに料金が1.5倍になるのですから、これは高いと思いますよね。

ですが、家族で焼き肉を食べに行ったって、4000円くらいはすぐにオーバーしてしまいます。
それと比較して考えれば、そんなに高い値段ではありません。

グリーン車に乗れば、まず間違いなく座ることができるし、座席はゆったりしているし、車内全体が人が少なくて伸び伸びできます。
静かだし。

100分の旅が快適に過ごせるのですから、4000円は悪くない料金でしょう。
積もり積もれば、健康にも良いことだと僕は思っています。

まあ、こんなことをつらつらと書き連ねるのは、グリーン車が高くないと、自分に言い聞かせているだけかもしれませんが。

家内に「グリーン車、乗っていい?」と訊ねると、「お好きに」と毎回返事が返ってきます。

名古屋で飲んだ2010年06月19日 19時44分59秒

びわ
日本小児外科学会に参加してきました。
日中は真面目に勉強して、夜は痛飲しました。

九州大学の田尻先生、
広島大学の檜山先生はいつものメンバーですが、
これに自治医大や大阪大学関連の先生が集って、気が付けば15人を超える大所帯になってしまいました。
若い先生もいたし、学会を代表するような高名な先生も混じっていました。
ま、しかし、硬いことは抜きにして乾杯しましょう!

真面目な話もたくさんしましたが、田尻先生と檜山先生がからみ合うと、どうしても掛け合い漫才になってしまいます。
日本の小児がんの研究と治療を代表するこの二人ですが、仕事を離れると本当にごく普通の「おじさん」です。

多いに飲んで、多いに笑って、楽しい時間は走り抜けるようにあっという間に過ぎていってしまいました。

まあ、また飲みましょう。
人生は長い。
時間はいくらでも作れば良いのだから。

さて、実はこの学会のためにサイバーショットを買ったようなものなのですが、直前でmicroSDが壊れてしまいました。
従って、飲み会の写真はなし。
重いサイバーショットを名古屋まで持って行って役に立たないとは。
急に愛着が減ってしまいました。
軽い機種に買い替えてやろうかな。

あっという間の一泊二日が終わって帰宅すると、僕の大好物のびわが待っていました。
幸せです。

八重洲ブックセンター g2プレゼンツ 「世紀のノンフィクション」2010年06月20日 14時46分45秒

八重洲ブックセンターで、講談社「g2」提供による「世紀のノンフィクション」フェアが開催されているそうです。

近々そういう企画があると講談社のNさんに聞いていましたが、今朝、家内がそういう記事が朝日新聞に載っているよと教えてくれました。

昨日、JR東京駅を通ったので、これは本当に惜しいことをしたものです。
7月9日まで開催しているようですから、可能ならば八重洲まで行きたいですね。

本の選び方は100人いれば100通りありますが、同時に、誰が読んでも面白いという普遍的な本もたくさんあります。
「g2」の作家と編集者が何を選んだか、そこに興味があります。
また、僕の知らない名著があれば、ぜひ読んみたいし。

「ノンフィクション・冬の時代」などと言いますが、いやいやそんなことはありませんぞ!
人間は真実のみによって導かれるのですから。